韓国の一流紙「韓国国債は金利が高く収益性が高いと評価されている」に違和感
8月25日付けの東亜日報で、「【韓日外交衝突】韓国国債買わないと騒ぐ日本……日本が手を引いてもびくともしない」と見出しのついた経済記事が配信されました。要約すると、「最近、ノルウェーや欧州の中央銀行が数兆ウォンにのぼる韓国国債を買い入れてるし、格付けも上がったから、日本が韓国国債を買わなくても韓国経済はビクともしないよ! 絶対、だいじょうぶだよ!」と強がっている記事なのですが、その記事の最後の一文がとても興味深いことになっています。
「韓国国債は、収益性の面でも高い評価を受けている。財政部によると、韓国の10年債の金利は24日現在、3.08%で、1%前後に過ぎないアメリカ、ヨーロッパ、日本などの国債よりも金利がはるかに高い」
韓国国債の金利が日米欧主要各国のそれよりもはるかに高いことを「収益性の面で高く評価されている」と誇らしげに書いています。でもそれって誇るようなことなんだっけ?
経済破綻しそうなギリシャの10年国債の利回りが30%を超えただの、スペイン・イタリアでは危険水準とされる7%を超えただの、逆にドイツの短期国債は人気がありすぎてマイナス金利になっただの、そんなニュースが世間を騒がせていたのは経済音痴な筆者でも知っていること。つまり国債の利回りは市場の需給バランスによって決定されるわけで、国債金利が高い=経済の先行きが不透明で人気がないから買ってもらうために高く設定せざるを得ない、というのが正しい認識のはず。
たしかに、相対的に見れば韓国はまだ安定した投資先ということになるのかもしれませんが、国債金利の利回りが高いことを誇るこの記事には違和感を覚えずにはいられません。東亜日報の社内に、指摘する人はいなかったのでしょうか。
“韓国の朝日新聞”と評されるほど権威のある新聞が主張したこのトンチンカンな説の衝撃は大きく、東亜日報の日本語版『Wikipedia』には、「捏造記事・疑義が持たれた報道」の欄にさっそく加筆されてしまっています。
韓国のマスコミは日本が絡む問題になると途端に冷静さを失って調子がおかしくなるというのが定説ですが、今回の記事も、譲れない竹島問題で無理に強がって見せようとしたために起こった不合理と言えそうです。ともあれ、韓国のマスコミと政府のこの強がりな姿勢は、日本政府も少しは見習うべきだと思いますけどね。
画像:flicker from Yahoo!より
http://www.flickr.com/photos/ericjimenez87/6800615249/
東亜日報(韓国語)
http://media.daum.net/economic/newsview?newsid=20120825031212305
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