英会話が上達しない三大理由─これさえクリアすれば英語はグングン上達する!

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英会話が上達しない三大理由─これさえクリアすれば英語はグングン上達する!

英語学習にたくさん時間を割いているのに、一向に話せるようにならない……。

英会話スクールに通っている、Skype英会話に挑戦しているが、どうも上達しない……。そういったお悩みを解消していただくために、英会話が上達しない3つの理由とその解消方法を、これまで7,000人以上に英語を指導してきたイングリッシュ・ドクターの西澤ロイさんがお伝えします。

英会話が上達しない理由1:減点主義だから

英会話が上達しない原因の1つ目は「減点主義」――。また、「完璧主義」も同様ですね。違う言い方をするならば、できないところばかりを見て、持っている力を否定したり、ダメ出しをしてしまうことです。その結果、自分は「英語ができない」「英語は話せない」などと、強く否定しまうのです。

このように指摘すると、「いや、できないのは事実ですから」などと言う人が時々います。その人が、できないと“思っている”のは事実ですが、「できない」ことは事実ではありません。なぜなら、英単語や英文法を全く何も知らないわけではないからです。

もし、ロシア語やアラビア語、カンボジアのクメール語などのような、文字からして違う言語であれば、「全くできない」のは事実かもしれません。しかし、英語であれば、中学や高校で授業を受けていますし、日本語の中にもカタカナとしてたくさん入り込んでいますから、英単語は結構知っています。文法知識もそこそこ持っているはずです。つまり、事実を語るのであれば「英語ができない」ではなく、「(中学英語に当たる)1,000個の英単語を知っている」と言う方がよっぽど正しいのです。

言語学的には、中学英語に相当する約1,000単語で、英語の日常会話の8割をカバーできることが明らかになっています。しかし多くの方が、自分は「英語を話せない」と思い込み、その原因を「単語を知らない」「ボキャブラリーが足りない」からだと誤解しています。

その結果、改めて単語やフレーズを覚えようとして挫折していくのです。なぜこのやり方がうまくいかないのでしょうか? その答えは、既に持っている知識を活用していないからです。

既に知っている単語をうまく使うことができない人が、新たに単語を覚えたところで、それらをいきなり使えるようになる道理はありません。私は「知識肥満症」と呼んでいますが、頭でっかちになってしまい、上達はむしろ遠のいてしまいます。

まずは、自分が知っている英単語を使えるようになることが最優先なのです。つまり、自分がどれだけ英語を知っているかに目を向け、その事実を肯定することが、その第一歩なのです。

英会話が上達しない理由2:アウトプット不足

次に、英語が上達しない人は、単語を覚えたり、文法を学んだり、英文をひたすらに読んだり、音声教材などを聞いたりする「インプット(入力)」に偏っているケースが少なくありません。

元々、学校での英語の授業が、インプットばかりに偏っていた……という人も多いでしょう。私自身の経験としても、初めて英語をまともにしゃべった経験は、大学に入ってからでした。中高の6年間は、アウトプットといえば試験などの穴埋め問題程度しかありませんでした。大人になって、英語をやり直そうと思った時に、過去に教わったやり方を繰り返してしまうと、インプット偏重になりがちです。

また、先ほど指摘した減点主義のために、自分は「英語ができない」「単語を知らない」などと、できないところばかりを見てしまうことで、最初から覚え直さなければ……と考えてしまい、改めて英単語や英文法などのインプットをしようとする人も大勢います。

上達のために必要なのは、自分で実際に英語を話したり書いたりする「アウトプット(出力)」をすることです。例えば1日に30分や1時間、英語学習の時間を取るとしたら、そのうちアウトプットの時間はどれだけありますか?

もし、「全くない」とか「5分」しかないのであれば、「アウトプットの量」が増えるように、ぜひ学習方法を見直すと良いでしょう。英語は道具ですから、実際に使うことで、“筋肉”を鍛え、経験値を積むことが上達の早道なのです。

また、問題を解いている、という人もいるでしょう。それも一種のアウトプットと言えなくもないですが、「アウトプットの質」に問題がある場合が多いですから注意が必要です。なぜなら、例えばTOEICのような試験問題を解く場合のアウトプットは、4択問題に答えることであり、自分で英文を作るわけではありません。

また、穴埋めの英作文をしている人もいるかもしれません。しかし、日本語に置き換えてみていただきたいのですが、日本語を話す時に、空欄を埋めようという意識は全くないはずです。そうではなく、自分の思ったこと、言いたいことを、言葉に変換していく――という作業をしているはずです。

英語も同じ言語ですから、全く同じことです。自分の言いたいことを、英語に変換する作業ができなければダメなのです。つまり、空欄を埋めようとするのではなく、全文を自力で言えるようにしなければ、英会話の練習にはなりません。また、本や教材に載っている単語やフレーズ、英文を丸暗記している人も多いですが、自分の言いたいことを自分なりの英語でアウトプットする練習も、ぜひやった方がよいでしょう。

英会話が上達しない理由3:疑問を放置する

英語をアウトプットし、実際に使ってみると、たくさんの疑問が出てくるはずです。例えば…

* 英語でどう表現すればよいのか?

