東北は名建築の宝庫!今年の夏は、歩いて見てハマる建物めぐりがオススメ
温泉やグルメ、名所旧跡と見どころいっぱいの東北エリアは、近現代の名建築の宝庫でもあります。
青森、秋田、岩手、宮城、山形、福島の、明治~昭和初期に建てられたレトロな洋館からモダンな現代建築まで、必見の建物を集めました。東北観光のベストシーズンでもある夏、ぜひ名建築めぐりを楽しんで。
盛美館(青森県)
中嶋記念図書館(秋田県)
大船渡市民文化会館・市立図書館(岩手県)
旧観慶丸商店(宮城県)
寒河江市庁舎(山形県)
郡山公会堂(福島県)
盛美館(青森県)
美しい庭園に建つ、珍しい和洋折衷建築
津軽尾上駅から徒歩約10分。「盛美園(せいびえん)」の園内に建つ「盛美館(せいびかん)」は、1908(明治41)年に建てられた和洋折衷様式の建築です。
1階は純和風の数奇屋造り、2階はルネッサンス調の白壁や展望室のドーム屋根、尖塔、棟飾りなどが特徴的です。2階は通常見学不可ですが、1階内部からは美しい日本庭園を眺めることができます。
a_Hitotsuyanagi様
@a_hitotsuyanagi
【ご本人コメント抜粋】
盛美館
明治時代の作庭としては名園と言われる盛美園(日本庭園)に建つ和洋折衷の建物。庭を見渡せるように計画されている。
外観からもはっきりわかる通り、1階和風、2階洋風に分かれている異色な作り。2階が気になるところですが、非公開です。
【びゅうたび編集部より】
弘前エリアの観光スポットとともに訪れるのがおすすめ。
スタジオジブリの映画に出てくる洋館のモデルになったともいわれています。
盛美園
バス利用:JR弘前駅より弘南バス弘前駅~盛美園前下車
列車利用:JR弘前駅より弘南電鉄に乗り換え、津軽尾上駅下車。徒歩約10分
中嶋記念図書館(秋田県)
美しい内装は必見。「眠らない図書館」
JR和田駅から車で10分の場所にある国際教養大学。キャンパス内の中嶋記念図書館は 365日24時間開館の「眠らない図書館」で、学生以外も入館可能※。
建物は東京工業大学名誉教授で建築家の仙田満により2008年に建てられ、数々の建築賞も受賞しています。ローマの円形競技場コロシアムを思わせる「ブックコロシアム」、国産の秋田杉をふんだんに使った傘型の天井など随所に工夫が凝らしてあり、読書や勉強に没頭できる空間です。
※編集部注:学外者の利用は時間限定。要身分証明書
実梨㍉様
@mm_.u_u._mm
【ご本人コメント抜粋】
「中嶋記念図書館」
#日本一美しい図書館 と言われてる、国際教養大学の図書館
ここ図書館の特徴は、美しさだけじゃない!椅子の高さが色分けされていて、自分に合った高さの椅子を選べるとのこと
【びゅうたび編集部より】
大きな窓から入ってくる自然光も美しさを際立たせています。
Maki Hatakeyama様
@maki0303xx
【ご本人コメント抜粋】
曲線と段々だんに萌え〜(*´ω`*)
【びゅうたび編集部より】
8万冊超の蔵書が並ぶ美しい図書館です。
中嶋記念図書館
JR秋田駅から奥羽本線に乗り換え、和田駅下車。路線バス「国際教養大学前」行きで約10分
URL:https://library.aiu.ac.jp/
大船渡市民文化会館・市立図書館(岩手県)
大船渡の美しい自然をモチーフに
JR大船渡線盛駅より徒歩約15分の場所にある、リアス式海岸の代表地・大船渡市の複合施設。「リアスホール」とも呼ばれています。
建物のデザインは、打ち寄せる波が削り出した大船渡のシンボル・穴通磯(あなとおしいそ)など、地形や海の風景をモチーフとしています。ホールの天井は空に浮かぶ雲、壁は波が打ち寄せる岩肌、座席の背もたれはさざ波を表しているそう。新居千秋都市建築設計が手がけたこの建物は、2009年の日本建築大賞を受賞しています。
施設内には劇場ホールの他、会議室、展示ギャラリー、図書館などがあります。
Mio Hayashi様
@__mio884__
【ご本人コメント抜粋】
〇リアスホール (新居千秋)
今年の夏合宿で訪れた中で、設計者がどのようなコンセプトを持って考えたのかが、最も伝わってきた作品.
市民会館やホールといった公共施設は機能を重視したものをよく見るが、ここは機能を果たしながらデザイン的にも大船渡の良さを取り入れ、真のシンボルの役目を果たしているのではないかと思う.
