【図説で愛でる劇中車 第3回】キャデラックで幽霊退治! ゴーストバスターズの車「ECTO-1」

国内外問わず様々な映像作品(アニメも含め!?)に登場したあんな車やこんな車を図説するコーナー!

国内外問わず様々な映像作品(アニメも含め!?)に登場したあんな車やこんな車を、イラストレーター遠藤イヅルが愛情たっぷりに図説する不定期連載!

第3回は、海外の映画からお届けしましょう。今回選んだのは、SFコメディ映画「ゴーストバスターズ」に出てきた劇中車「ECTO-1(エクトワン)」です。

印象的な活躍を見せるECTO-1

幽霊退治をビジネスにするチーム「ゴーストバスターズ」が、ニューヨークを舞台に活躍する映画「ゴーストバスターズ」。

1984年公開の第1作は大ヒットを記録、その後1989年には続編の「ゴーストバスターズ2」が、2016年には前作までとの関わりを持たない“リブート”版も製作されています。

コロンビア大学に勤める3人の博士、ピーター、レイモンド、イゴンは、超常現象の研究を行っていましたが、ある日大学から研究費を打ち切られてしまうことに。そこで3人は幽霊退治の会社「ゴーストバスターズ」を立ち上げます。

彼らが現場に急行するために作った車が、1959年式キャデラックを改造したECTO-1でした。

車体は白でテールフィンは赤、ドアにはシンボルマークが描かれ、屋根上に謎の機械(劇中では明らかにされない)を、車内にはゴーストバスターズの武器である「プロトンパック」などを載せ、変な音のサイレンで出動! 劇中ではなくてはならない存在感と印象的な活躍を見せました。

「ゴーストバスターズ2」では、冒頭、第1作のラストシーンがもたらした影響(まだ未見の方にはネタバレになるので、書かないでおきます)で、ゴーストバスターズ社が破産した様子が描かれます。

しかし、とある事件をきっかけにゴーストバスターズは復活を遂げ、白い煙を吐いてボロボロになっていたECTO-1も「ECTO-1A」にグレードアップされました。

屋根上の謎の機械はさらに謎を増し(笑)、電光掲示板まで設置。ボディにも電話番号やストライプを新たに追加、回転灯も増えて夜の街を鮮やかに彩っていました。

そして、2016年のリブート版では、メンバーが女性に変わった他、ECTO-1のベースも1982年式の四角いキャデラックにチェンジ。

白×赤の塗装、シンボルマークと屋根上の機械を踏襲しつつも、大きくイメージを変えています。

つまり、1984年1989年、2016年版の3作でECTO-1は3種類あり、いずれもベースはキャデラックということになります。しかも、3台とも「ワゴン」のカタチをしています。

そしてここから少しマニアックなお話を。

第1作と第2作に出てくるECTO-1のベースとなった1959年式キャデラックは、キャデラックが工場から提供する、救急車や霊柩車向けの堅牢かつホイールベースが長い「シリーズ75・コマーシャルシャシー」に、「Miller-Meteor」というコーチビルダー(カスタムボディを架装する会社)が作った車であることは間違いありません。

さらに細かく見ていくと、これは「FUTURA DUPLEX」という、救急車と霊柩車を兼ねた仕様ではないか、と推測されます。

なお、Miller-Meteor社は1979年に閉業してしまっています。

そして2016年公開のリブート版でのECTO-1のベースは、1982年型「キャデラック・ドゥビル」ベースのコマーシャルシャシーに架装された霊柩車に。

こちらのボディは、現在でも霊柩車を作り続けているコーチビルダー「S&S」社の「Victoria」というモデルではないでしょうか。

ちなみに1984年を最後に、キャデラックはコマーシャルシャシーの提供をやめてしまったため、それ以降は、キャデラックの完成車を公認のコーチビルダーに持ち込み、ホイールベースを伸ばし、車体を改造するようになりました。

過去3作作られた人気映画「ゴーストバスターズ」は、2020年に新作が製作され、同年夏に全米で上映が行われることがわかっています。

その第4作目は、2016年のリブート版を飛び越えて、1989年の第2作の“正式な続編”となるようです。

すでに速報のトレーラー映像も公開されており、そこには「初代ECTO-1」の姿も見ることができます。

どのような映画になって、ECTO-1もどんな姿でどんな活躍を見せてくれるのか、今から楽しみです!

文・絵/遠藤イヅル

※イラストの無断転載、改変その他類似の行為を禁じます

※本記事は十分に調査したうえで掲載しておりますが、すべての情報の正確性において一切の責任を負うものではありません。あらかじめご了承ください

イラスト:遠藤イヅルイラスト:遠藤イヅル

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