スターアニマルのお宅訪問!ハリネズミ「もなか」と角田修一さんの暮らし
2020年は12年に一度のネズミ年。そしてこのところ、犬、猫に次ぐ、スターアニマルとして人気を集めているのが「ハリネズミ」です。では、ハリネズミとともに過ごす日々はどのようなものなのでしょうか。「“ハリ飼い”さん」である写真家の角田修一さんにその暮らしぶりを聞きました。
小さくて丸くて、トゲトゲ。小さな手足とつぶらな瞳の「ハリネズミ」!
インスタグラムで大人気・ハリネズミの「もなか」さん。親ハリネズミである「あずき」さん時代から角田さんが続けているインスタグラムのフォロワーは40万超、写真集やポストカードブックが次々と発売されるなど、世界から注目されているスターアニマルです。その可愛らしさは写真を見ていただければ一目りょう然、説明いらず。小さくて丸くて、チクチクしていて、愛らしい。 『はりねずみのあずき&もなか ポストカードブック』(講談社 刊)2020年1月23日発売ハリネズミのもなかさん。取材陣一同、ひたすら「かわいい」と連呼してしまう(写真撮影/相馬ミナ)
角田さんがハリネズミと出会ったのは2016年。当初は犬を飼いたいと考えたものの、家族の体調などを考慮し、抜け毛やニオイがなくケージで飼育できる「ハリネズミ」の存在を知ったそう。
「それまでハリネズミをよく知らなくて、ヤマアラシみたいな生き物を想像していたのですが、実際に見たら小さくて愛おしくて。とはいえ、命なので即決せずに一週間、よく勉強して、準備をしてから正式にお迎えしたんです」と言います。
ただ、犬や猫と違い、ペットとして飼うための情報も少なく、手探りだったそう。そんなときに役立ったのがSNS、インスタグラムでした。「インスタではささいな日常を残しておきたい」と角田さん。眺めていると幸せな気分になれます(写真撮影/相馬ミナ)
「当時はハリネズミの情報もあまりなくて。日常の記録、成長の記録として残しておこうと思ったんです。また、他のハリ飼いさんと繋がって、日常のお世話など素朴な疑問をぶつけあって解消する場にもなって、自然と輪が広がりました」といいます。
インスタグラムで掲載しているのは、できるだけ自然体でリラックスした表情のもなかさん。普段、何気なく過ごしていると見落としてしまいそうな、忘れてしまいそうな、なるべく些細な思い出を残していくのだとか。写真越しにもそのやさしさ、愛情が伝わってきて、人気に火がつくのも納得です。つぶらなひとみと鼻。手のひらサイズのトゲトゲもふもふ(写真撮影/相馬ミナ)
丸まった状態からのご飯、最後は大の字! 愛らしすぎて、無限に見ていられる……(インスタグラムより)
室温は26~28度をキープ。愛らしいドールハウス住まい
「鳴き声の心配がない」「散歩が不要」「抜け毛がなく、ニオイもない」とはいえ、ハリネズミは単純に「誰でも飼える」という生き物ではありません。まず欠かせないのが室温管理です。ハリネズミの飼育に適しているのは24度から28度と言われていますが、もなかちゃんは少し寒がりのため、アクリルケージ内は常に26~28度になるよう配慮しています。
角田さんは東京都内の3階建ての一戸建てにお住まいですが、1年を通して最も室温が安定する、2階リビングの一角にアクリルケージを設置。さらに、上下にパネル式のヒーターをいれて一年中、適温をキープできるようにしています。安心できる脇の下に逃げ込む。腕の中の、この安心しきった表情!(写真撮影/相馬ミナ)
ちなみに、お住まいは建築家とともに建てた注文住宅。周囲を建物にかこまれた旗竿敷地なので、「屋根から光を取り入れ、やわらかく光をまわす」、そんな工夫を凝らしたお住まいです。やわらかく光が差し込む角田さんの住まい(写真は12年前のもの)。もなかさんのケージがあるのは2階だそう(写真提供/角田修一さん)
アクリルケージの中には、角田さんお手製のドールハウスを設置。これがまた愛らしいカラーリングで、しかもハリネズミの体高や動きに合わせてつくり出した、まさに世界に一つのお家です。こんな住まいで暮らせるなんてもなかさん、幸せものです……。もなかさんのお父さん、あずきさんが使っていたアクリルケージ。写真右手にあるのがお手製のおうち。テントはドイツの骨董市で購入してきたもの(写真撮影/相馬ミナ)
