ねずみ年に楽しみたい!可愛さ炸裂だ♡ネズミをとことん擬人化させた室町時代の物語「鼠草子」

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室町時代〜江戸時代初期にかけて作られた短編の物語を総称して「御伽草子(おとぎぞうし)」と言います。御伽草子にあてはまる物語としては、一寸法師や浦島太郎など有名な昔話も。

御伽草子の中でも、物語の内容を描いた絵巻がとっても可愛いことから人気が高いのが、今回紹介する「鼠草子(ねずみのそうし)」です。

鼠草子(室町時代の絵巻)

可愛らしいタッチで描かれる絵巻は、「脱力系絵巻・築島物語絵巻」や「放屁合戦」、「ユルすぎる地獄絵巻」など、これまでにもたくさん紹介してきましたが、ゆるカワ系絵巻を語る上で鼠草子は欠かせない作品。

鼠草子(江戸時代の絵巻)

鼠草子のあらすじ

京都四条堀川に住むネズミの権の守(ごんのかみ ) は、子孫に、仏教における6種類の苦しみ「六道」の一つである畜生道(動物や虫に生まれてくる世界)から逃れ、人間として生まれ変わってもらおうと、人間の姫君を花嫁に迎える決意をします。

無事に姫君を迎えた権の守でしたが、実は姫君は、権の守がネズミであることは知りませんでした。やがて権の守がネズミであることが姫君にばれてしまい、姫君は鼠の館を逃げ出します。

傷ついた権の守は再び姫君との再会、そして復縁を望みましたが、姫君であった娘はすでに他の男と結婚をしており、権の守の願いはかないませんでした。

悲しみにふける権の守は出家をし、高野山で仏道修行を積むのでした。

鼠草子は室町時代に成立した御伽草子で、作者は不詳とされています。絵巻に描かれている権の守が住むのは鼠の世界。権の守の他にも多くのネズミたちが擬人化して描かれています。

婚礼の準備をするネズミたちや食事の支度をするネズミたち。物語の内容は寂しいものですがどのシーンもユーモアあふれる可愛らしいネズミたちで溢れています。登場するネズミたちにはすべて名前がふられており、それらの名前をじっくり確認していくのも面白いです。

絵巻を観て、絵本の「ぐりとぐら」を思い出す人も少なくなく、鼠草子絵巻の可愛らしさのほどが伺えます。ぜひ、じっくりとチェックしてみてください!

江戸時代に描かれた鼠草子絵巻

室町時代に描かれた鼠草子絵巻


鼠草子(ねずみのそうし)
御伽草子(おとぎぞうし)

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