乗車距離は、なんと山手線約67周分!雄大な北海道をローカル線でぐるり!
ご乗車ありがとうございます! 鉄道大好き芸人ダーリンハニー吉川です。前回の「びゅうたび」では函館へ行きましたが、今回はよりダイナミックに北海道の列車に乗って、鉄分高めの旅をしてきました。
時刻表で乗車距離をざっと計算したところ、合計で2,306km。わかりやすく例えますと、山手線約67周分の旅!(逆にわかりづらい?)
それではさっそく出発進行!
東京駅
北海道新幹線乗車中、最高の瞬間は?
6:32発の「はやぶさ1号」で出発!
朝5時半にオープンするJR東京駅の「駅弁屋 祭」で駅弁を買い、さっそく新幹線に乗り込みます。新函館北斗駅まで4時間20分ほど。
今回買った駅弁は仙台駅名物、加熱式の「極撰炭火焼き牛たん弁当」。前回の函館旅では北海道の駅弁を買う「先走り弁」でしたが、今回は「途中駅弁」にしてみました。仙台駅は停車しますが降りないので、駅弁で仙台を感じたかったんです。
朝からガツンと牛たん弁当!
ひもを引いたら「シュー」っと加熱が始まり、5分待てば出来上がり。やっぱり美味しい! 朝から元気が出ました!
東北新幹線&北海道新幹線の魅力は、たくさんあります。まずはなんといってもその速さ。最高時速320kmは全国の新幹線の中でも堂々のトップ。宇都宮駅を出たあたりからグングンとスピードが上がっていって爽快です。
盛岡では北海道方面に向かう「はやぶさ」と秋田方面に向かう「こまち」の切り離しシーンが見られます。日本一長い「青函トンネル」も素晴らしい乗車体験。ちなみに僕が一番好きな車窓風景は……青函トンネルを出た瞬間!
青函トンネルを出た瞬間
バーンと青い空が見えて、見えるのは北の大地。この「抜けた」瞬間が大好きなんです。中学生の時に初めて乗った寝台特急「北斗星」から見えた景色と同じ。その時に感じた「うわ! 北海道だ!」という感動は今でも変わりません。乗る時間はだいぶ短くなりましたが、それでも北海道の大地が見えた瞬間は涙モノです。
新函館北斗駅
スーパー北斗から眺める噴火湾
新函館北斗駅でスーパー北斗に乗り換えます
10:53に新函館北斗駅に着きました。続いて11:09発、本日2本目、特急「スーパー北斗」に乗車します。こちらは函館駅と札幌駅を結んでいます。入線と同時に思わず「よっ! 北海道!」と呼びたくなる特急です。
僕が乗った新函館北斗駅—長万部駅間は、車窓が目まぐるしく変わる区間。大沼公園駅周辺の大沼、小沼。そして雄大な北海道駒ヶ岳。やがて見えてくる海! 海! 海!!
森駅近くから、海をたっぷり楽しめます!
噴火湾(内浦湾)の景色。なんというご馳走でしょう。
この景色だけでもおなかがいっぱいですが、実際しっかりとおなかは減るもの。長万部駅に到着したのは12:20。ちょうどお昼時。ときたら……
長万部
長万部の「自由席」でいただくお昼は……
かにめし(写真提供:かにめし本舗かなや)
やはり「かにめし」でしょう!
長万部名物「かなやのかにめし」(税別1,093円)。僕が長万部駅に来ると必ず食べる駅弁です。駅から歩いて約2分のところに店舗がありますので、こちらで買うのがオススメ。なんといっても、こちらには「自由席」という名称が付けられた飲食スペースがあります。
こちらが自由席(飲食スペース)。列車の前面展望の映像が流れています。
中は列車の車内そっくり! これはファンにはうれしい! かにめしはできたてで温かく、炒ったカニがお弁当いっぱいにびっしり敷きつめられています。口に入れた途端、カニの旨味が出発進行!
食べ終わっても列車の前面展望映像を見続けてしまい、次の列車に乗り遅れそうになってしまいました(みなさま、お気をつけください)。かなやさん、ご馳走さまでした!
長万部駅
1日4本!ローカル区間「山線」を味わう!
本日3本目、函館本線の通称「山線」区間に乗ります!
函館本線は函館駅から札幌駅を経由して旭川駅を結んでいる路線ですが、中でも長万部駅—小樽駅間は通称「山線」と呼ばれ、列車ファンにとても愛されている区間です。
長万部駅から出る山線は6:00発、13:18発、16:39発、20:00発と1日4本! 本数が少ないので、ご注意ください。僕は13:18発の列車に乗り込みました。
これぞ山線! という景色が、ずっと続きます
朝から新幹線と特急、高速の列車に乗ってきたので、普通列車のゆっくりさに最初は慣れません。また山線は峠を4つ越えるので、余計にスピードもゆっくりです。まさしく「鈍行」。じわりじわりと山の中を走りますが、進むごとに体がリラックスしていくのがわかります。そしてなぜか「私はいま列車旅をしていまーす!」と叫びたくなります。
名称には「本線」とついていますが、この区間は山奥のローカル線。春・夏は緑がまぶしいですが、冬は真っ白。函館本線の山線は、同じ列車でも季節ごとの変化を楽しみたい僕にとって、大好きな路線です。
永遠に乗っていたい……
駅が宿になっていて、ホームでバーベキューができる比羅夫駅。
前面には、どかーんと羊蹄山!
