愛犬といつまでも健康に。犬の立場から考えた健康書『犬のための家庭の医学』
愛犬の健康寿命を延ばし、健やかに暮らす。
21世紀も20年が過ぎた現在、犬の寿命は確実に長くなっています。ですが、それと健康寿命はまた別物。そして犬の健康は、飼い主の責任に左右されます。
獣医師の野澤延行氏の著作『犬のための家庭の医学』(山と溪谷社 刊)では、子犬の飼い始めから成年期、そして老年期に至るまでの犬のケアについて、ペットアプリ『ドコノコ』に投稿された写真を多用しながら事細かく説明されています。
犬も肥満になる!
人類は様々な病と闘いながら進化してきました。
天然痘、コレラ、結核、ペスト、インフルエンザ。これらの病気は、ほんの100年ほど前までは文字通り「死の病」でした。ですが、薬剤の発達した今では病院にさえ通えば恐れるに足りない病気でもあります。
我々現代人が最も恐れるべき病気は、肥満です。
この肥満というものは薬剤では一切解消できず、運動と食事管理で何とかしなければあらゆる疾患の原因になってしまいます。そしてそれは、犬でも同じこと。良質で高カロリーのペットフードがいつでも買える現代ですが、それ故に飼い主は食事のコントロールを考える必要があります。
――“トッピングをしたり、おやつを与えたりしたときは、できれば、そのぶんフードを減らします。(中略)人と同じく犬も肥満になると、いろいろな病気の要因となるので、適正量を与えているかを確認するためにも、日々の体重チェックは欠かせません。”(『犬のための家庭の医学』より引用)
犬は与えられた分を食べ切ってしまう動物。言い換えれば、自分で食事の量を調節するということができません。そのあたりのコントロールは、飼い主の仕事です。
犬とストレス
『犬のための家庭の医学』の最終目標は、犬の健康寿命を延ばすこと。
著者の野澤氏は、そのためには「はうすかいてき」が必要不可欠と説きます。ハート、運動、睡眠、快感、居場所、手触り、そしてQRL(生活の質)。ですがこれは、よくよく考えてみれば人間にとっても欠かせない要素です。
人間と犬は、大して差異がないのではとも感じてしまいます。
――“犬は犬としてのこころと感情をもっています。人間の大人ほどに幅広くはありませんが、2~2歳半の人間くらいといわれ、喜び、悲しみ、怒り、恐れ、愛といった基本的な感情をもっています。”(『犬のための家庭の医学』より引用)
即ち、犬もストレスを感じることがあるということ。不衛生な環境や騒音に対しては不快と捉えます。それが積もり積もってストレスになり、健康を損ねてしまうということもあり得ます。
生きてる中で、気分が落ち込んでしまう日も当然あります。
――“ストレスによる変化は、内面的に起こるだけでなく脱毛、血尿、アレルギーなど外見にも現れます。過度のストレスから、自分でからだを傷つけてしまう自傷行為が起こることもあります。”(『犬のための家庭の医学』より引用)
こうならないよう、飼い主は愛犬の内面にも目を向けなければなりません。
犬の立場に立った健康書
「ペットを飼う」という行為には、大きな責任が問われます。今日思い立って明日やってみる、というわけにはいきません。
ですが、いや、だからこそ、「犬を飼いたい」と思案したとしたらまずはこの本を読んでみる、というのはどうでしょうか。
――“本書は、従来の医学本とは一線を画した、犬の立場になって考えた身近な健康書です。生活編・健康編ともに、人気の犬猫アプリ「ドコノコ」に寄せられた犬たちの写真を楽しみながら、愛犬の健康と幸せのために役立てていただければ幸いです。”(『犬のための家庭の医学』より引用)
『犬のための家庭の医学』
(山と溪谷社)著者:野澤延行
販売価格:本体1,600円+税
(執筆者: 「山と溪谷社」の中の人)
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