はじめての!?  デジモン育て! 『デジモンワールドRe:Digitize(リ:デジタイズ)』レビュー

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唐突だが、みなさんは「たまごっち」なる物をご存知だろうか?
1996年にバンダイから発売され、その翌年には社会現象にまでなった携帯型のペット育成ゲームなのだが、筆者は丁度その第1次ブームに直撃した。小さな液晶画面に映る『デジタルペット』に、大人から子供まで夢中になって世話をしたものだ。そして今回「デジモン」をプレイするに当たって、この様な“懐かしい気持ち”になるとは正直思ってもいなかった。

たまごっちの育成システムを踏襲

『デジタルモンスター』といえば、“育成RPG”を筆頭に、アニメ、フィギュア、マンガなどでメディア展開している、言わずと知れた超人気コンテンツなのだが、筆者はこの『デジモンワールドRe:Digitize(リ:デジタイズ)』がデジモン初体験なのである。

世界中のデジモンテイマー(=デジモンプレイヤー、以下テイマー)の間では有名であり、当たり前の話かもしれないが、自分のパートナーデジモン(以下パートナー)が肉(エサ)を要求してきたり、用を足させろという意味の“ウンチサイン”を送ってくる事に筆者は興奮した。ゲーム開始から僅かの時間で自分のパートナーデジモンに会い、見知った育成作業を行う。その時点で単純な筆者は「デジモン」に対して親近感を抱いた。

親近感は、やがて絆(きずな)となる

昼夜問わず欲望をアピールしてくるパートナーを満足させながら、テイマーが行う最も大事な仕事が“パートナーのトレーニング”である。
デジモンワールドのバトルシステムでは、テイマーが相手デジモンに対して直接手を下す事は無い。バトル中でのテイマーの仕事は、戦況を見極めパートナーに行動の指示を出し、回復や補助アイテムをパートナーに使い、後はひたすら「いけ! がんばれ! ……ああッ!」と応援する事にある。
つまりバトルの勝敗は、デジモンの地力に大きく左右されるという事だ。ならばこそ、是が非でもパートナーには屈強なデジモンに育ってもらわねば困る!

そしてデジモンを鍛え上げるトレーニングジムは「はじまりの街」にある。この街を中心にイベントが起きてゲームが進んでいく、いわば“冒険の拠点”だ。
毎朝パートナーと一緒に街の「肉畑」に肉を貰(もら)いに行き、「ジム」で鍛えては「トイレ」で用を済まさせる育成生活を繰り返す事で愛着を覚え、テイナーとパートナーはより良い絆(きずな)で結ばれるのだ!

はじめてのデジモン育て日記

デジモンテイマーの朝は早い。なんせ俺の相棒は朝4:00には目が覚めやがる。
目が合うなり、開口一番に「肉」だ。
デジモンってヤツぁ幼年期、成長期、成熟期、完全体、究極体、とまあ成長していくワケなんだが、成熟期あたりになると馬鹿みてぇに喰(く)いやがる……。やりくりが厳しい中、1日1回タダで肉を分けてくれる「肉畑」のダンナにゃあ感謝してもし足りねえぜ。
さて、腹ごしらえも済んだしさっそく「ジム」に行きてえんだ……が…… ……「トイレ」か……。
いつになったらオマエはひとりでトイレに行ける様になるんだ? ン?
・・・まあ「けいたいトイレ」なんて店で売り出してるこのご時世だ、勝手にトイレに行ってくれるデジモンなんていないのかもな。 なんにせよ、けいたいトイレは助かる。フィールドマップにも幾つかトイレは点在してはいるが、丁度その時相棒が用を足したくなるとは限らねえ。もよおすのは大抵は見当違いも甚だしい場所だ。なにせこの世界は広大なエリアが繋(つな)がって構成されているからな。

そういえば最近妙な事がよく起こる様になったな。 「はじまりの街」に住むデジモンが突然気がふれたかの様に街から飛び出し、フィールドなどで襲ってくるらしい。 バトルで一発ガツンと目を覚まさせてやりゃあ、正気に戻って街に戻るらしいんだが、なんとも物騒な話だ。
街から出て行ったデジモンを、また連れ戻してくれば街の繁栄度も上がって冒険や育成がしやすくなるっていう事らしいから、今度注意してみるか。
ま、そうと決まったらこっちも準備はしておかねえとな。 よし相棒!「ジム」へ行くぞ!

