初監督でシリーズ完結編という大仕事を成し遂げたサイモン・キンバーグに聞く『X-MEN:ダーク・フェニックス』のこだわりと魅力

世界を危機に陥れる強大な敵とミュータントたちの時空を超える壮絶な戦いを描き、全世界累計興収が28億ドルを超える驚異の大ヒットを記録したメガヒット・シリーズの最新作『X-MEN:ダーク・フェニックス』。いよいよ本日より日本公開となりました!

本作のメガホンをとったのは、サイモン・キンバーグ監督。10年以上にわたり『X-MEN』シリーズの脚本を手掛けてきた彼、満を持して本作で監督を務めているのですが、映画初監督とは思えない展開の巧みさには驚かされます。サイモン・キンバーグが監督をすることとなった経緯とは? X-MENの集大成としてのこだわりとは? 5月末にお話を伺いました。

――映画大変楽しく拝見しました! 私たち(取材陣)は、東京から来ました。

サイモン・キンバーグ:ありがとう! 日本にまだ行ったことがなくて、すごくすごく行きたかったので、残念だったよ。今度プライベートで行くんだけどね。日本のファンの皆さんにもたくさん映画を楽しんで欲しいな。

――サイモンさんは長らく『X-MEN』シリーズに携わってきて、本作でいよいよ監督を務めることになったわけですが、どういう部分に一番こだわりましたか?

サイモン・キンバーグ:僕は子供の頃からコミックスが大好きだったのだけど、その中でも(『X-MEN:ダーク・フェニックス』のベースとなっている)「ダーク・フェニックス・サーガ」が一番好きだ。僕は長年『X-MEN』シリーズに関わっていて、俳優やスタッフを家族だと思っているから、これは自分がいよいよ監督をするべきだと思ったんだ。本作は、その“家族”の中の1人が、脅威となって内側から存在が脅かされるというストーリーで、原作の面白さをそのままで、ジーンの心の葛藤をより深く描こうと工夫したんだ。

――ジーン(ダーク・フェニックス)を演じるソフィー・ターナーさんの演技が素晴らしかったです。彼女を起用した時点で「ダーク・フェニックスは彼女でいける」という確信があったのでしょうか?

サイモン・キンバーグ:最初から確信があったわけじゃないのだけど、演じあげて欲しいという希望はあった。この映画を作る3ヶ月ほど前にソフィーと話をして、どういう作品になるか説明をしたんだ。喜怒哀楽全ての感情、心理的な表現が大事であること、特に闇の感情をむき出しにする必要があること、さらにジェームズ・マカヴォイやマイケル・ファスベンダーという最高の役者たちを演技しなくてはいけないこと、それらを話して「出来るかい?」と聞いた。彼女は僕の目を見て「出来ます」と即答したんだ。そこから、統合失調症など精神的な病に関する書物を読んで、何ヶ月も一緒に学んで、よりリアルな演技を出来る様に努力したんだ。撮影一週間前のリハーサルで「準備が出来た」と彼女は言ったんだ。

――作品の中で「スーパーパワー」の説明の為に「ペン」の例えば話をするシーンがありますが、そこに感動しました。

サイモン・キンバーグ:ありがとう、あのセリフは僕のアイデアなんだ。強い力は良い使い方も悪い使い方も出来てしまう、ミュータントの様なスーパーパワーを持っていなくても人間も同じ様な状況ってあるよね。力を得ることが大切なのではなく、どの様に使うのかが大切だという、想いで入れたセリフだよ。

――改めて「X-MEN」シリーズの魅力はどんな所にあると思いますか?

サイモン・キンバーグ:スタッフと俳優とは、実の家族と同様か、それ以上に多くの時間を過ごしていて、一緒に成長してきた。X-MENシリーズの成長は自分自身の成長でもあるんだ。今回のラストはほろ苦いものになっていて、愛する人たちとの別れを惜しんでいる様でもある。自分の旅として素晴らしい終わりになったと自負しているんだ。

――本当にそう思います。でもファンとして欲をいうと、これからもX-MENシリーズは違う形で続いて言って欲しいんです(笑)。

サイモン・キンバーグ:続けたい気持ちはもちろんあるよ。もし今後、X-MENシリーズがMCUに入って続けられることが出来たら、もっとコミックスに忠実なストーリーを作ってみたい。MCUの素晴らしいと思う部分は、コミックスに忠実な所とオリジナリティのバランスだと思っていて、あと宇宙ベースの話も上手に成功させているよね。なので叶うならばX-MENシリーズももっとスケールの大きな形で作ってみたいなと思っているよ。

――アメコミ原作作品がこれだけエンタメ界を賑わせている今、昔からのX-MENファンはもちろん、多くの新しいファンの方がこの映画を楽しむのでは無いかなと思います。

サイモン・キンバーグ:そうなってくれるといいな。子供の頃からSF作品が大好きで、「スター・ウォーズ」シリーズが大好きだった。そこから「バットマン」「スパイダーマン」などたくさんのコミックスを読んできて、「X-MEN」シリーズは特別に人間的で描写が素晴らしいと子供心に感じた。完璧で無い人々がたくさん出て来て、家族の問題を抱えていたりする。人間誰しもがそういった悩みを持っているから、ミュータント達に強く惹かれるのだと思う。ぜひ『X-MEN:ダーク・フェニックス』も楽しんでください。

――貴重なお話をありがとうございました!

『X-MEN:ダーク・フェニックス』大ヒット上映中!
http://www.foxmovies-jp.com/darkphoenix/ [リンク]

(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

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