【カラスの種類】見分けが付かないものもいるけれど・・・日本には複数種のカラスがいた!

【カラスの種類】見分けが付かないものもいるけれど・・・日本には複数種のカラスがいた!

カラスはゴミを荒らす、人に攻撃する、大きな鳴き声がうるさい、縁起が良くないなど・・・悪いイメージを持っている人が多いと思います。

そんな私たちの身近にいるカラスですが、実は1種類ではなく、複数種いることをご存じですか?

今回はカラスの種類について調べてみたので、解説したいと思います!

代表的なカラスはこの2種類

日本に広く分布しており、私たちの周りにいるカラスは「ハシボソガラス」と「ハシブトガラス」の2種類が代表的です。

どちらもカラス科カラス属に属する鳥です。まずはそれぞれの特徴をまとめてみましょう。

ハシブトガラス

ハシブトガラスは全身が光沢のある黒色をしていて、くちばしが太く上くちばしが曲がっています。そして額(くちばしの上)が出っ張っているのが特徴です。

大きさ

体長は55~60㎝程度で、翼開長は100㎝、体重は550~750ℊほどです。ハシボソガラスに比べるとやや大きい体格をしています。

くちばしの特徴

クチバシは長さ6.8㎝、幅2.7㎝程度で大きくて太いです。また、上くちばしは下に向かって曲線を描いています。

鳴き声

澄んだ声で「カーカー」と鳴きます。

鳴く時の姿勢

体を震わせずに、頭を前に突き出した状態で鳴きます。また、鳴く時に喉を膨らませるのも特徴です。

歩き方

地面を進む際は、スズメのようにジャンプするように移動します。

生息場所

ビル街、公園の森、樹林内、住宅地など立体構造がある場所や海岸などが多いです。クスなどのより高い常緑広葉樹の樹冠部の茂みに巣をつくります。

食事

雑食で、昆虫・木の実・動物の死骸などあらゆるものを食べます。特に脂質を好み、肉食傾向が強く、高く安全な場所に餌を運んでから食べることが多い慎重派です。

ハシボソガラス

ハシボソガラスはくちばしが細く、上くちばしがあまり曲がっていないのと、額(くちばしの上)が出っ張っていないのが特徴です。

また、知性の高いカラスの中でもハシボソガラスは、学習能力が極めて高く、道路にくるみを置いて車に割らせてから中身を食べたりします。

大きさ

全長50㎝ほどで、ハシブトガラスに比べるとやや小さく、全身は光沢のある黒色をしています。

くちばしの特徴

くちばしは長さ5.3㎝、幅1.9㎝程度で、小さくて細いです。上くちばしはあまり曲がっていません。

鳴き声

濁った声で「ガーガー」と鳴きます。

鳴く時の姿勢

体を震わせながら、腹部を膨らませ、頭と尾羽を下げてお辞儀するような格好で鳴きます。

歩き方

地面を歩く際は、人間と同じように脚を交互に出して歩きます。

生息場所

田園地帯、農耕地、河川など開けた場所など郊外に生息していて、落葉広葉樹やマツなど明るい樹枝上に巣をつくります。

巣の位置はハシブトガラスの巣と比べると低い位置にあります。

食事

雑食で、昆虫類・鳥類の卵や雛、小動物、動物の死骸、果実、種子などを食べます。やや植物食傾向が強く、餌を手に入れたらその場で食べることが多いです。

国内で見られる渡り鳥なカラスたち

住宅地などでよく見られるカラスは、「ハシブトガラス」と「ハシボソガラス」の2種類ですが、その他の種類も日本にていずれも渡り鳥となっています。

この項目では国内で見られる、渡り鳥のカラスたちをまとめてみましょう。

ミヤマガラス

ミヤマガラスは、冬を越すためにシベリアなどの大陸から群れでやってくる渡り鳥です。

性格はおおらかで、河川敷などで他のカラスと行動を共にすることもあります。

くちばしが白いカラス

ミヤマガラスの最大の特徴は、くちばしが白いことです。

