ネズミは嫉妬もするし芸もする! 生物大好きミステリーハンター・篠原かをりさんの偏愛エッセイ『ネズミのおしえ ネズミを学ぶと人間がわかる!』
慶應義塾大学大学院生でありながら、作家活動や雑誌での連載、TV、ラジオ番組への出演、そして近年はTBS系「日立 世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターなど、多方面で活躍されている篠原かをりさん。ネズミ大好き偏愛エッセイ『ネズミのおしえ ネズミを学ぶと人間がわかる!』が徳間書店より現在発売中です。
いくつかのネズミの仲間の中には、人間とともに暮らすのに適した種類がいて、多くのネズミがペットとして人間と暮らしてきました。恐らく日本で最も馴染み深いネズミと言えばハムスターでしょう。本書の著者、篠原かをりさんが初めて一緒に暮らしたネズミもハムスター。篠原さんはこれまで、ドブネズミやハツカネズミ、スナネズミ、コビトハツカネズミ、ハムスターなど累計40匹以上の飼育経験を持ち、大学院での現在の研究テーマは「妊娠期マウスが摂食するタンパク質の量や質の違いが次世代に与える影響の検討」というネズミ偏愛っぷり。
本書ではそんな著者が、知られざるネズミのとっておきの話を紹介しています。ネズミが笑うって知ってる? ネズミだって、仲間のためなら自分の大好物を我慢することもある。孤独はネズミにとってもツライ。あっちにしとけばよかった! ネズミも後悔する。無節操? 賢い?ネズミの異性選び。ネズミに教えてもらうダイエットの秘訣。そしてまさかの、ネズミはチーズが好きじゃない?などなど、 哺乳類(人間)の謎の解明に貢献しているネズミのホットトピックは、人間関係、いじめ、恋愛、ダイエットから、健康・長寿にいたるまで、笑い・驚き・感動の嵐!
筆者個人的にも「日立 世界ふしぎ発見!」での活躍を見て、その生き物愛に「なんてすごい方なんだろう!」と注目していた篠原さん。
【動画】異色ミステリーハンター篠原かをり ふしぎ生き物大冒険!
https://www.youtube.com/watch?v=IHW-0rbhIP4 [リンク]
『ネズミのおしえ ネズミを学ぶと人間がわかる!』について語る篠原さんのインタビューをご紹介します!
Q 篠原さんはこれまで、様々な生物に関する本を書かれていますが、今回、このネズミにフォーカスした本を書かれようと思ったきっかけは何だったんですか?
篠原さん:大学の実験でマウスやラットと呼ばれるネズミを扱うことが多いので、色々な研究をしていく中でいくらでも面白い論文が出て来て、ネズミって特徴的だなぁと思っていました。大学の実験で触れたことがきっかけで、ネズミの魅力に目覚めて、これを本にしてみたいなと思った次第です。他の動物なら一つだけでも雑学本などに載るようなレベルの面白い生態を、ハツカネズミとかドブネズミはたくさん持っているので興味深いのです。
Q 篠原さんがこれから本を読む方に一番注目して欲しいところは、どの箇所ですか?
篠原さん:私が個人的に一番好きなのは「ネズミも妬み、嫉みの感情がある」というところです。ネズミの生活より人間の生活の方が「妬ましい」ってことのバリエーションがあるはずなので、人間の場合は、その妬み、嫉みの感情がさらに進化していると思うのですけど、負の感情ってどちらかというと、持ってはいけないとされていますが、ネズミの時点で有るということは、なんらかの必要な感情で、それが人間になるにつれて、さらに進化しているということだと思うんです。ネズミもこういう気持ちになってしまうのだから、人間も仕方ないと思える点で、すごく興味深い研究だと思っています。
Q 篠原さんとネズミの最初の出会いは?
