SixTONES 田中樹「新しいことを僕たちがやっていって、それがルールになればいいな」映画『ブラック校則』インタビュー

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近年問題視されている生徒を必要以上に縛り付ける理不尽な校則をテーマに描く青春ストーリー「ブラック校則」の映画が11月1日に全国公開、そして日本テレビにて連続ドラマ、Huluにてオリジナルストーリーがそれぞれ放送・配信中。

ブラック校則に青春を歪められた女子生徒を救うために立ち上がった佐藤勝利さん(Sexy Zone)・髙橋海人さん(King & Prince)演じる創楽(そら)&中弥(ちゅうや)のコンビが、やがてはブラック校則に縛られていた学校の生徒達の心をも解放するべく、奇想天外、ユニークな方法で戦う、恋と友情の青春物語です。

本作で、不良グループのボスであり生徒会副会長の【ミチロウ】を演じるのは、2020年1月22日にCDデビューすることが決まったSixTONESメンバーの田中樹さん。生徒会副会長かつ不良のボス、という安住の地を失いたくないため、校則を使い他の生徒達を締め付ける役どころです。

田中さんに、撮影で苦労した裏話や自身の校則体験談、今後チャレンジしたいことなどお話を伺いました。

「あ、俺まだ制服着れるんだ」と再認識できたのが嬉しかった(笑)

――ミチロウは、佐藤さん、髙橋さん演じる創楽・中弥とは対立するキャラクターですね。

田中:そうですね、なるべく2人を痛めつけるキャラです(笑)。

――どういった役作りをしていますか?

田中:あまり役作りはしていないですが、ミチロウはずっと怒っているんですよ。ずっとイライラしているし、常に誰かに突っかかっている。性格が悪くてネチネチしている感じなんですけど、特にキャラは作らずそのままイライラして演じています。それは別に周りの人に対してイライラしているわけじゃないですよ(笑)!? 日常でなんかイライラすることってあるじゃないですか。電車に乗れなかったとか、なんでもいいんですけど。そういうちょっとしたイライラを演技に持っていっている感じです。

あとは、ずっと怒っているから、いつもおでこや眉間にシワが寄っているんですよ。だから、いろんな眉間のシワの寄せ方だったり、怒った表情のバリエーションを風呂場の鏡を見て1人で研究したりしました。でも今のところ、撮影で披露できたのは2つだけです(笑)。

――ご自分の性格を活かして役作りしている部分はありますか?

田中:なんだろう? 僕って普段めちゃくちゃ優しいんで(笑)。でも監督とかに、「本当に性格悪く見えてくる」と言われて、自分でも演じていてあまり苦痛に感じないから、「俺って実は性格悪いのかな?」と思ってきたり(笑)。普段から声を張ったりすることも多いので怒鳴り声を出すのも別に苦じゃないし、普段から怒ってるわけじゃないのに眉間にシワが寄っているし、今回の役を演じる上で窮屈に感じることが意外と1つもないんですよね。あと、「あ、俺まだ制服着れるんだ」と再認識できたのが嬉しかったです(笑)。

――「本当に性格が悪く見えてきた」というのは最大の褒め言葉ですね。

田中:褒め言葉なんだけど、あまり嬉しくない不思議な感覚です(笑)。

――いじめ抜く役として対立する佐藤さん、髙橋さんたちの反応は?

田中:なぜか俺が丁寧に挨拶したりすると、「そんなキャラじゃないじゃないですか」ってツッコまれるんですよ(笑)。それで、「やっぱり俺って性格悪いのかな、俺どんなキャラに見えてたんだよ!」と思って。

――田中さんとしては、いつも通りに現場に入っているんですよね?

田中:少しおちゃらけてはいますけど割りといつも通りのはずなので、後輩から見ると、俺って本当はミチロウっぽく見えてるのかな……って(笑)。でも直接聞いてみて本当にそう見えていると言われたらショックなので、そこは触れないでおきます(笑)。あと、本当にこれは申し訳ないんですけど、一番遅く現場入りして、一番早く帰ることが多いんですよ(笑)。撮影スケジュールでそうなっていて。俺が「お疲れさまでした」って言うと現場でウケるんです。そうやって現場では周りに若干いじられていますね。

――佐藤さんと髙橋さんとはどんな雰囲気で接しているのでしょうか。

田中:懐いてくれるというか、仲良い後輩は数少ないんですけど、その中で海人と勝利は割りと仲良く自分からきてくれるタイプの2人だったので、現場でゼロから仲良くなっていくというよりは元から関係値があってのスタートで、そこも楽しく撮影が出来ています。

――演じていて楽しい瞬間は?