ハイライトは「蝦夷富士」の愛称でも呼ばれる羊蹄山の景色。それはもうきれいできれいで見とれてしまいます。途中、倶知安駅での乗り換えを含め、小樽駅まで3時間8分、今回も極上の山線体験でした。
小樽駅
夜ご飯は……やっぱり小樽でお寿司!
列車は小樽駅に到着。
小樽といえば〜? (せーの!)
おすしー!!
小樽運河の近くにある「すし耕」さんで「紬(つむぎ)」というセットをいただきました。北海道のネタを中心に、10種のにぎり+プチいくら丼が付いて税別3,600円!
ビールや地元のお酒もいただいて、ご機嫌。朝東京を出て、列車にたくさん乗って夜に小樽でお寿司を食べられるんですから、北海道新幹線バンザイです!
この日は列車で約40分の札幌駅まで移動し、ゆっくり体を休めました。
明日も乗るぞー!
札幌駅
2日目は札幌観光→生ラムジンギスカン!
2日目は目いっぱい札幌を観光します。といいつつ、テーマは引き続き列車。路面電車と地下鉄に乗りまくりました。本当は「北海道鉄道技術館」にも行きたかったのですが、この日は残念ながらお休み……(開館日は毎月第2、第4土曜日のみです)
と、札幌をぐるぐるしていたら、あっという間に夕方になってしまいました。
それでは、あの駅に向かいましょう。
札幌駅から千歳線の「普通」に乗って41分、
着いた駅は、その名も「サッポロビール庭園」! もう最高の駅名ですよね!
ここにはサッポロビールの工場があり、予約をすれば工場見学もできます。その名の通り庭園もあり、散歩をしてもとても気持ちいいです。
レストラン「ヴァルハラ」に直行!ここで食べたのは……もちろん、ジンギスカン! しかも珍しい生ラム!
それでは、ここからは写真ではなく、映像でお楽しみください。
生ラムのジンギスカンでございます。
臭みも少なく、さっぱりしていて美味しかったです!
サッポロといえば、ビール&ジンギスカン。
いい旅!!
沼ノ端駅
室蘭本線の日本一長い直線区間!
おなかいっぱいになったら、サッポロビール庭園駅からふたたび千歳線に乗り、24分で沼ノ端駅に到着。ここからは通称「海線」とも呼ばれる室蘭本線。室蘭本線の沼ノ端駅〜白老駅は日本で一番長い直線区間。その距離なんと約28.7km! ひたすらまーっすぐな線路が続きます。
沼ノ端駅からは日本一長い直線区間に突入!
2日目は、この直線区間の途中駅「苫小牧駅」で一泊しました。
また明日もたっぷり列車に乗るぞ!
苫小牧駅
最後に寄り道、レトロでラブリーなあの駅へ
最終日の朝は、スーパー北斗で苫小牧駅から約25分の登別駅へ。
それでは、直線区間の動画をどうぞ!
まっすぐ!
横からでも、線路のまっすぐさがわかりますね。2日に渡って日本一長い直線を楽しむことができて、列車ファンとして幸せでした。
そのまま行くと長万部駅にまた戻りますが、室蘭方面へちょっと寄り道。登別駅で普通列車の室蘭行きに乗り換えます。
そのまま約30分乗って降りた駅は……
母恋駅!
ここは日本で4つしかない「恋」がつく駅。また母に恋と書くところが珍しく、母の日の記念きっぷが有名です。
今回ここに来た理由は2つあります。
1つ目は……
駅舎を見ること!
母恋駅は小さくてかわいらしくて、とても風情のある駅。行くたびに「おかえり〜」と言われている気がしてきます。開業は1935年と古く、歴史もあります。
待合室も、なんだか落ち着くんです
そして2つ目の目的は……「母恋めし」という駅弁……でしたが……
な、なんてこった
なんとお休み!
この日は木曜日。調べてみると、なんと木曜日だけお休みなんだそうです。やってしまった! 僕が出演している「鉄道ひとり旅」という番組ではよくある展開ですが、まさかびゅうたびでも!(調べない自分が悪い)
しかし、看板の裏に電話番号が書いてあり、さっそく電話してみると……この日は東室蘭駅のキヨスクで販売しているとのこと。木曜日以外は、母恋駅・室蘭駅などでも購入可能です。
無事に買うことができました!
「母恋めし」(税込1,188円)は、ほっき貝のだしで炊いたおにぎりと、味つきたまごの燻製&スモークチーズの相性が抜群! これを室蘭本線の海線区間で食べられるなんて、本当にうれしい! 左手に海! みなさまもぜひ「母恋めし&海線セット」お試しください(念のため、ご予約を忘れずに)。
再び「スーパー北斗」で長万部駅に戻ってきました。
一昨日、ここで「かにめし」を食べてから山線に乗ったなぁ。時間は今と同じ13時ごろ。たった48時間前のことですが、思い出が多すぎてずいぶん昔のことのように感じます。
再び見えてきた噴火湾。この旅の終点、新函館北斗駅も近づいてきました。
函館—札幌—函館を山線と海線を使ってぐるりと周ってきました。海の景色が行きとは違って見えます。もう旅が終わってしまうなんて淋しい。いや、だいぶ淋しい。
車内で「もう一周しちゃう?」と語りかけてくる自分がいました。
うーん、本気で迷う〜(笑)。
東京駅
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