「ジム」には様々なトレーニング方法がある。鍛えたい部分を集中的に鍛えられる上に、デジモンの寿命にあまり影響しねえ。デジモンは一日で一つ歳をとり、寿命が尽きるとコアを残して消滅しちまいやがるからな。消滅したらコアの能力を引き継がせて「転生」なんてのも出来るが、今いるパートナーに全身全霊を込めて育ててやるってのがテイマー心ってやつだ。しかしバトルやフィールド移動は時間が経過するからといって、バトルを避けてばっかりじゃあ収入がまったくねえ。ジムにこもりっぱなしってワケにもいかねえな、……ったく、上手いこと出来てやがるぜ、世の中ってヤツぁ。
ジムのトレーニングは全部ミニゲーム仕立てになっている。あみだくじ爆弾回避なんかが6種類あって、これが結構面白いんだぜ?

お、どうした相棒。……なんだもう眠たくなったのか。
しかたねえな、ずっと起こして機嫌を損ねる訳にもいかねえし、今日はこれくらいにして上がろうか。
しかしジムは能力を鍛えるにはもってこいだが、新しいスキルは実戦で見ないと覚えないからなぁ……。せっかく俺の持ってるデータの中から、今の相棒が使えるスキルを自由に3つ付け替えれるっていうのに、肝心のスキルがなきゃあ戦術の幅は広がらねえよなあ。 見たこともないデジモンを発見したら、こちらから積極的にバトルするってのもアリだな。(フィールドは基本的にシンボルエンカウント)
そろそろ相棒が目覚める時間だな、様子を見に行ってみ…… お!?  お!?  おおおおおおおお ???
相棒の体が光っている!!これが噂(うわさ)に聞く進化ってヤツかーー!!おおおおー!(ドキドキワクワクワク)

おお……、相棒…… こんな醜い姿になってしまって……。
なんだ?この新しいスキルのエンガチョキックって…… お前のどこからどこまでが足だ? しかも必殺技がウンチ投げか……、もう、オマエをトイレに連れてってやる必要は、無いんだね……ウッ。(※そんな事はありません。尚、必殺技は戦闘中にゲージが溜(た)まると指示できます。)
デジモンの進化先には育成方法で様々な条件があると聞くが、……俺がトイレの前でしか肉を喰(く)わせなかったのが原因だろうか……。しかしこんな可愛くない姿でも、一緒に苦楽を供にして冒険を続けていく内に、愛着が湧いてくるから不思議なもんだな。
これからもよろしく頼むぜ、相棒!

デジタルな異世界を冒険

ストーリーは普段現実世界で「ゲーム」としてプレイしている「デジモンワールド」の中に行った主人公達が、その中で起きている「異変の謎」を追いながら、キャラクターそれぞれの思惑が交差していくというもの。シナリオが進む度に新たなエリアに新たな野良デジモンが登場し、生半可な鍛え方では冒険がままならないくらいバトルには歯ごたえが有る。が、その苦労がまた楽しかったりもする。

ゲームの進行や次の目的などは、デジタルワールドならではの「メール」機能で随時チェックできるので「ジムにこもりっぱなしで次の目的を忘れた」なんて時にも安心。また、メインシナリオ以外にも「街の繁栄度」を上げるために、様々なデジモンが主役のサブクエストをこなしたりと、デジモンワールドを楽しく探索できるのが特徴的。

繁栄度が上がると街で使える施設が増え、その中には“カリスマテイマー 八神太一”少年とバトルできるコロシアムがあったりと、デジモンフリークの胸を熱くさせる嬉(うれ)しい仕掛けもあるぞ!

デジモンは今年で15周年

今作の『デジモンワールドRe:Digitize(リ:デジタイズ)』は、初代の『デジモンワールド』のシステムを純粋に継承し、尚且つネットワークモードも充実。
公式HPなどで発表される”パスワード”をゲーム内で使用すると、様々なアイテムが貰(もら)えたり、自分の育てたお気に入りのデジモンで通信対戦が可能 !
15周年という事で今後、更なる展開を見せるであろう『デジモン』。その正統進化系の最新作である今作。デジモンフリークはもちろん、昔「たまごっち」に愛情を注いでいた方々も、この機会に是非「デジモン」を育成してみてはどうだろうか。

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
レビュー:ヒラノ課長

タイトル名:デジモンワールドRe:Digitize(リ:デジタイズ)
対応機種 :PSP
ジャンル :デジタル育成RPG
プレイ人数:1人(通信時2~4人)
発売日  :2012年7月19日発売
価格   :UMD版/5230円(税込) ダウンロード版/5230円(税込)
CERO年齢区分 :A(全年齢対象)
発売   :株式会社バンダイナムコゲームス
公式サイト:http://www.bandaigames.channel.or.jp/list/digimon_game/

(ゲームレビュアー:ヒラノ課長http://game.getnews.jp/a/1009

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