他のカラスはくちばしも黒いので、くちばしが白いミヤマガラスはすぐに見分けがつくでしょう。

ただしくちばしが白いのは成鳥だけで、若鳥はくちばしの白い部分である基部が黒い羽毛で覆われているため、若鳥はハシボソガラスとの識別が難しいです。

外見の特徴

全長47㎝、翼開長は90㎝で、全身は黒い羽毛で覆われています。くちばしは細くて湾曲が少なく、成鳥では基部の皮膚がむき出していて白く見えます。

日本で見られる時期

日本には10月~3月頃に冬鳥として渡来します。

日本で見られる地域

以前は本州西部や九州に多く飛来していましたが、現在ではほぼ全国で見られます。

ワタリガラス

ワタリガラスはユーラシア大陸全域、北米大陸など広範囲に生息しているカラスで、日本に渡り鳥としてやってきます。

知能が高いカラスとして位置づけられていて、人間でいうと4歳児に相当する頭脳を持っているともいわれています。

カラスの中で最大級の体

ワタリガラスはカラス属の中で最大級の大きさで、ハシブトガラスよりも一回り大きいです。

全長は約60~65㎝、翼開長は約100~150㎝、体重は1~1.8kg程度になります。

外見の特徴

見た目はハシブトガラスに似ており、体格差以外ではなかなか見分けが付きにくくなっています。

日本で見られる時期

ワタリガラスは越冬するためにやってくることから、秋から冬にかけて見られます。

日本で見られる地域

渡り鳥としてやってくるワタリガラスの飛来地は、主に北海道となっています。

コクマルガラス

コクマルガラスは日本に飛来するカラスの中で最も小さいうえに、白や灰色がかった羽毛が生えた部分もあるため、一見するとカラスには見えません。

カラスの中で最も小さいといわれる体

コクマルガラスは世界のカラス属の中で最も小さく、成鳥でも全長35cmほどとハトほどの大きさしかありません。

カラスだけど体は白い

頸部から腹部の羽毛が白い淡色型で、その他の部分は黒い羽毛に覆われています。ツートーンカラーの愛らしい見た目が特徴です。

日本で見られる時期

日本には越冬のためにやってくるので、秋の終わりから姿が見られるようになります。

日本で見られる地域

日本では西日本、特に九州地方で見られますが、稀に北海道や関東にも飛来してきます。

世界中にいるカラスたち

カラス科カラス属のカラスは、世界で現在46種ほど確認されていますが、中にはおもしろい特徴のあるカラスがいます。

道具を作る「カレドニアガラス」

南太平洋にあるニューカレドニアのグランドテール島に生息するカレドニアガラスは、道具を自作して使用するカラスです。

枝などの素材を加工して、フック状の道具を作り、餌となる虫を狭い場所から引きずり出して食べます。

カレドニアガラスは人間以外で唯一、道具を作ることができる動物であるともいわれているそうですよ。

大家族を形成する「アメリカガラス」

アメリカガラスは北アメリカに広く分布するカラスで、大家族を形成します。

アメリカガラスのペアは過去に育てた子と共に繁殖を行うので、繁殖期には最大で15羽もの大家族を形成するそうです。

誕生した子の多くは、翌年以降に新しい巣で親が繁殖するのを手伝うため、親と4~5年は共に生活するといわれています。

まとめ

日本にいるカラスは1種類だと思っている人も多いかもしれませんが、実は日本には5種類のカラスがおり、それぞれに特徴があります。

通年で生息しているカラスは、「ハシブトガラス」と「ハシボソガラス」ですが、渡り鳥としてやってくるカラスもいます。

また、世界には道具を作ったり、大家族を形成したりする面白いカラスもいます。知能の高いカラスについて調べてみるととても興味深いですね。


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