「雑談力」は最強のビジネススキル!?話ベタでも会話が続く「3つのコツ」
あなたは人と雑談するのが得意ですか?SNSの進化に伴い、直接会話するのが減っていると感じる人も多いのではないでしょうか。
そんな時代にも関わらず、社会に出ると慣れない人と話す必要が出てくるもの。しかもその雑談ができる・できないで、ビジネスにおけるコミュニケーション能力の印象が決まり、あなたへの評価が変わってくるかもしれません。ある意味、雑談力こそあなたの人生を左右する最強のビジネススキルとも言えます。
そこで今回は広告代理店勤務時代に3,000人以上のVIPと交流し、彼らの「雑談力」を研究している気配りのプロフェッショナル・後田良輔さんに「会話が続かない人が押さえるべき雑談のコツ」について話を伺いました。
雑談が苦手でも大丈夫。目指すは「顔見知りレベルの雑談」
3000人のVIPを観察していて、発見したことがあります。それは「彼らは話し上手ではない」ということです。VIPというと誰とでもうまく話せ、ときには瞬時に相手の心を掴む会話をしていると思われがちですが、むしろその逆。話し上手というよりは、逆に話し下手な人の方が多いくらいでした。
ではなぜ彼らが話し上手と思われているのか?それは会話や雑談において、普通の人と異なる「2つのゴール設定の違い」があったからです。1つめの違いは、役目のレベル分けです。そもそもVIPは会話の役目を三段階に分けて考えています。「顔見知りレベルの雑談」「良い人と思われるための雑談」「信頼できる人と思われる雑談」の3つです。
会話や雑談が苦手という人は、このレベル分けをせず、すべての人に雑談がうまいと思われようとし、必要以上に高度な会話術を駆使しようとして自滅してしています。いきなり「信頼できる人と思われる雑談」を身に着けるのは至難の業です。そしてビジネスシーンの9割においては、「顔見知りレベルの雑談」ができれば十分合格します。まずは「顔見知りレベルの雑談」を身に着けることが重要だったのです。
そして2つめの違いは「強さ」です。会話や雑談とは「壁打ちのテニス」と同じです。あなたが強い球(雑談)を打ち込めば、相手からも強い球が返ってきます。逆に優しい球を打てば、相手からも優しい球が返ります。そしてあなたが球を投げなければ、相手から投げられることはありません。つまり壁打ちのテニスと同じように、会話とはあなたの球の強さに比例するようになっています。VIPはこのことを知っており、必要最低限度の優しい球だけを身に着け、コミュニケーションするようにしていました。
相手の心を打ちぬく高度な強い球は必要ありません。「顔見知りレベルの雑談」を優しくあなたから投げかければ十分です。しかもこのレベルの雑談は、誰でも真似できる簡単なものばかりです。次からVIPが使っている「顔見知りレベルの雑談(優しい雑談)」のコツをお伝えします。どれも簡単で、使い勝手が良いものばかりですので、ぜひ使ってみてください。
VIPの雑談のコツ(1) 挨拶+ひと言
「返報性の法則」という心理学のテクニックがあるように、人は他人から何かをしてもらったら、お返ししなくてはいけないと思う傾向があります。つまり相手と雑談するためには、まずあなたから雑談を投げかける必要があります。
「お疲れさまです」「こんにちは」などの挨拶で十分です。ただVIPはこれに一工夫しています。それは次の雑談の「仕込み」です。「お疲れさまです」のあとに「今日のネクタイ素敵ですね」「新しいメガネですか?」など、相手のワンポイントをほめています。
ほめるものは何でもOKです。ほめるものがないという場合は「忙しそうですね」など、相手の状態を話すだけでも大丈夫です。挨拶にひと言足せば、相手から「〇〇でして」など、次の雑談に繋がる返報がもらえます。この連続で人間関係は近くなります。
VIPの雑談のコツ(2) 「おすし」であいづちを打つ
雑談の上手い下手は、相手が決めるもの。あなたが話したときに、「うんうん」と上手くあいづちを打たれると思わずもっと話してしまうなんてことがあったと思います。つまり雑談の上手さを相手が判断するポイントは、「あいづち」なのです。VIPはこのことを知っており、3つの鉄板あいづちポイントの「おすし」を駆使して、相手を気持ちよくしていました。
お:「お~」 ~ですごいと表現するのと相手は気持ちよくなります
す:「すごい!」 さすがでもOK。相手の会話にびっくりしましょう
し:「知らなかったです」 教えてくれてありがとうという気持ちを込めましょう
この「おすし」に共通するのは、「あなたの話は役立ちます」という感謝の姿勢です。「顔見知りレベルの雑談」で使える鉄板ですので、ぜひ身に着けてください。
VIPの雑談のコツ(3) ×「そうなんですね」 〇「△△なんですか?」
自分からひと言添えて挨拶をし、「おすし」であいづちを打ったあとで雑談を終わるのはもったいない。そこでおススメなのは「△△なんですか?」で、会話を繋げるということです。
NG例)
自分:お疲れさまです。あっ、素敵なネクタイですね。
相手:お疲れ様。ありがとう。こないだ買ったんだよね。
自分:お~。「そうなんですね」
OK例)
自分:お疲れさまです。あっ、素敵なネクタイですね。
相手:お疲れ様。ありがとう。こないだ買ったんだよね。
自分:お~。「水玉がお好きなんですか?」
という具合です。「そうなんでね」など、次につながらない言葉を使ってしまうと雑談が終わってしまいます。そうではなく「△△なんですか?」というように、質問であなたの会話は終わるようにしましょう。この繰り返しで、雑談は円滑に続いていきます。
まとめ
雑談とは「壁打ちのテニス」と同じです。相手のレベルに合わせ、あなたが取りやすい強さの球を投げるというのがコツだったのです。このコツを身に着けるだけで、面白いように雑談が続けられるようになります。「たかが雑談、されど雑談」。
ちょっとしたコツを知っているだけで、毎日のコミュニケーションの結果に雲泥の差が開きます。ほんの少しの工夫で人生はあなたが思う以上に変わります。ぜひ前向きに取り組んで、あなたの人生をバラ色にしてみませんか?
プロフィール
後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト
1972年生まれ。大手3大広告代理店に勤務し、「誰でも使える気配り術」を駆使する気配りのプロフェッショナル。これまで応対したVIPは、東証一部上場社長、世界企業のCEO、政治家、医者、弁護士、大学教授、大物俳優・女優、ミリオンセラー作家、世界No.1クリエイターなど総勢3000名を超える。この特別丁寧に接しなければならない顧客との交流で磨かれたスキルと「東京・名古屋・大阪」の現場勤務で身につけたリアルな経験を組み合わせた、独自の「誰でも使える気配り術」に定評がある。著書に、『気配りの正解』(ダイヤモンド社)『<落ちこぼれでも3秒で社内エースに変わる!>ぶっちぎり理論38』(ダイヤモンド社)、『逆境を活かす! 就活面接「エモロジカル理論」2015年度版』(実務教育出版)『1秒内定面接術」』(インプレス)など。これらの実績を買われ全国の大学や企業から講演・研修依頼が殺到。新聞・雑誌などメディア露出は50回以上。「世界からキャリアの悩みをなくすこと」をミッションとする。
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