食べてしまったことを後悔するほどの美味さ! Netflix「深夜食堂」スペシャルイベントの「めしや」メニュー
「できるものなら何でも作るよ」
そんなマスターが切り盛りするお店に、今夜も訳ありのお客さんがやってくる”深夜食堂”。
思い思いの食べ物が織りなす人間ドラマ、最新シリーズの配信が決定しました。
最新シリーズは、Netflixオリジナルシリーズ「深夜食堂 -Tokyo Stories Season2-」(以下「深夜食堂 シーズン2」)。今回行われた配信記念スペシャルイベントに、主演の小林薫さんをはじめ、キャスト、監督の皆さんが集結しました。
登壇したのはこちらのみなさん。
小林薫さん(マスター)、不破万作さん(忠さん)、綾田俊樹さん(小寿々)、宇野祥平さん(小道)、小林麻子さん(ルミ)、吉本菜穂子さん(カナ)、松岡錠司監督、小林聖太郎監督
※順不同
作品中に登場した料理を実際に食べられるイベント
深夜食堂の話の要は、何と言ってもエピソードごとに紹介されるメニュー。例えば「甘い卵焼き」だったり「ハムカツ」「チキンライス」だったりと、いずれも気取らず飾らず、ぬくもりのあるものばかり。
今回のイベントでは、深夜食堂に登場するメニューが実際に用意されました。
登場したのはこちら。
・小梅のおにぎり
・タコさんウインナー
・甘い卵焼き
・手羽先の唐揚げ
さらにこのイベント用メニューは、実際のドラマ制作で調理を担当されたフードスタイリスト・飯島奈美さんが手がけたもの。ホンモノの「深夜食堂」メニューを味わえる、貴重なイベントだったのです。
実際に食べてみて感じたのは、見た目や想像以上の美味しさ。
例えば小梅のおにぎり。
つややかなご飯に混じっているのはゆかりとゴマ、そして刻まれた小梅。冷めてももっちりと弾力あるご飯の甘さ、それを邪魔しないギリギリの塩気と小梅の甘酸っぱさは素晴らしいバランスです。
後から巻いた海苔は磯の香り抜群。それと一緒に、パリパリ音をさせながらかぶりつけばもう、気分は「深夜食堂」そのもの。
揚げ油が綺麗に切られ、柔らかな衣に包まれた手羽先は程よくしっとりの肉質。いくつでも食べられそうな塩加減です。甘い卵焼きは、ちゃんと甘味が勝るけれども、甘すぎずにきちんと塩味が楽しめる濃すぎず薄すぎない味付け。プリプリとふるえる弾力の卵はきちんと火が通りつつも潤いバッチリ。
想像する美味しさがそのまま具現化したようなメニューばかりでした。
こういう展開だと当然「深夜食堂 シーズン2」を観たくなりますし、叶うならば観ながら同じメニューを食したいところ。しかし、このイベントに出てきたメニューは完璧すぎなのです。おそらく自力での再現は不可能だと悟ってしまうと、軽い絶望感すら覚えました。
「この美味しさは、ひょっとしたらもう味わえないかも」
極端な事を言ってしまえば、食べない方が良かったんじゃないかと思うくらいの美味しさでした。もし深夜食堂が実在したら、あの卵焼き、手羽先を求めて、筆者は間違いなく通います。実際、作中でもマスターの作るメニューを求めて、様々な人たちが「めしや」にやってきますからね……。
作中のお客さんと一体化できる、貴重な体験でした。
10年を経て変わった深夜食堂、変わらない深夜食堂
深夜食堂が実写としてスタートしたのは2009年。深夜の民放から始まりシーズンは通算で第5部、映画も2作品が公開となりました。
小林薫さんは「10年前は小さな子供だった深夜食堂がここまで成長したんだなと思う。世界中で見てもらうことも想像していなかったので、本当に驚いています」と感慨深げ。
“10年で変わったこと、変わらないこと”について聞かれると小林さんは「深夜食堂は基本的に変わらないんですが、……でもみんな年とったんで。お茶漬けシスターズの例を出して悪いんだけど(一同笑)、「結婚できないんじゃなく、しないのよ!」ってセリフはだんだん通用出来なくなってきたんじゃないかな(笑)。僕も老人力が強くなってきました」と、会場の笑いを誘いました。
松岡錠司監督は、作品について次のように語りました。
「皆さんが体験するであろう普通の人生、普通の話を延々と考えるのって難しいんですよね。この地味な題材が皆さんに受け入れられたのは、なんでだろう?と考えたこともあったんです」
「余計な想像をせずに、俺がいいんだからいいんだと思う様になりました。人の意見を気にすると、この作品がぶれてくるってわかったんですね。そういう意味では(10年間)変わっていない」
現場でも食べ物で大盛り上がり
食べ物を扱う現場とあって、やはり食に関するエピソードは盛りだくさん。質問は“印象的なメニュー”について。
小寿々役の綾田俊樹さん「実は僕は設定と違って甘い卵焼きが嫌いで。それを最初に(フードコーディネーターの)飯島さんに言ったら、ずっと出汁巻を出してくださったんです。嬉しかったです。あと最近立ち飲み屋にいったら、おかみさんに「好きでしょ」って、たこウインナーを出されました(笑)。たこウインナーは僕(小寿々)が好きな竜ちゃんの好物なんですけどね」
小林聖太郎監督が語ったのは“小林薫さんの意外な一面”。
「(小林薫さんと)8年ご一緒してますけど、(うどんの回で)こんなに料理にうるさいのははじめて! 「このうどんどこの? 埼玉なの!」とか、うどんの製造場までみて、京都のじゃなきゃだめだよって!」
さすが「きつねうどんにはうるさい」という小林さん。
そして、小道役の宇野祥平さんがドラマの中で「豚汁を食べたことが無い」という話になると、一同から「えーー!!」と驚きの声。
「はじめて飯島さんの豚汁を食べた時に感動した」と語るのは、お茶漬けシスターズ・ルミ役の小林麻子さん。
「自分作ると野菜が柔らかくなっちゃうのですが、飯島さんは野菜の歯ごたえが残っていて本当に美味しい。私はたらこを食べることが多いのですが、見えていない所でもちゃんとたらこをあぶってくださって、すごく丁寧で感謝しています」と作中の料理を絶賛しきり。
トークセッション後には、松岡監督58歳のサプライズバースディが行われる一幕もありました。
料理が人と人を繋ぐドラマ「深夜食堂」、配信記念イベントも繋がりとぬくもりが感じられる内容でした。(あの手羽先とおにぎり、また食べたい……)
「深夜食堂 -Tokyo Stories Season2-」はNETFLIXにて全世界配信中です。
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