田中:役柄的に、先生や自分より立場が上の人にも物怖じしなかったり、ある先生の弱みを握っていたりして、対等というより、むしろ自分が上の立場にいることがあるんです。ベテランの俳優さんにタメ口で刃向かえる感じは、普段だったら絶対にできないじゃないですか。裏では「おはようございます」と挨拶しているんですけど、撮影がスタートしたら、先生に対して舐めた態度をとったりするのが、普段じゃあり得ないことなので楽しいです。

猫を被って嘘をつくお芝居で参考にしたことは……

――本作の撮影で大変だったことがあれば教えてください。

田中:ミチロウは柔道部の主将でもあるんですけど、柔道のシーンがめっちゃ大変だった。本当に格闘技をやっている人を投げたりしなきゃいけなくて、僕はか弱いじゃないですか(笑)。だからめっちゃ大変でした。周りのエキストラの方が本当に柔道をやっている方たちなので、「どう見ても俺の方が弱く見えるよな、どうしよう……」と思って。でも撮影時に、「本当に初めて?」と褒めていただいたりもして良かったんですけど、一番苦労したのは、その柔道部という設定ですね。撮影に入るまで時間がなかったので、柔道の動画をめっちゃYouTubeで観ました。

――柔道の技などはダンスの振り付けを覚える感覚で覚えたのでしょうか?

田中:その場で「この技をやってください」と言われて、足の運び方や手の動かし方を見よう見まねでやりました。柔道場で30℃前後の真夏に、撮影の都合でドアも閉めて冷房も何もない中でずっと投げ続けてみたいな感じだったので、肉体的にキツかったです。

――では、メンタル的にキツかったことは?

田中:ミチロウは、めっちゃ嘘つくんですよ(笑)。それこそ創楽(佐藤さん)や中弥(髙橋さん)には強く当たるんですけど、ちょっと猫かぶる瞬間があるんです。生徒会副会長がゆえに。それをどうやったらいいんだろう?と思って。

普段の状況で当てはめられるものを探してパッと思いついたのが、事務所の人と喋るとき(笑)。あとは、先輩と話すときや自分の目上の人と話すときをパッと思い浮かべました。ちゃんと言葉遣いを正したり、少し雰囲気を明るくするみたいな部分を思い返して「これだ!」って(笑)。猫をかぶるシーンは、ずっと「俺は先輩と喋っている」と思いながら喋りました。いつも演じるときは、なるべくその役に寄せるというより、自分の中にあるものを役に当てはめる感じが多いです。

SixTONESはジャニーズの歴史に反した新しいことをやらせてもらっている

――田中さん自身は、ブラック校則だな、と感じた経験はありますか?

田中:まったく感じたことはないですね。校則に限らず、何事にもある程度のルールは必要だと思うんです。ブラックと言うか、必要以上に厳しいルールを感じたことは学生生活でもないですね。僕の通っていた高校は割りと厳しくて、みんな髪が短かったし、ネクタイも緩めないように留めるタイプのものでした。高校生が一番楽しいであろう男女交際も禁止だったし。でも、実際にその中にいると厳しくてもそれに気付かなかったりするんですよね。それで他の学校の子と喋ったら、「あ、うちの学校厳しいんだ」と気付かされたり。だから、自分自身では“ブラックだな~”みたいなルールを感じたことはないです。

――本作は創楽や中弥が校則を変えるために奮闘するお話ですが、逆に田中さんだったらどんな校則を作りたいですか?

田中:自分が先生だったら、(今回の映画の舞台となる)光津高校くらい厳しくするかもしれない(笑)。

――え! なぜですか!?

田中:光津高校は厳しすぎるけど、でもそれくらい何か決まりがないと、とも思うんですよね、僕は。規律はちゃんとあったほうがいいし、作らないとその人の境遇によっての不平等さが生まれちゃう気がして。光津高校ほどじゃないですけど、自分が校則を作るなら結構厳しくするかな。髪の毛は絶対に男子は短くて、女の子は結んでとか、そんな当たり前のことだけどゆるくはしないですね。自分が先生だったら、自分の学校が良く見えてほしいので、学生は学生っぽく良い子に見えるように校則を作るかもしれないです。

――ご自身の学校が実は厳しかったとおっしゃいましたが、振り返って厳しくて良かったと思うことはありますか?

田中:良かったことも良くなかったこともないくらい、その場にいるから3年間それに従っていたという、自分にとって普通のことでした。登下校のときは、校門のところに線があってそこに立ち止まって校舎に礼をしないといけないルールがあったり。でも、それが今の何かに活かされているかと言われたら、別に撮影スタジオに向かって礼をしたりはしないですし(笑)。かといって、それをやっていて悪かったと思ったこともない。ただ、3年間それをしてきたことで、その場に適応することは染み付いたかもしれないですね。

――では、ジャニーズやSixTONESの中で暗黙のルールはありますか?