もなかさんのおうち。イメージに合わせて外壁塗装を変えているそう。素敵が止まりません(インスタグラムより)
「ハリちゃんが来て一番の暮らしの変化は生活にリズムができたこと。ハリネズミはトイレが覚えられないので、ペットシーツの交換が必要。だから毎朝、あいさつをして、ケージの掃除をするとともに、ご機嫌を伺っています」(角田さん)
ハリネズミは夜行性で、睡眠時間もたっぷり必要だそう。もなかさんの場合は20時間寝ていることもあるとか。そのため昼間はひたすら眠り、夜中に動き回ることが多いそう。だから朝、あいさつ代わりにふれあってその後に掃除、昼間はゆっくり寝かせてあげて、夜の帰宅後にマッサージをしたり、えさをあげたりとふれあっているとのこと。こうした日々を過ごすうち、角田さん自身の体調にも変化がありました。
「私はパニック障害を患っていて、今まで薬が手放せなかったのですが、ハリちゃんたちのお世話をするなかで、発作が出にくくなりました。パニック障害って周囲の人になかなか理解されないのですが、ハリネズミはそばにいてくれる存在というか、とにかく癒やしになっているのだと思います」と言います。マッサージをされてうっとりのもなかさん。確かに癒やし効果は絶大です……(写真撮影/相馬ミナ)
ハリネズミの寿命は3~5年。一回一回のお世話が貴重なひととき
ハリネズミは「ネズミ」といいつつも、その生態はモグラに近いそう。視力は弱く、嗅覚や聴覚で周囲の環境などを判断するため、匂いの強い柔軟剤、香水の使用は避けるようにしているとか。
「ハリネズミの寿命は3年から5年。さらにほとんど寝ているから必然的にお世話をしてあげられる時間、ともに過ごす事のできる時間は限られています。だからこそ、一回一回、会える時間をどれだけ愛してあげられるかが大事なんです。一瞬でも10分でも大切にして、お世話をしてあげたい」と角田さん。基本的にはとても臆病な生き物ですが、お世話をしていくうちに飼い主にしか見せない、油断した顔や、うっとりした顔を見られるのが、ハリネズミとの暮らしの良さだとか。ブランケットにくるまれるのも好き。ひょっこりと顔が出ています(写真撮影/相馬ミナ)
今、角田さんをはじめ、ハリ飼いさんのなかで最も懸念されているのが、インスタ映えのためだけに、まるで道具のようにハリネズミを飼い始める人が出てしまっていること。
「ハリネズミは動きが早いから撮影も難しいし、まるきりなつかない性格の子もいます。すると思ったような可愛い写真が撮れない、ぜんぜん懐かない、可愛くないという理由で、簡単に捨てられてしまうケースが出てきてしまって……」と悲しそうに話します。
ただでさえ短命のハリネズミが捨てられて命を落としてしまうのは、悲劇でしかありません。小さな命を乱暴に扱う人がこれ以上出ないように。最後の瞬間まで生をまっとうできるように、そっと祈るばかりです。ぬいぐるみ(右)のハリネズミとご対面。なんだこいつ……?と思っているとか、いないとか(撮影/相馬ミナ)●取材協力
角田修一さん、もなかちゃん
コマーシャルフォトグラファー。1975年、東京生まれ。多摩美術大学デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。モデル活動後に独学で写真とヘアメイクを学び、現在カメラマン。広告撮影を中心に雑誌やCDジャケット、ポートレートの分野で幅広く活動中。SNSで日々のはりねずみのあずきともなかを紹介している。著書『トゲもふ! はりねずみのあずき』(kadokawa)ほか。
あずき 2016.1.15~2019.1.20
もなか 2018.4.8~
インスタグラム
『はりねずみのあずき&もなか ポストカードブック』
元画像url https://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2020/02/170800_main.jpg
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