失敗なし!リーフレタスの育て方|プロの栽培術
リーフレタス(キク科)の栽培・育て方をご紹介。種まきから、植えつけ、害虫対策、収穫までプロに教えてもらいました。リーフレタスのプランターでの育て方もあり。【家庭菜園の基本シリーズ】
加藤正明さん
練馬区の農業体験農園「百匁の里」園主。 NHK Eテレ「趣味の園芸 やさいの時間」では、栽培管理や講師を務める。著書に『達人が教える! 農家直伝 おいしい野菜づくり』(永岡書店)、『甘やかさない栽培法で野菜の力を引き出す 加藤流 絶品野菜づくり』(万来舎)がある。
リーフレタスを栽培する前に知っておくべきこと
レタスの仲間でボール状にならず、玉レタスより栽培期間が短く、育てやすいリーフレタス。
葉の色が濃いものや淡いもの、フリルが細かいものやふんわりしたものなど、さまざまな品種があります。
リーフレタスの苗も販売されていますが、自分で種から苗を作れば、珍しい品種を育てる楽しみが広がって◎。
また、玉レタスに比べると栄養価が高く、β-カロテンの含有量は約10倍の緑黄色野菜です。
まだ寒いうちに種をまくので、種まき後は透明なトンネル用保温シート(穴あき)などで保温することが栽培ポイント。
種まき後、約1ヵ月で植えつけ適期の苗ができます。
さらに、苗作りや植えつけの際に気をつけたいのが、栽培する場所。
レタスは、夜間に光が当たると、日が長くなったと勘違いしてとう立ち(花芽がついて花茎が伸びること。葉が硬く、おいしくなくなる)してしまいます。
夜間に外灯の光が当たる場所を避け、プランター栽培では、室内の光がもれないようカーテンをひくなど注意しましょう。
サニーレタスの収穫方法は二通り。株ごと切り取るか、必要な分だけ外側の葉をかき取って収穫してください。
外側の葉をかき取ると株の内側の葉が大きく育つので、長く収穫を楽しめるのが魅力。その場合、追肥の1ヵ月後にもう1回、同量を追肥して肥料切れを防ぐと、1ヵ月ほど収穫期間を延ばすことができますよ。
【リーフレタス栽培データ】
キク科 ●畝のサイズ(※長さは自由)畝幅:70㎝、畝の高さ:5~10㎝、株の間隔:30㎝、列の間隔:45㎝ ●適正 pH6.0~6.5 ●土のpH調整(植えつけの2~3週間前)苦土石灰:100~150g/㎡ ●元肥(1~2週間前) 牛ふん堆肥:3ℓ/㎡、化成肥料(N-P-K=8-8-8):100~150g/㎡ ●気をつけたい病害虫:軟腐病、菌核病、アブラムシなど
リーフレタスの栽培カレンダー
リーフレタスは、菜園の彩りに、いろいろな品種を少しずつ育ててみるのも楽しいですよ。
この記事で紹介するリーフレタスの栽培カレンダーは、中間地・一季なり品種の場合。
※寒冷地
タネまき:3月下旬~4月下旬
植えつけ:4月上旬~5月下旬
収穫:5月中旬~7月上旬
※暖地
タネまき:2月中旬~4月中旬
植えつけ:3月上旬~5月上旬
収穫:4月中旬~6月中旬
※寒冷地・・・北海道、東北、新潟県、富山県、石川県、高冷地。
※中間地・・・福井県、関東甲信、東海、近畿、中国、九州北部。
※暖地・・・四国、九州南部、沖縄県。
リーフレタスの育て方
種まきや間引きなど、シーンごとにリーフレタスの育て方を解説していきます。
【2月下旬~4月上旬】種まき
穴の大きさ2~3cmのセルトレイを用意。
セルトレイに元肥入りのタネまき用培養土を入れ、平らにならします。
サニーレタスは種が小さいので、土の粒が細かい種まき用培養土が発芽しやすく、おすすめ。
育てたい株数が少ない場合は、株数に合わせてハサミでトレイを切ってください。
種をまくときは風で飛ばない場所で作業して。指で深さ5㎜ほどのまき穴を作り、1穴につき2~3粒ずつタネをまきます。
サニーレタスのタネは発芽に光が必要なため、ごく薄く土をかけること。タネが流れないよう、水を張った場所にトレイを置き、下から吸水させましょう。
【Point】畝にポリマルチを張って泥はねによる病気を防ぐ
リーフレタスなどのレタス類は、泥のはね返りが原因となる病気にかかりやすい野菜。
ポリマルチ(ポリフィルムのシート。地温上昇、土の乾燥防止などの効果がある)には、雨などによる泥のはね返りを防ぐ効果もあり、病気の予防につながりますよ。
【3月中旬~5月中旬】植えつけ・害虫対策
30cm間隔でマルチに植え穴をあけ、各穴に指で植え穴を作ってリーフレタスの苗を植えます。
畝に沿って50〜60㎝間隔でトンネル用支柱を差し、トンネルの骨組みを作って。上から防虫ネットをかぶせ、すそに土をのせて固定します。
【3月中旬~4月中旬】間引き
穴あきの透明なトンネル用保温シートか、穴をあけた透明なポリ袋をかぶせ、保温して育てます。
リーフレタスの本葉1〜2枚のころに間引いたら、本葉が3〜4枚になるまで育ててください。
3月、暖かくなったら保温用の資材を外します。
【4月上旬~5月下旬】追肥
マルチの各穴に、化成肥料を10〜15粒ずつまきます。基本的に、リーフレタスの追肥はこの1回でOK。
ただし、かき取り収穫をして長く楽しむ場合には、約1ヵ月後に同量を同じ要領で追肥して新しい葉を育てます。
【4月下旬~6月下旬】収穫
リーフレタスの草丈が30~40cmになったら収穫。
株ごと収穫する場合は、株の付け根に包丁を入れて切り取ります。
かき取り収穫する場合は、外側の大きく育った葉から順次、手で付け根か
らちぎり取って。
防虫ネットは、収穫終了までかけておいてください。
【Column】リーフレタスのプランター栽培のポイントは?
幅65×奥行き20×深さ20㎝の標準サイズのプランターに、30㎝間隔で2株。
育てる株数が少ないので、3月に出回るリーフレタスの市販苗を入手してもよいでしょう。畑での栽培同様に、植えつけ直後にアーチ状の支柱を立てて防虫ネットをかけ、すそを麻ひもなどで留めて害虫対策をしてください。
夜間に光が当たらない場所を選ぶことも大切。難しいなら、夜間だけ、段ボールなどをかぶせて遮光しましょう。
【リーフレタスレシピ】リーフレタスと豆腐の中華風炒め
収穫したリーフレタスを美味しくいただくためのレシピをご紹介!
加熱するのでかさが減り、 たっぷり食べられるはずです。
【材料】(作りやすい分量)
リーフレタス・・・4〜5枚
豆腐・・・150g
ショウガ・・・1かけ(せん切り)
ゴマ油・・・大さじ1/2
塩・・・少々
【作り方】
リーフレタスは、手で大きめにちぎる。豆腐は縦半分に切ってから、1㎝厚さに切る。
フライパンを強めの中火にかけてゴマ油を入れてショウガを炒め、香りがたったら1を炒め合わせる。塩で調味して器に盛り、水気が出ないうちに早めに食べる。
リーフレタスの栽培方法・育て方はいかがでしたか?
栽培方法をマスターして、たくさんリーフレタスを収穫してくださいね!
写真・万来舎・丸山滋/八木竜馬
イラスト/服部あさ美
構成、文、料理写真、料理監修/北村文枝
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