3割が相談相手ゼロ。仕事と家庭を両立したい男性の孤独な実態――共働き夫婦 家事育児の実態~夫のホンネ、妻のホンネ~vol.02

3割が相談相手ゼロ。仕事と家庭を両立したい男性の孤独な実態――共働き夫婦 家事育児の実態~夫のホンネ、妻のホンネ~vol.02 仕事と家庭を両立したい男性のイラスト

※本記事はiction!特集企画「共働き夫婦 家事育児の実態~夫のホンネ、妻のホンネ~」vol.02(2019年7月4日掲載)より転載した記事を一部改編して掲載しております。 「妻は実家に頼りすぎだと思う(夫・36歳)」

「仕事帰りに会社の人と平気で飲みに行く(妻・30歳)」

夫婦がパートナーに感じている不満のなかには、家庭の外の人物が関係している意見もありました。そこで今回は、「家事・育児にまつわる人間関係」にフォーカス。男女で置かれている環境や意識・スタンスの違いが浮かび上がっています。

※本連載記事は、夫婦ともフルタイム勤務もしくはそれに近い働き方をしている共働き家庭に注目し、「夫婦ともに週5日以上勤務かつ、1日平均6時間以上勤務の世帯」を対象とした調査結果をもとに構成しています。 詳しい調査対象については、こちらをご覧ください。

妻の一番の相談先は「自分の母親」。ママ友にだって、あれこれ聞いておきたい!?

「家事・育児について相談や愚痴を言う相手」を調査したところ、女性の場合は「自分の母親」が60.2%とダントツの1位。妻の母による意見やアドバイスが家庭内の家事・育児に大きく影響していると言えそうです。

「ママ友」が重要な存在になっている人が多いのも女性の特徴。年の近い子どもがいる親同士なので、”共感しやすい相手”なのかもしれません。保育園・幼稚園の送り迎えの際に言葉を交わす光景が目に浮かびます。

なお、仕事関連の友人・知人に家事・育児の話をする女性は33.1%で、第3位という結果。女性の場合は、母親を真っ先に頼りながらも、子どもを通じたコミュニティや職場のコミュニティなど、相談先が多岐に渡っているようです。

夫婦別「家事・育児の相談や愚痴を言う相手や場所」についてのアンケート結果

男性は仕事以外の付き合いがあまりない!?交友関係の狭さが目立つ

女性が、「自分の母親」「ママ友」「職場」で家事・育児の話をしているのと比較すると、男性は明らかに傾向が異なりました。

一番の相談相手は、「職場(仕事関連の友人・知人)」。しかし、その割合は37.8%と、女性側で3位だった割合(33.1%)とほとんど変わりません。「自分の母親(夫の母)」に家事・育児の相談をするのも2割程度で、親同士のコミュニティ(ママ友・パパ友)の存在はほとんど見えてこない結果でした。

何よりも特徴的だったのは、「相談する相手はいない」と回答した人が3割を超えていること。また、全体的にどの属性もあまり相談先にはなっておらず、職場だけが突出した相談先になっているのも女性との違いです。

これらの傾向を総合すると、男性は仕事以外のコミュニティとの繋がりが薄く、家事・育児に対して適切なアドバイスを得たり、子どもの親同士で共感したりするような機会が女性に比べて少ないのだと分かります。

家事・育児が話のタネにならない夫たち

そこで私たちは、こうした男女の違いがなぜ起こるのか、家事・育児の満足度にどう影響しているのかを知るため、追加調査(※)を実施。すると、そこには男性のホンネが隠れていました。

※追加調査についての詳細はページ下部を参照。

まず明らかになったのは、そもそも家の外に家事・育児についての話し相手を求めているか。女性の場合は、「相談したいことがある」「話を聞いてほしいことがある」と答えた人が、家事で約7割、育児で約8割と、大半の人たちが話し相手を求めています。

ところが男性では家事について、相談したいことや話を聞いて欲しいことがある人は約3割、育児は約4割。そもそも男性は、家庭内のことに関して外で話し相手を求めていない場合が多数派のよう。以前の記事でもご紹介した、「女性の方が家事・育児に不満を感じている」という結果と照らしあわせると、もしかしたら家事・育児の参加度合いや課題意識の差が影響している側面もあるかもしれません。

父親同士で家庭の話を共有する機会が増えれば、解決できるものがあるかもしれない

夫婦別「家事について相談したい・話を聞いて欲しいこと」についてのアンケート結果

その一方、3~4割存在する「話し相手を求めている男性」の立場で考えてみると、今回の調査結果は「同性(子どものいる男性の同僚や、パパ友など)には話しづらい」という寂しい現実を意味します。彼らはどんな話題について会話したいのでしょうか。その内容を調査すると、興味深い事実が見えてきました。

一番の興味は「配偶者との分担割合・分担内容について」。その次の関心事は「家事のやり方やコツ」と、自らも家事・育児に参加し、夫婦ともに両立していくための具体的な方法を知りたがっていることが分かります。また、夫婦それぞれに同様の質問をした結果を比較してみると、上位に大きな男女差はありません。同じ悩みを抱えていたり、同じヒントを求めている可能性があるため、親同士が気軽に話し合えるようなコミュニティの輪が性別に関係なく広がっていくと良いのかもしれません。

女性との唯一の違いは、前回の記事でも夫が妻に感じている不満としてご紹介した「妻から家事のやり方について文句を言われる」ことについて、家の外で話したいと思っている人が多いこと。ヒントやアドバイスが欲しいことに加えて、気晴らしに愚痴を言いたいという気持ちも交じっていそうです。

妻が夫に怒っているという構図だからこそ、こうした愚痴は異性にはなかなか話しづらく同性の方が共感しやすいもの。ひょっとしたら、「自分も家事・育児に参加すべきだとは思っているが、妻から家事・育児のやり方にいつも文句を言われている」という夫たちの中には、家の外に相談相手がおらず、解決策がみえないまま家事・育児を敬遠してしまう人がいるのかもしれません。

男性同士で家事・育児についてざっくばらんに話す機会が増え、お互いの知恵やアイデアを共有する場が増えることも、男性の家事・育児参加をさらに促進していくためには必要なことではないでしょうか。

【追加調査】

<追加調査回答者>

●全国25~49歳の夫婦

●夫婦共働き(共に週5日以上勤務かつ、1日平均6時間以上勤務)

●第1子の年齢・学齢が2~6歳(小学校にあがる前)

●配偶者、第1子と同居している(単身赴任など別居していない)

<調査手法>

インターネット・リサーチ法

(対象者とその配偶者に同一の質問を行い、同一夫婦の回答を聴取)

<サンプル数>

計490組の夫婦(男性 490/女性 490)

※第一回目の調査と同一家庭(計1,039組の夫婦)に追加調査を呼びかけ、600世帯から回答を得ている。内、夫婦の労働時間にあまり差がない共働きで、夫婦ともに週5日以上&1日平均6時間以上働くという条件に該当する、490世帯の回答をもとに分析。

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