【ふろくつき混ぜごはん レシピ】ケーパーのまぜごはんと生ハムのスープ
チャーハンの妖精こと中島麻美がお届けする『ごはんレシピ』と『まつわる話』。
今回は『ケーパーのまぜごはんと生ハムのスープ』。
なんと『ふろく』もついててお得です。
調理時間
炊く前5分、炊けたら40秒
材料 2人分
米 1合(読者の方から頂いた山形のお米つや姫1合パックを使わせていただきました(^^) )
ケーパー(塩漬けでも酢漬けでも可 今回は酢漬け)スプーンこんもり1杯〜2杯ぐらい。実のみを使います。漬け汁は使いません(酸っぱいので)。
作り方
【1】
米をとぎます。塩をふたつまみ。おまじない程度入れてください。【2】
お米が炊けたらケーパーの実をまぜます。漬け汁は使いません。ケーパーの実を包丁で叩いてから混ぜるとより強い風味になります。
【ワンポイント】
少し冷ましてからいただくと味がなじんでとてもよいです。味が足りなかったらお塩で調整を。
●ケーパーのまぜごはんのお話
ケーパーって、なに? という方もいるかもしれません。
スモークサーモンに乗ってるあの緑色の豆みたいなやつです。
でも、豆じゃなくて、木の実なんです。日本の名前でいうと「風蝶草(ふうちょうそう)」。
ツル科の植物になる実を酢漬けや塩漬けにしているものなんですね。
昨年の9月11日。10年目の「グラウンドゼロ」を見るために、ニューヨークにいました。
朝はやく起きて、セントラルパーク近くのホテルから、1時間半も歩いたでしょうか。
ヘタレなのですが、地下鉄テロが怖くて地下鉄に乗れず、タクシーはお上りさんとしては敷居が高すぎて(怖い)乗れなかったので、歩くしかなかったのです。
こわごわ、あの恐ろしいテロのあった場所に近づいて行きました。
世界貿易センタービルの跡地周辺は、バリケード封鎖され、中を見ることはできませんでした。
遺族の顔写真をプリントしたTシャツを着た一団が、あちこちにいて、彼らはセレモニーのためにバリケードの中に入っていきます。
周りのカフェは、新聞記者たちがマックブックを開けて記事を書いていて、満席状態。
順番待ちになっていました。
わたしはすぐに手持ち無沙汰になってしまいました。
「どうでもいいけど、お酒が飲みたい」
つたない英語で、お酒が出る場所が近くにあるか聞くと、
ヒルトンの上のバーなら、グラウンドゼロの跡地を見ながら、高いけどお酒も飲めるよと教えてくれた人がいました。
グラウンドゼロが目の前に見えるバーは不思議な静けさでした。
更地となってしまったこの場所のおかげで空が広いニューヨークを見ながら白ワインを淡々と飲んでいました。
後から合流した友人が、スモークサーモンを頼んでくれたのですが、サーモンの上に乗っているディル(同じくスモークサーモンの上でしかお目にかかれない、針みたいな香草です)をフォークでつつきながら、
「あーちゃん知ってる? ディルって、セリの仲間なんだよ」
というのです。
「セリって、お吸い物に入ってたりするやつ?」
「そうそう。植物辞典で調べたらそう書いてあったの。サーモンの上だけに乗ってるの勿体無いじゃない? だからわたし茶碗蒸しとか、ちらし寿司とかにもセリの代わりに入れてるよ。こっちじゃ、セリよりディルのほうが手に入りやすいし」
「へぇ、そうなんだ。じゃあ、このケーパーは?」
「ケーパーは何科だろう? わかんないけど味はちょっとスパイシーで花山椒っぽいよね。まぜごはんとかにあうかも」
ケーパーの瓶詰め、うちにもずーっと冷蔵庫の肥やしとしておいてありました。
だって、スモークサーモンに載せるか、たまに冷たいパスタを作った時に散らすぐらいしか用事がないから。
帰国して早速、酢漬けのケーパーで混ぜご飯を作ってみたら。
なんで、今までケーパーのまぜごはんをやらなかったんだろうというぐらい、美味しかったのです。
ケーパーはもともと地中海産のスパイスですが、まぜごはんにするとお味は純和風。
どんなお吸い物も、おかずも、おしとやかな和服の美女のような佇まいで受け止めてくれます。
宮沢りえさんみたいな感じかなぁ。ルーツの半分は西洋なのに着物が似合う和風美人という感じ。
塩漬けのケーパーのほうが風味が良いので、塩漬けを見つけたらそちらのほうがおすすめです。
その時は、レモン汁を合わせるといいですよ。
【ふろく・生ハムのスープ】
前回の、生ハムとレタスのまぜごはんから、生ハムの切り落としをお出汁にするのにはまってしまっているわたしなのですが、
中高時代の同級生がこんなことを教えてくれました。
ただのご飯ジャンキーのわたしとは違い、名門のお料理学校を出た立派にプロとしてのキャリアを積んでいる人です。
「麻美ちゃんの生ハムの話で思い出したんだけど、スペインでそのハモンイベリコのあまった部分をサイコロ状にカットして出汁用として市場でたくさん売ってたのを思い出したよ。スペインのお母さんたちはそれを上手に使ってパエリヤやスープ、マッシュルームのオイル煮、グリーンピース煮などのベースにする、と。だからあの混ぜご飯組み合わせは間違いない〜! 絶対作ります!」
密かに彼女の仕事と人柄に敬意を持っていたわたしとしては、なんだか嬉しい反応でした。
今回作ったのは、ブロッコリーと生ハムのスープ。
ブロッコリーの茎も皮を剥いて細かく切って、ハムと一緒に全部お水からいれてゆっくり火を通すだけ。味付けもゼロ。すこやかな味です。
●ごちそうさまでした。
※チャーハンの妖精こと中島麻美さんの『ごはんレシピ』をもっと見たい方はこちらの一覧をどうぞ。実際に作った方やアレンジしてみた方は、感想をツイートなどで是非教えてくださいね。
お米料理が好きな中島麻美です。 チャーハン、まぜごはん、どんぶり、たきこみごはんにお世話になっています。 酒のつまみは唐揚げが好きです。定食はとんかつが好きです。 出版社でOLしています。仕事柄会食が多いです。 2口ガスコンロ、2畳足らずの狭いキッチンからお届けします(・∀・)
ウェブサイト: http://www.facebook.com/nakashimaasami
TwitterID: aknmssm
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