タイ洞窟救出劇のヒーローが感染症で死亡 『タムルアン洞窟救出作戦』で一躍時の人なった彼らはその後どうなったのか――

タイ洞窟救出劇のヒーローが感染症で死亡 『タムルアン洞窟救出作戦』で一躍時の人なった彼らはその後どうなったのか――

タイ北部チェンライ県のタムルアン洞窟で昨年6~7月に洪水で閉じ込められた地元サッカーチームとコーチ13人の救出活動に参加していたタイ海軍特殊部隊員にまた犠牲者が出てしまいました。
亡くなったのは海軍特殊部隊SEAL隊員で一等兵曹のベールット・パークバーラーさん(29)。救出活動中に洞窟内で血液の感染症にかかり、治療を受け続けていたものの容体が悪化して亡くなり、12月27日に実家のある南部サトゥーン県で土葬による葬儀が執り行われました。海軍はベールットさんの5階級特進を検討しています。
 
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18日間にわたって行われたタムルアン洞窟での救出活動では、元海軍特殊部隊員で当時空港職員だったサマーン・グナンさんが洞窟内で空気ボンベの空気を使い果たし酸欠で亡くなっています。
 
救出活動では多くの人物が登場しましたが、彼らのその後はどうなっているのでしょうか。
 
洞窟内で発見されたサッカーチームの少年12人とコーチ1人のもとに全員救出まで一緒にいた「地上最強の医師」こと陸軍第3医療大隊指揮官で軍医中佐のパーク・ローハーンチュンさんは、甘いマスクで当時タイの女性に大人気となりました。陸海空軍の特殊任務課程を次々と修了した究極の資格マニアの一面も持っています。その後軍医大佐に昇格しました。
 
救出対策本部長としてマスコミ向けに状況報告を逐次していたメガネの小太り男性を覚えている方も多いのではないでしょうか。ナロンサック・オサタナコーンさんは当初チェンライ県知事でしたが、なんと救出活動中に隣のパヤオ県知事に異動になってしまいました。それでも対策本部長をそのまま続けた熱い人です。
ナロンサックさんはその後、知事の仕事の傍ら全国の役所を巡って危機管理と首長の役割について講演を行っています。彼ほどのヒーローを政界が放っておくはずもなく、次期バンコク都知事選に与党候補として出馬するとの噂が流れましたが本人は否定しています。
しかし歯に衣着せぬ言動で所属の内務省から疎まれ、今年10月には再度ランパーン県知事へと異動させられました。内務省を辞め、政界へ転身せざるを得なくなるかもしれません。
 
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一方、洞窟から救出された少年サッカーチーム「ムーパー・アカデミー・メーサーイ」(メーサーイ・イノシシ・アカデミー)の12人とコーチは直ちに入院の後、イスラム教徒の1人を除く12人が寺で短期間の出家をしました。昨年9月にようやくサッカー場での練習を再開。
その前の8月には無国籍状態だった少年3人とコーチに対して、晴れてタイ国籍が与えられたという嬉しいニュースも伝えられました。
13人は海外に招待されるなど有名人同然となり、中にはインスタグラムにフォロワーが15万人もいる子も出ています。救出劇を描いた映画「The Cave」(トム・ウォラー監督)の制作にあたっては少年ら一人一人に多額の金銭が支払われたとの噂も流れました。
 
コーチのエーカポン・チャンタウィンさんは今年3月、独断で行ったことでチームに損害を与えた責任を取りたいとしてサッカーチームを辞して、夢だった自分の少年サッカーチーム「エーカポン・アカデミー」を立ち上げました。
エーカポンさんの新チームは盛況のようで精力的に試合に出場しています。さらにはチーム歌の動画まで制作してYouTubeに投稿するなど熱心な活動ぶりが伝わってきています。
 
最後に救出活動の舞台となったタムルアン洞窟のその後をお伝えしましょう。
救助に使われて洞窟内に残されたままになっていた機材の搬出作業が水位の下がった今年3月に海軍特殊部隊の手で行われました。とくに空気ボンベは400本が残されたままになっていましたが、依然危険な区域にある40本を残して全て搬出を完了しています。
洞窟のそばには救出活動で最初に命を落としたサマーン・グナンさんの銅像が建てられました。その足元には少年サッカーチームの名にちなんでイノシシの姿もあります。また救出活動を伝えるためのパネルや救助器具が展示された施設まで建てられました。
 
この施設を皮切りにタムルアン洞窟観光地化のために各方面から予算がつぎ込まれ、道路や碑が整備されました。現在は洞窟の「第1広間」まで観光客が立ち入れるよう整備作業の真っ最中です。
タムルアン洞窟は、タイ・ミャンマー国境の観光地メーサイへ向かう途中に位置するため、整備がまだ完了していないものの既に観光地化が進み、沿道には土産物を売る露店が立ち並ぶほど様変わりしました。この年末の休み期間には既に1日に1万人がタムルアン洞窟に観光に訪れる活況を呈しています。
 
世界が注目した世紀の救出劇が最終的にもたらしたものは、新たな観光地の誕生だったようです。(取材・文◎赤熊賢)
 
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TABLOとは アメリカが生んだ、偉大な古典ミステリーの大家レイモンド・チャンドラー作品の主人公フィリップ・マーロウの有名なセリフがあります。 「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」 人が生きていく上で、「優しさ」こそ最も大切なものであることを端的に表現した言葉です。優しさとは「人を思いやる気持ち」であり「想像力を働かせること」です。弱者の立場に立つ想像力。 「人に優しく」 これは報道する側にも言えることだと思います。 現在、ヘイトニュース、ヘイト発言、フェイクニュースがネットの普及に従い、増大しており、報道関係者の間では深刻な問題となっています。そこには「人に優しく」という考えが存在していません。 なぜ、ヘイト(差別)ニュースがはびこるのか。「相手はどういう感情を抱くのか」という想像力の欠如がなせる業です。ヘイトによって、人は人に憎悪し、戦争が起き、傷ましい結果をもたらし、人類は反省し、「差別をしてはならない」ということを学んだはずです。 しかし、またもヘイトニュースがはびこる世の中になっています。人種差別だけではありません、LGBT差別、女性差別、職業差別等々、依然としてなくなっていないのだな、ということは心ある人ならネットの言論にはびこっていることに気づいているはずです。本サイトはこのヘイトに対して徹頭徹尾、対峙するものです。

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