田中:SixTONESのルールは本っ当にないです! “頑張る”とか、すごく常識的なことしかないです(笑)。逆にSixTONESは今までジャニーズで出来なかったことをやらせてもらったりしているので。SNSとかもそうですし、事務所が今まで手を出していなかったところまで仕事の幅を広げられているので、今までのルールというか、やってきた範囲を越え始めていることが、今すごく楽しいなと思っています。

――YouTubeで動画を公開されたことも、みなさん衝撃を受けたと思います。

田中:そうですね、Instagramなどもそうだと思います。これまでの(ジャニーズの)歴史に反しているというか、今までのルールではないですけど、今まで出来なかったことをやらせてもらえる場面がすごく増えているので、逆に新しいことを僕たちがやっていって、それがルールになればいいなと思います。

――グループとしてCDデビューも決まりましたが、また新たにチャレンジしたい事は?

田中:そもそもYouTubeをやっている(ジャニーズの)デビュー組が今いないじゃないですか(※インタビュー当時) 。そこでたぶん自分たちの楽曲などプロモーションできる幅も相当広がってくると思います。今後は世界を目指したりとかもしたいですけど、まずは今、先輩方がやってきたデビュー組としての仕事を、新しいプロモーションだったり新しい形で大きくしていきたいなと思っています。

――佐藤さんと髙橋さんからデビューについてお祝いの言葉などありましたか?

田中:あの発表の後に会ったときに、勝利は「おめでとうございます」と言ってくれて、「ありがとう」みたいなやり取りはしました。海人は(声をマネしながら)「樹、あのときデビュー決まってたんだね~」って言ってきて、「隠してたけど、そう」くらいの会話で。現場では撮影が楽しいのであまりジャニーズの話をしていないんですけど、それでもスタッフさんとか共演者の方も「おめでとう」と言ってくれたりしました。

――最後に、作品を楽しみにしている方にメッセージをお願いします。

田中:みなさんが経験してきたり、今経験しているであろう当たり前にあるような青春は、人によってどこかズレがあったり、価値観が人それぞれだと思うんですよね。今回はその中のネガティブな青春要素を取り上げていて、それは大小問わず、何かしらみんなあると思うんですよ。それをちょっと気が弱い創楽(佐藤さん)や、ひょうきんに見える中弥(髙橋さん)が何かモヤモヤするものに一発風穴を空けるみたいな、最後の方には気分爽快になる話になっています。懐かしいなとか、リアルに感じつつも、映画として楽しんで観てもらえたらなと思います。

――ありがとうございました!

赤髪の田中樹さんの登壇写真も入った舞台挨拶のレポート記事はコチラ↓
佐藤勝利「Sexy Zoneは5人のもの」髙橋海人「キンプリは来世でも一緒にいるかも」宣言にファン歓声 田中樹のカッコいい先輩エピソードも続々『ブラック校則』舞台挨拶
https://getnews.jp/archives/2249392

『ブラック校則』映画<11.1> × ドラマ&Hulu<10.14> START!
【STORY】さえない青春を生きていた高校生・創楽(佐藤勝利)と親友の中弥(髙橋海人)。彼らが通う高校には理不尽に生徒を縛り付ける校則=“ブラック校則”がはびこっていた。ある朝、登校してきた1 人の女子生徒に創楽は心を奪われる。彼女の名前は希央(モトーラ世理奈)。生まれ持った美しい栗色の髪を黒く染めるよう強要された希央は、反発して不登校となり、退学寸前に。そして創楽と中弥は決意する。「ブラック校則をぶっ壊す!」。
1人では何もできなかった2人が、恋するあの子のため、そして500人の生徒の青春を取り戻すために、ブラック校則と大人たちに立ち向かう!
恋と友情の行方は?果たしてブラック校則は?

出演:佐藤勝利(Sexy Zone) 髙橋海人(King & Prince)
モトーラ世理奈 田中樹(SixTONES/ジャニーズ Jr.)箭内夢菜 堀田真由 葵揚 水沢林太郎 達磨
成海璃子 片山友希 吉田靖直 戸塚純貴 星田英利 坂井真紀 / 光石研 でんでん / 薬師丸ひろ子
脚本:此元和津也 監督:菅原伸太郎 音楽:井筒昭雄 主題歌:Sexy Zone「麒麟の子」(ポニーキャニオン)
企画製作:日本テレビ/ジェイ・ストーム 配給:松竹
(C)2019 日本テレビ/ジェイ・ストーム

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