ブスの借金、キレイな借金って何?

 何かあった時に役立つのは何と言っても「お金」です。いざという時のための貯蓄や資産運用の重要性はいまさら言うまでもありませんが、お金というものは使うためにあるというのもまた事実。
 特に、社会が大きく変わりつつある今、極端な例ですがハイパーインフレが起こって貨幣価値が大きく下がる可能性もゼロではありません。そう考えると、私たちにとって一番の“財産”とは、“お金”そのものではなく、“お金を稼ぐ能力”なのかもしれません。
 だとすれば、その能力を鍛えるためにお金を使うのは、将来の備えとしては有効な投資のはず。『人生が変わる! 賢いお金の使い方』(逢坂ユリ/著、ソフトバンク クリエイティブ/刊)は、そんな自分にとって本当の“財産”をつくるためのお金の使い方を紹介しています。
 今回はその中から、将来のためになる「キレイな借金」と、身にならない「ブスな借金」について取り上げてみようと思います。

■「ブスな借金」の代表格「リボ払い」
 普段あまり実感することはありませんが、クレジットカードで買い物をすることは「借金」をすること。特に「リボ払い」は年利が15%前後と極めて高く、相場感のある人なら絶対にやらないことです。
 「リボ払い」とは、毎月の返済額が“定額”となっている借金。つまり、毎月の支払額を増やすのではなく、返済期間を延ばして借金を返していくシステムだといえます。
 これを繰り返すと、今借りている額がいくらなのかということや、買い物をしているということへの意識が薄れ、雪だるま式に借金がかさんでいく危険性があるのです。
 若い年代ほど、ブランド品やファッション、アクセサリーにお金を使いたくなるものです。しかし、高い金利で借金までして物欲を満たすのは考えもの。そして、リボ払いのシステムを知らずに使っている人が多いのも問題です。
 もし、リボ払いとはどのような仕組みになっているのかを自分自身に説明できないのなら「知らないことには手を出さない」を肝に銘じて、利用は控えましょう。
 もし、すでにリボ払いで買い物をしてしまったのなら、全ての物欲を我慢して、毎日お茶漬けの日々で節制してでも、とにかく早く完済した方がいいと、逢坂さんはいいます。
将来やりたいことや夢ができても、原資となるお金がないと実現に向けて動き出せません。自分の未来を切り拓く資金を確保するためにも、このような「ブスな借金」とは一日も早く手を切り、毎月少しずつでもお金を貯めていくべきです。

■自分の価値を高める「キレイな借金」
 身の丈に合わないブランド品に大金をつぎ込むよりも、そのお金で外国語を勉強したり、資格を取ったり、簿記やファイナンスなどお金の知識を習得したりなど、自分のスキルや能力を少しでも上げるための訓練をする方が結局は賢明です。そのためには時に学費ローンなどの借金が必要になることもありますが、これはやがて成果となって自分に返ってくるものなのでこれこそ「キレイな借金」と言えます。
 若いうちの何年間かを費やして、「お金を稼ぐ能力」を一心不乱に磨けば、その後の人生の困難を乗り越えるための精神力も身につくはず。そして現実にお金をたくさん稼げるようになったら、高級ブランド品をリボ払いなど使わずに買ってみましょう。
 その時こそ、それらの一流品があなたに似合うはずです。

■将来に向けて積極的な自己投資を
 「お金を稼ぐ能力」を磨くための借金は「キレイな借金」だとしましたが、こうした訓練はすぐに効果が表れるものではなく、長期的・継続的に費用が必要となります。いずれにしても借金はしないに越したことはありませんので、学費ローンをあてにするよりも、あらかじめ収入の 中から自己投資に使うお金を用意する方が賢明です。
 逢坂さんは、年収の10%程度を自己投資のために確保しましょうと言っています。
 資格取得や情報収集、読書など自己投資資金の使い道はさまざま。自分の将来のビジョンにあったやり方を早いうちに見つけましょう。

 そして単に貯蓄に走るだけでは、いつ解雇されて収入源が消えてしまうかもしれないこの時代を乗り切ることはできません。
 将来、自分がどうなりたいかをしっかりと考えた上で、それに近づくための訓練にお金を「使う」ことも、貯蓄と同じくらい大切なことなのです。
 本書には、自分をレベルアップさせるためのお金の使い方がわかりやすく取り上げられていますので、先々お金に困らないように準備をしておきたい人や、お金をどう使うべきかわからないという人は参考にしてみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)



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