華は無いけど面白い! “地味ッションインポッシブル”な映画『崖っぷちの男』
地上60メートル、幅35センチのホテルの窓外に突然現れ飛び降りようとしている一人の男。彼の目的は自殺か、パフォーマンスか? 『アバター』のサム・ワーシントン主演のアクション・サスペンス『崖っぷちの男』が7月7日より公開されます。
『崖っぷちの男』は、人生が崖っぷちなど比喩表現では無く、文字通り“崖っぷち”に立っている男が繰り広げる物語。ニューヨークのホテルの高層階の窓に立つ男を見守る人、やじ馬、警察、報道陣が群がる中、命がけのショーが幕をあける――。
本作は、制作陣に『トランスフォーマー』『RED/レッド』のスタッフが名を連ねてはいるが、監督は『崖っぷちの男』が長編デビュー。キャストも名優は揃っているものの、正直言って華が無く、全体的にやや地味めな映画。
しかし、映画がはじまり、ゆっくりとしているのは冒頭だけ。だんだん謎が明らかになってくる中盤から後半までは展開はスピードを増し、ラストまであっという間に物語が進んでいく。1時間42分という上映時間も“ちょうど良い”長さではありますが、それ以上にストーリーに観客を飽きさせない工夫を感じます。
なぜ男は“崖っぷち”に立っているのか、その目的は? というのが、この映画の一番の見所ですが、注目して欲しいのが物語に出てくる「ある計画」の実行シーン。
莫大な金と高価な宝石が保管されている金庫。そこまでの金庫と言えば、強靭な警備員、最新鋭の防犯設備が揃っているのはお約束ですが、その不可能とも思えるセキュリティに挑むのもまたお約束。本作では、若い男女が様々な工夫で無謀なミッションをこなしていく様が痛快に描かれています。
無謀な挑戦、と言えば映画『ミッション・イン・ポッシブル』シリーズが思い浮かびますが、派手なシチュエーションや最新スパイメカなどが一切登場しない『崖っぷちの男』はさながら“地味ッションインポッシブル”と言ったところ。
一生懸命、アイデアにアイデアを重ねて考えたと思われる計画の数々に思わず映画という事を忘れて応援してしまう事間違い無し。セキュリティを突破する為の手作り感あふれるアイテムの数々も見ものです。
また、地上60メートルの狭~い場所で繰り広げられる攻防は高所恐怖症で無くてもヒヤヒヤもの。主演のサム・ワーシントンは高所恐怖症ながら実際に一度ビルの縁に立ち、その経験を2.4メートルの映画セットの上で活かしたそうです。
観ている間はハラハラ、ドキドキ。観終わった後はスカっとする夏にピッタリのアクション・サスペンス『崖っぷちの男』。ぜひ、この夏に観る映画候補に!
崖っぷちの男
http://disney-studio.jp/movies/gakeppuchi/
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