マイルームから街角から、プロ顔負けのダンスを世界に発信~「踊ってみた」動画
自分のダンスを撮影して、その動画を投稿する「踊ってみた」。ニコニコ動画では、「ボカロ」や「歌ってみた」などと同じくらい、人気ジャンルの1つとなっている。テクノやヒップホップにブレイクダンス、アイドルやダンスユニットの振り真似、オタ芸まで、ダンスのスタイルは百花繚乱だ。「踊ってみた」に投稿するユーザーを「踊り手」といい、人気の踊り手が結集したイベント『ニコニコダンスマスター』はニコニコ動画で15万人以上の視聴者を集めるほどだ。プロ顔負けのダンスを披露する踊り手も登場している。そんな「踊ってみた」の動画の中から、オススメの作品をピックアップしよう。
■【踊ってみた】ハッピーシンセサイザ【めろちん】
まず紹介したいのは、今年8月18日にディファ有明で開催された「踊ってみた」の祭典『ニコニコダンスマスター4』でも、サプライズ登場して喝采を浴びた超人気ダンサー、「めろちん」さんの初投稿作にして、代表作でもある1本。撮影場所は、自宅と思われるフローリングの一室。決して広くはないスペースをダイナミックに使ったダンスは、視聴者を一発で魅了する。音声合成ソフトVOCALOIDで楽曲を作って投稿するユニット「EasyPop」の可愛らしい曲に合ったガーリーな振り付けとキレのある動きが特徴だ。何と言っても、踊る楽しさが画面から伝わってくる。
・【踊ってみた】ハッピーシンセサイザ【めろちん】
http://blog.nicovideo.jp/award/2012/09/post-2.html#sm12926280
■【こずえ】ルカルカ★ナイトフィーバーを踊ってみた【らめらめよ!】
人気の踊り手の動画をもう1作品紹介しよう。踊り手・愛川こずえさんが、ボカロPの「samfree」さん作曲の人気ナンバーをオリジナルの振り付けで踊った1作。小柄ながら躍動感にあふれるキュートなダンスに、ユーザーからは「こずこずかわいい!」と人気が爆発した。愛川さんは今年7月29日に鳥取県・八頭町で開かれた「ニコニコ町会議」に登場し、集まった参加者に振り付けのレッスンをするなど、活躍の場を広げている。
・【こずえ】ルカルカ★ナイトフィーバーを踊ってみた【らめらめよ!】
http://blog.nicovideo.jp/award/2012/09/post-2.html#sm7517202
■ロックマン 2ワイリー ステージ おっくせんまん!女声(正式)
今や押しも押されもせぬ人気ジャンルとなった「踊ってみた」。では、最初の作品が投稿されたのはいつだろうか。2007年3月6日に投稿された『ロックマン 2ワイリー ステージ おっくせんまん!女声(正式)』が最古だと言われている。踊り手の「せいら」さんは、スーパー戦隊の女性メンバーのコスチュームに身を包んでいるが、れっきとした男性。「おっくせんまん!おっくせんまん!」と裏声で歌いつつ、ハイテンションなダンスムーブを繰り広げる姿に、「踊ってみたというより暴れてみた」という意見もちらほら・・・。
・ロックマン 2ワイリー ステージ おっくせんまん!女声(正式)
http://blog.nicovideo.jp/award/2012/09/post-2.html#sm902
■バラライカ PV いさじ with 阿部ダンサーズ
「踊ってみた」が始まったばかりのころは、アニメなどのダンスシーンをフィーチャーした2次元作品の「踊ってみた」が流行した。ほどなくオリジナル曲にオリジナルのダンスを付けたり、既存曲を独自解釈で振り付けた動画が人気を集めるようになる。その中でも、絶大なインパクトを視聴者に与え、大ブームを巻き起こした作品が『バラライカ PV いさじ with 阿部ダンサーズ』だ。
・バラライカ PV いさじ with 阿部ダンサーズ
http://blog.nicovideo.jp/award/2012/09/post-2.html#sm975673
この作品では、生身の人間ではなく、3DCGで描かれたキャラクターが踊り手。「踊ってみた」に含めるのに意義を唱える向きもあるかも知れない。しかし、ダンサー(?)であるCGキャラ「阿部さん」の不思議な色気のある表情、妙に滑らかで妖しい振り付けなどは中毒性が抜群なのだ。使われている曲『やらないか』(歌:いさじ)のパロディ元は、「月島きらり starring 久住小春」による『バラライカ』だ。原曲にもオリジナルの振り付けは存在するのだが、「阿部ダンサーズ超監督」が描いた世界は余りに衝撃的過ぎた。
その後、3DCGの振り付けを生身の人間がライブで踊るという逆転現象も発生した。ソロでのダンスや、数十人による群舞ありと様々な『やらないか』動画が誕生。その中でも、とりわけ注目に値するのが、花岡充さんによる『日本全国48都市でやらないかを踊ってみた』だろう。
・日本全国48都市でやらないかを踊ってみた
http://blog.nicovideo.jp/award/2012/09/post-2.html#sm17937231
投稿主の花岡さんは、およそ3年がかりで北は札幌から南は鹿児島まで、1人で日本全国48か所を巡って『やらないか』を踊り、動画素材を撮影。それをまたコツコツと動画編集し、作品としてまとめ上げた。その熱意と根気、そして日本全国の名勝を4分半で見せ切るスケール感に多くのニコ動ユーザーは感動し、『第4回動画アワード』で見事に「踊ってみた」部門のMVD(Most Valuable Douga・最も素晴らしい動画)を獲得した。
■どうやら、どうにかなったようです。(うp主が)
最後は『動画アワード2011(秋)』の最終ノミネート8作品にも選ばれた人気動画だ。
・どうやら、どうにかなったようです。(うp主が)
http://blog.nicovideo.jp/award/2012/09/post-2.html#sm15803157
この作品は、踊り手「あぷりこっと*」さんによる動画『【踊ってみた】Heart Beats【あぷりこっと*】』を、「ごめんなさいAD」さんが再加工・再編集したもの。動画には、レトロな街角に佇むモノトーンの女の子が登場する。彼女が踊り出すとその足元からリズムが音符となって湧き上がり、ファンタジックな世界が広がっていく――。あぷりこっと*さんのキュートなダンスを引き立てる美麗な映像効果の数々は素晴らしく、特に3DCGと合成した回り込みシーンには、思わず息を飲んでしまうほどだ。
・【踊ってみた】Heart Beats【あぷりこっと*】
http://blog.nicovideo.jp/award/2012/09/post-2.html#sm13680622
◇関連サイト
・動画アワード2012 – 公式サイト
http://blog.nicovideo.jp/award/
・ニコニコダンスマスター – 公式サイト
http://www.nicovideo.jp/danmas/
(KAVE)
【関連記事】
和む! 癒される! ほっこりする! とにかくかわいい、天然の”天才役者”たち~動物動画
「とにかく何かを作りたい! 情熱が止まらないニコニコ動画の職人達」
「予想できない展開に持っていくことです」 謎のロボットを発明する大学生・回路師に話を聞いてみた<うp主インタビュー第4回>
「生きるとは、他の生命を奪うこと」サバイバル愛好家・カメ五郎が語る”自然ライフ動画”の極意<うp主インタビュー第3回>
動画アワード2011審査員賞受賞・手妻師、藤山晃太郎「ニコ動も伝統芸能も、わかる人同士で盛り上がるハイコンテキストカルチャー」<うp主インタビュー第2回>
ウェブサイト: http://news.nicovideo.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。