「学」と「道」

「学」と「道」

今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

「学」と「道」

(^ω^)やる夫のチラ裏やるお(^ω^)
http://yaruo.tumblr.com/post/25087945737/919-12-2012-05-12-10-43-33-62

これを読んで、「○○学」と「○○道」の違いってなんだろう?と考えた。○○道って、師匠と弟子の関係で、弟子は辛い下働きをして、精神論みたいな修行をするイメージ。いや、これは俺がマンガとかで勝手に抱いているイメージかもしれないけど。

○○学というのは上記の記事にもあるように、なるべく誰でも同じことができるようにノウハウを体系化する。ただこの欠点は、生み出されたものは伝わるけれど、最初にそれを生み出した人間が、どうやって生み出したのか?というノウハウ(いわばメタノウハウ)は伝わりにくい。

○○道というのは、直接ノウハウを伝えず、以心伝心で「心」を伝える。これが何やら精神修行みたいで、一見非合理的なのだけど、実はノウハウを生み出した師匠の心、すなわちノウハウを生み出すノウハウを伝えようということなのではなかろうか。

だから誰にでも伝授できるものではない。達人が生み出したノウハウを継承するのは、やはり同じ境地に到達した達人でなければならない。達人を育てるのが「道」なわけだ。

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そう考えると日本は古来から英才教育を主としていたのかもしれない。優れた人間を選び出し、その人間を弟子にして、達人である自分のすべてを伝授する。

それが明治維新で西洋的な「合理的な教育」を中途半端に導入してしまったために、そこそこの凡人を大量に育てることに主眼が置かれるようになった。

いや、まったくの俺の思いつきだけど、そう考えるといまさら「日本人は画一的で個性がない、もっと欧米の教育を見習え」とか言われると、複雑な心境。

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実のところいろんな本を読んでていつも思うのだが、書いてあることは分かった。でもどうしてこの人はそういう考えを思いつけたのか?がわからない。本を読んでも思いついた結果しか書いてない。分かりやすいようにきれいに整理された完成品。

でも実際にはその完成品にたどり着くまでに、いろいろ試行錯誤しているわけで、初期の不完全な状態や間違った袋小路からどう脱出したか、それをどうシェイプアップしていったかというプロセスが情報から抜け落ちている。

歴史的な有名人だと、伝記みたいにどういう生涯を送ったか、何をどういう順序で発案したかなどが分析している本があるから、おぼろげながら天才たちの思考過程をたどることもできるけれど。

あと稀に当人が自分の考えた順序をなぞって書いてある本もあるけど、これはこれで読んでて「え?ここまで読んできたことは、その後間違いだったって分かったの?それなら最初から言ってくれよ」と、結構脱力感が(苦笑)。

生み出されたものを伝授するのが「学」。生み出す能力そのものを伝授するのが「道」。だから学の場合は生み出された結果から、四苦八苦して生み出す能力を自力で身につけなければならない。その意味では一見不親切な「道」の方が、実は親切なのかもしれない。

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

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