篠原さん:げっ歯類との最初の出会いは、5歳か6歳の時に、クリスマスプレゼントでハムスターをもらって。そのハムスターが結構長生きして、3~4年くらいでモルモットの様な大きさになったんです。それが、ネズミの仲間と接近した最初の経験で。思い返してみるとその前にも動物園でハツカネズミを触ったりとかしていたんですけど、そこまでネズミが好きではなかったのが、実験で扱う様になって意外と可愛いということに気付いて、大学3年生くらいの頃、実際に飼ってみたら、本当に良く懐いて可愛くて、そこからずっとネズミの “沼” に入ってしまいました。
Q 篠原さんはこれまでたくさんのネズミを飼育されていたといくことですが、その中でも一番印象に残っているネズミは誰ですか?
篠原さん:みんな大好きではあるんですけど、この本(新刊「ネズミのおしえ」)の表紙に登場している「ティー君」と、その同時期に飼った「ハムちゃん」という毛の無いネズミです。ハムちゃんは、大学でネズミの笑い声の実験をする時に、今まで何となくネズミが私に対して好意を向けてくれているんじゃないかと感じつつ、それは私の勘違いじゃないのか?と思っていたのが、(ハムちゃんを)くすぐったりして遊んであげると、ずっと笑い声をあげていることが大学の機械で測定して判った時に、相思相愛なんだ!と思って。もうその両者とも亡くなってしまったのですけれど、その2匹は非常に思い出深いネズミになります。
Q この本を読まれた方など、一般の方がペットとして飼うのにオススメのネズミなど教えて下さい。
篠原さん:家庭の環境にもよるとは思いますが、犬みたいに一緒に遊べる懐くようなペットが欲しければ、絶対にファンシーラットです。ドブネズミやラットと呼ばれているものが滅茶苦茶可愛いんですよ。とにかく懐きますし、芸を覚えたりとか、家の中を散歩させることを「部屋んぽ」というのですが、部屋んぽさせていても、ずっと私の後ろを付いて歩いたりしていて可愛いです。芸を仕込める人だと、ボールを投げたら、そのボールを取って来るような芸も出来たりするので、子猫と子犬の中間の様な性格と言われています。結構、お茶目で懐っこいです。
Q 篠原さんは現在、大学院でネズミの研究をされているそうですが、具体的にどの様なことを研究されているかを教えて頂けますか?
篠原さん:しばらくの間は、ネズミが笑い声をあげるということで「笑い声と健康の研究」をしていたのですが、なかなかそっちで結果が出ない状態が続いているので、今は「ネズミの母親に与える食事によって、次世代の子ネズミたちがどういう影響を受けていくか?」という研究をしています。高タンパク質の餌を食べた母親とか低タンパク質や大豆のタンパク質など、色々なタンパク質の量や質が違うものを母ネズミに与えて、その子ネズミたち自身は同じ餌を食べていても、親が食べていた物によって、太り易かったり、筋肉が付き易いなどの変化が生まれるといった感じの研究です。
将来人間に応用されるべく研究されているので、人間と同じと見越した上での研究なのですが、どうしてもネズミと人間の食べ物は異なるので、完全なイコールとは言えないものの、人間もネズミも恐らくそうであろうという考えのもと研究しています。
Q とても面白い研究ですね。この本の中にも「ネズミってそうだったんだ!」と驚くことばかりだったので、ネズミが好きな方も興味が無かったかたも楽しめますよね。
篠原さん:ネズミって、イメージが良いか悪いかで言うと、ミッキーマウス以外はなかなか良くないことが多いと思うので、出来ればちょっと苦手な方が読んでくれたら嬉しいのですが、ネズミに偏見を持つ前のお子さんから幅広く読んで頂けたら嬉しいなと思います。
『ネズミのおしえ ネズミを学ぶと人間がわかる! 著者 篠原かをり』発売中!
定価 本体1,500円+税
判型/仕様 四六判ソフトカバー
発売 株式会社徳間書店
https://www.tokuma.jp/book/b509557.html [リンク]
https://www.amazon.co.jp/dp/4198650608/ [リンク]
うちの麦は来月で1歳を迎えるのですが、来たばかりの豆粒のような姿を今一度ご覧ください pic.twitter.com/yfDq16Ft7U— 篠原かをり (@koyomi54334) May 2, 2020
篠原さんの生き物についてはもちろん、宝塚やメイク、ファッションについてのつぶやきも好きです!(ただのファン)
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