【びゅうたび編集部より】
大船渡の地理の特徴を存分に生かした建築です。
Sho様
@smizoguchi
【ご本人コメント抜粋】
地面が異常なかたちで盛り上がったーって感じの建築。でかすぎて建築を見たって気がしない。洞窟。
【びゅうたび編集部より】
リアス式海岸をモチーフとした壁面が印象的な館内。
大船渡市民文化会館・市立図書館
東北新幹線水沢江刺駅より車で約70分または、大船渡線盛駅より徒歩約15分、三陸鉄道南リアス線盛駅より徒歩約15分
URL:https://www.city.ofunato.iwate.jp/site/riash-lib/list63-124.html
旧観慶丸商店(宮城県)
歴史を物語る、石巻で初めての百貨店
JR石巻駅から徒歩約10分。観慶丸(かんけいまる)商店は石巻で最初の百貨店として建てられた建物です。木造建築ですが、タイルで覆われ、スペイン瓦や丸窓、アーチ窓を有する外観は洋風建築を思わせます。いわゆる「看板建築※」で、約80年にわたり市民に親しまれてきました。
東日本大震災にも耐え、石巻の歴史を物語る貴重な建造物といえます。2015(平成27)年には石巻市の有形文化財に指定されました。現在は石巻の歴史・文化についての展示スペースなどがある文化発信拠点、セレクトショップとして利用されています。
※編集部注:木造の表面だけタイルなどの防火素材で覆った建築。商店建築として関東大震災後~昭和初期に流行した
Tomo6nobu様
@tomo6nobu
【ご本人コメント抜粋】
単純にカッコいいです。
【びゅうたび編集部より】
アーチ状の窓や丸窓など、ところどころに使われた曲線が素敵です。
a_Hitotsuyanagi様
@a_hitotsuyanagi
【ご本人コメント抜粋】
旧観慶丸商店
1930年(昭和5年)石巻で最初の百貨店として建てられる.
重厚なタイル張りの外観ですが木造です.裏側には住居部分の和館があります.
【びゅうたび編集部より】
近くで営業している現・観慶丸本店は、おしゃれな陶器店。こちらもぜひ訪れて。
旧観慶丸商店
JR石巻駅から徒歩約10分
URL:https://www.city.ishinomaki.lg.jp/cont/20102500/kankeimaru/20170907114607.html
寒河江市庁舎(山形県)
戦後モダニズム建築の名作
JR寒河江駅から徒歩15分。1967(昭和42)年竣工の寒河江(さがえ)市庁舎は、国立新美術館などの設計で知られる建築家・黒川紀章の、若かりし頃の作品。モダニズム建築の傑作として知られるこの建物は上層階がせり出し、宙に浮いたようなデザインが印象的。
「DOCOMOMO※」の近代建築100選や登録有形文化財にも選ばれました。今も、現役の市役所庁舎として使用され、岡本太郎の手による照明や、随所に置かれた山形県を代表する家具メーカー天童木工の家具も見どころ。
※編集部注:近代建築の記録と保存を目的とした国際学術組織
Risato Terashima様
@shimeji_dx
【ご本人コメント抜粋】
寒河江市庁舎。黒川紀章の初期の作品。
地下に議会、1Fは市民に開かれたロビー、上階が執務室。
岡本太郎の照明が市民を出迎えてくれるステキなモダニズム建築。
【びゅうたび編集部より】
今も現役で、窓口業務等が行われる市庁舎です。
寒河江市庁舎
JR寒河江駅から徒歩15分
URL:https://www.city.sagae.yamagata.jp/kurashi/shisetsu/shiyakusyo/shiyakushotyousya.html
郡山公会堂(福島県)
大正浪漫を感じる、優雅なルネサンス調の洋館
JR郡山駅より徒歩約20分。1924(大正13)年に郡山市制施行を記念して建てられた郡山公会堂。国登録有形文化財に指定された現在もコンサートや催し物会場として親しまれる、郡山のシンボル的存在です。
オランダ・ハーグの平和宮や大阪の中之島公会堂(現・大阪市中央公会堂)を参考に設計されたと伝わっています。国会議事堂を設計した矢橋賢吉が監修しており、ネオ・ルネサンス様式の外観と時計のある塔屋が印象的です。桜の名所としても知られ、毎年見頃の時季には花見客でにぎわいます。
Yukiyo様
@cloud_sugar2
【ご本人コメント抜粋】
ひまわりが咲いてる.
【びゅうたび編集部より】
改修で外壁やステンドグラスが復元され、より美しい姿に。
yuji@くり8ふくしま様
@create.fukushima
【ご本人コメント抜粋】
郡山市公会堂
大正13年に建設された #有形登録文化財
紅葉と相まって一層存在感が増してます。
【びゅうたび編集部より】
春の桜、秋の紅葉ともベストマッチ!
郡山公会堂
郡山駅から福島交通バスに乗り、「麓山一丁目」下車。徒歩約3分
URL:https://www.kanko-koriyama.gr.jp/tourism/detail2-3-40.html
行かなきゃわからない、本当の魅力
今回紹介した名建築スポットは、内部も見学できるところばかり。美しい建築物は写真を見るだけでも素晴らしいですが、実際に訪れて、外からも中からも楽しまなければ本当の魅力はわかりません。
東北エリアには、ほかにも見ておきたい名建築がずらり。この夏は、素敵な建築と出会う旅へ、ぜひ出かけて。
掲載情報は2019年8月6日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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