* この動詞はどうやって使うのか?

* 前置詞はin、それともatが正しい?

* この言い方で合っているだろうか?

また、例えば「体重が増えた」と言いたくて「I gained my weight.」と言った時に、会話の相手(例えばネイティブ)が「Oh, you’ve gained weight.」と返してくるかもしれません。そうすると、「なぜmyはいらないのか?」「なぜ過去形じゃなくて完了形なのか?」などという疑問が出てくるかもしれません。

こういった疑問を一つひとつ、しっかりと解消していくことが上達を加速させるためには重要です。なぜなら、「疑問がある」ことを裏返すと、「正しく理解できていないかもしれない」ことを意味するからです。

正しく理解できていないとしたら、それは、「理解の階段」のどこかでつまづいてしまっているということ。疑問を放置してしまうと、そこに関してはいつまでも理解が進みません。その意味で、大きな視点で見ると、疑問というものは、あなたがうまく理解できていないことに気づかせてくれるために出てきてくれた――とも言えるのではないでしょうか。

特に、インプットをしていて「理解した」と思えていることでも、実際にアウトプットしてみることで、よく理解できていなかったと気づけることもたくさんあります。日本語でも例えば「挨拶(あいさつ)」という漢字が読めることで「理解できた」と思えるかもしれませんが、それを書こうとすることで初めて、細部がどうなっていたのかが見えてきたり、書き順が意識したりします。アウトプットをすることが、理解を深め、疑問を浮かび上がらせる鍵となるのです。

なお、英語を暗記科目だと思っている人が多いですが、暗記もまた、その裏では「正しく理解できていない」ことを表します。もし物事をきちんと理解できていたならば、そもそも暗記は不要なのですから。

また、暗記がクセになってしまっていると、「英語はそういうもの」だと無意識に丸暗記してしまい、疑問に思わなくなってしまいますからご注意ください。

まとめ:知っている単語でアウトプットして疑問を解消せよ!

英会話が上達しない大きな理由として、「減点主義」「アウトプット不足」「疑問の放置」の3つがあるとお伝えしてきました。ですから、効率的な上達を得るためには、その逆をやればよいのです。

つまり、できることはきちんと認め、まずは自分が知っている英単語や文法知識に目を向けてください。次に、それらを使ってアウトプットをしてください。言い換えるならば、既に知っている英単語や文法知識を活用して、英語をどんどん実際に使ってみましょう。いきなりの英会話だとハードルが高いと感じる場合には、言いたいことを英語で書くところから始めればよいのです。

そして、英語を実際に使おうとしてみると、様々な疑問が出てくることでしょう。うろ覚えだったことに気づくかもしれません。それらの疑問点や不明点を無視・放置することなく、一つひとつ解消することを心がけてください。

疑問の解消は、独学ではなかなか難しいところもあるかもしれませんので、誰かに教われる環境があるとベストだと言えます。しかしそれ以外にも、コストがかからない方法としては、ウェブ検索をすれば様々な人が様々に説明してくれていますし、言語交換(language exchange)などで誰かと教えあうのも一つの手でしょう。

「アウトプット」と「疑問の解消」は、英会話上達のための「両輪」のようなものです。アウトプットを繰り返すことにより、英語を使う“筋肉”が次第に強化され、また、経験値を積むことができます。また、疑問を解消していくことにより、英語のより正しい理解ができ、より正しく使えるようになり、つまり、より質の高いアウトプットができるようになっていくのです。

ぜひ3つのポイントを押さえながら、楽しく英語をアウトプットしていただき、効率的な上達を手に入れていただければと思います。

★連載:「英語学習のコツ」をお届けする記事一覧はこちら

著者プロフィール

西澤ロイ(にしざわ・ろい) イングリッシュ・ドクター

TV・ラジオでおなじみのイングリッシュ・ドクター(英語の“お医者さん”)。英語に対する誤った思い込みや英語嫌いを治療し、心理面のケアや、学習体質の改善指導を行なっている。英語が上達しない原因である「英語病」を治療する専門家。ベストセラーとなっている『頑張らない英語』シリーズ(あさ出版)や『TOEIC最強の根本対策』シリーズ(実務教育出版)他、著書多数(⇒)。さらに、ラジオで4本のレギュラーがオンエア中。特に「木8」(木曜20時)には英語バラエティラジオ番組「スキ度UPイングリッシュ⇒」が好評を博している。★「イングリッシュ・ドクター」公式HP(⇒)

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