ブロードウェイが驚くようなミュージカルに!宮本亜門さんら関係者が語る『ウィズ・オズの魔法使い』
『オズの魔法使い』を1974年に全員黒人キャストでミュージカル化した『ウィズ』。これを日本を代表する演出家・宮本亜門さんが翻案し、AKB48の増田有華がドロシー役を演じる『ウィズ・オズの魔法使い』が、2012年9月28日より神奈川芸術劇場で封切りされました。
開演に先駆けて、宮本さんと、美術監修を務めたファッションブランド「6%DOKIDOKI」ディレクターの増田セバスチャンさんに、劇団「快快」の衣装製作を担当している藤谷香子さんを交えたトークセッションが、2012年9月21日に神奈川芸術劇場アトリウム内特設ステージで開かれました。
「『ウィズ』は最初に観たミュージカル。まさか自分が関わるとは思わなかった。最初に宮本さんから電話があったときはいたずらかと思いました」という増田さんにアートディレクションを任せた理由について、宮本さんは「きゃりーぱみゅぱみゅの『PONPONPON』の映像を観て、色合いや世界観が面白いと思った。あの映像が欲しくて欲しくて、声をかけました」と、原宿発のカラフルワールドに引き込まれたことを明かしました。また、増田さんの自伝小説『家系図カッター』を引き合いにして「いい意味で反逆児。社会に”負けるものか”というところが好き」とその魅力に言及。
惚れ込まれての起用に、増田さんは「はじめての経験なので、何もないところから手探りで悩んでやってました。亜門さんには”難しいことは考えないでいい。自由に考えていい”とおっしゃって頂いて…それで自分の世界を出そうと。亜門さんに尽くして尽くさなければいけないな、と感じました」と、恐縮しつつも全力で『ウィズ』のアートを作り上げているとのことでした。
宮本さんは、「日本で黒人のミュージカルはスピリチュアルメッセージがあるのでやりづらい。だから、去年の大震災からの閉塞感を、中から変えていきたい。おそらく、ブロードウェイの人が観たらひっくりかえっちゃうんじゃないかな」と、原作とはまた違った元気なミュージカルにと意気込みを語り、増田さんも「きゃりー(ぱみゅぱみゅ)の映像は演劇の要素を入れて認知されたので、世界に通用するものができると思います」と自信を示しました。
「10代の女の子に響くかどうかでもの作りをしている」という増田さんは「女の子が女性に変わる瞬間には爆発力がある。増田有華ちゃんは今まさにその瞬間」と、主演の成長に注目して欲しいと話します。
また、宮本さんは「AKBには興味なかった」と告白しつつも、オーディションを通じて接したメンバーのことを「全員が自立した女の子だった」と賞賛していました。
DA PUNPのISSAや小柳ゆき、森公美子、陣内孝則といったキャストも豪華な『ウィズ・オズの魔法使い』。2012年10月6日・7日には大阪・梅田芸術劇場で、10月18日から28日までは東京国際フォーラムで公演されます。
ウィズ-オズの魔法使い-
http://www.parco-play.com/web/play/wiz/
乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。
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