『パラサイト』だけじゃない! 韓流ラブコメ『愛の不時着』が描いた北朝鮮のリアル……金正恩夫妻もこっそり見ている!?

『パラサイト』だけじゃない! 韓流ラブコメ『愛の不時着』が描いた北朝鮮のリアル……金正恩夫妻もこっそり見ている!?

 
ヒョン・ビンとソン・イェジンが主演した韓流ドラマ『愛の不時着』(tvN)が16日に最終回(全16回)を迎えた。韓国の財閥令嬢で実業家でもあるユン・セリ(ソン・イェジン)が事業のPRのためパラグライダー飛行中、竜巻に巻き込まれて軍事境界線の北側に不時着。北朝鮮軍エリート将校のリ・ジョンヒョク(ヒョン・ビン)が彼女を守るうちに、愛の炎が燃え上がるというストーリーだ。
 
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2大スターの共演ながら初回視聴率6.1%の低調なスタートとなったものの、回を追うごとに人気が高まり、最終回は21.7%とtvNドラマとしては歴代最高を記録した。
主演2人の演技と人気に加え、軽妙なラブコメタッチで展開しながら、時に涙を誘う韓流ならではの脚本の妙が人気の理由だが、北朝鮮の「最新事情」を巧みに盛り込んだ点も高評価を得た。
物語は2人の恋愛を縦軸に、韓国財閥の内紛と北朝鮮軍部の権力闘争を横軸に進む。
「特に北朝鮮側での暗闘劇の構図は、軍トップの総政治局長と朝鮮労働党中央委員会軍事部長が対立し、そこに工作機関の偵察総局や秘密警察である保衛部(国家保衛省)の動向がからむ、本格的なスパイ映画も真っ青の凝り方ですね」(北朝鮮ウォッチャー)
また、平壌の「上流階級」の描かれ方も新鮮だ。
 
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「北朝鮮では、1990年代に起きた『苦難の行軍』と呼ばれる未曽有の大飢饉を境に、社会主義計画経済と配給制が事実上、崩壊しました。その後はチャンマダンと呼ばれる市場の広がりでなし崩し的な市場経済化が進み、貧富の格差拡大が進んでいる。富裕層の購買力は、日本や韓国にも負けておらず、海外の高級ブランドを身につけている女性も少なくありません。ドラマでは、平壌の最高級デパートの社長令嬢、ソ・ダンと彼女を取り巻く面々のリッチ・ライフが描かれていますが、決して大げさなものではないんです」(同)
では、北朝鮮の現実を知る人々の反応はどうか。10年ほど前に脱北し、今はソウルで会社を経営する30代の男性が話す。
「私は北朝鮮北部の出身で、平壌に行ったことはありません。脱北してから時間も経っていますから、当時と今とでは北朝鮮の様子も変わっているでしょう。でもそういった点を踏まえても、何と言うか、このドラマは皮膚感覚で面白い。100パーセントとは言えないまでも、エンタテインメント作品としては素晴らしい出来だと思いますね。毎回、やはり北出身の妻と楽しみにしていたのですが、終わってしまってガッカリです(笑)」
また、4年前に脱北したという20歳の女性も「チャンマダンでの商売のやり取りとか、ものすごくリアルです。友人の間では、『愛の不時着』の話題で持ち切りです」と称賛する。
 
では、一般の韓国民の見方はどうか。人気のほどは高視聴率に表れているが、ある在日韓国人の男性によれば「ソウル出張の際に良く行くバーのママがすっかり『愛の不時着』にハマっていて、『このドラマを見ている女友達はみんな、北朝鮮に行って恋愛したいと言っている』なんて話していた」という。
そして気になるのは、北朝鮮に暮らす人々の反応だ。昨今、韓国の人気ドラマはほぼ例外なく、USBメモリやSDカードに記録され、北朝鮮国内に密輸される。隠れて視聴していることがバレたら重罪に問われるが、すでに「韓流中毒」となっている北朝鮮国民は見るのを止めようとしない。
それどころか、権力中枢の最高幹部らも間違いなく韓流ドラマを見ており、そこには恐らく金正恩党委員長の李雪主(リ・ソルチュ)夫人や妹の金与正(キム・ヨジョン)氏、そしてかなりの確率で金正恩氏本人も含まれている。
いかに政治的に否定してみても、感覚的に「面白い」と感じるものを欲する衝動は抑えられないものだ。果たして北朝鮮国民が、そして金正恩氏がこのドラマにどのような反応を見せるか、大いに楽しみである。(文◎編集部)
 
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