キレイな花を咲かせる雑草〜青い花をつける雑草とは

キレイな花を咲かせる雑草〜青い花をつける雑草とは

ときには足をとめ、雑草たちに目を向けてみませんか?
ハッとするほど美しい青い花の雑草をご紹介します。

雑草の花は、思いがけず”美人”ぞろい!
さわやかな青い花の雑草3種

道端でなにげなく咲く雑草の花をよく見てみると、楚々とした美しさに満ちて…。
なかでも清々しさにあふれる青花の雑草をピックアップ!

 

ツユクサ

© PIXTA

日本全土でみられるツユクサ(ツユクサ科)は、草丈15~20㎝の1年草。
2㎝ほどの花を6~9月に咲かせ、秋の季語にもなっています。

ツユクサのはかなげな花は、朝開き、昼過ぎにはしぼんでしまう一日花です。
しかし、その生態は思いのほかタフ!
ツユクサは、花粉を運ぶ虫だけに受粉を頼るのではなく、花を閉じるとき雌しべと雄しべを接触させて、自ら受粉ができるというから驚きです。

ツユクサと日本人との関わりは深く、日本の伝統色の和名である「花色」は青色をさし、ツユクサに由来するのだとか。
またツユクサの青い花を絞った汁は、友禅染の下絵を描くインクとしても活用されてきました。

そのほか、はかなさを表現する植物として、万葉集の時代から「月草」の名でいくつもの歌が残っています。

なお、園芸店でよく見かける「ムラサキツユクサ」は、日本で雑草扱いされているツユクサとは別物の多年草です。

 

オオイヌノフグリ

© PIXTA

オオイヌノフグリ(オオバコ科)は、国営ひたち海浜公園を青く染めて咲き誇る「ネモフィラ」によく似たの越年草。
一見そっくりな両者ですが、ネモフィラはムラサキ科でまったくの別物です。
花径はオオイヌノフグリが1㎝に満たないのに比べ、ネモフィラは約2㎝ほどと差があり、草丈もネモフィラのほうが大きいので見分けがつきます。

オオイヌノフグリは3~5月に愛らしい青い花を咲かせますが、4枚の花びらが重なっているように見えるものの、実は基部でつながって1枚!
2~3日咲いた後に基底部からするりと抜け落ち、その後に実がふくらみます。
この実が2個並んでふくらんでいき、その姿を「ふぐり(陰嚢)」に見立てたというのが、その名の由来だとか。

オオイヌノフグリも、ツユクサ同様、夕方になって花を閉じる際に、自力で受粉する仕組みを持っています。

 

キュウリグサ

© PIXTA

キュウリグサ(ムラサキ科)は、まさしくその名のとおりに、葉をもむとキュウリのようなニオイがする越年草。
実は海外からやってきた帰化植物で、古株のキュウリグサは、麦の栽培が始まった頃に渡来した「史前帰化植物」なのだそう。

花径2~3㎜の小花を3~5月に咲かせ、草全体に産毛のような白毛が。
同じムラサキ科の「ワスレナグサ」とよく似ていますが、ワスレナグサは花径約8㎜で、草丈も含めキュウリグサより大きいので識別できます。
また、キュウリグサの花の中心には、黄色い隆起があるのも特徴です。

別名「タビラコ」ともいいますが、春の七草のひとつであるタビラコ(ホトケノザ)はキク科でまったくの別物です。

 

いかがでしたか?
プロフィールは異なりますが、いずれもたくましく自生している雑草たち。
時には立ち止まって、その美しい青い花を見つめてみませんか?

  1. HOME
  2. 生活・趣味
  3. キレイな花を咲かせる雑草〜青い花をつける雑草とは
Pacoma

Pacoma

「Pacoma」はホームセンター系のフリーペーパーに出自を持つ、「暮らしの冒険」がテーマのライフスタイル系Webマガジン。ノウハウ記事からタレントの取材記事まで「暮らしを楽しむためのアイデア」をテーマに日々発信しています。

ウェブサイト: http://pacoma.jp/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

記事ランキング