稲作にドローンのシステムを導入!?山形大学の「近未来の稲作システム」
・農業界と経済界のコラボレーション
気象変動に伴う気象災害の発生が増加する中で、水稲の収量の安定的確保および品質の高位平準化を図るためには、きめ細かな診断と対応が重要とされている。また、ベテラン農家のリタイアや人材不足等といった問題を解決すべく経験や勘といったものに頼らずに開発を進める手だてについても関心の声が上がっている。
そんな中、山形大学農学部では、鶴岡グリーンファーム、コニカミノルタ株式会社、伊藤電子工業株式会社、ヤンマーヘリ&アグリ株式会社といった企業とともに農業界と経済界が連携し未来の豊かな農業を先進技術でサポートすることを目指して、コンソーシアム「ISSA山形」を設立し共同研究を実施。
その成果の一つとしてドローンに搭載したマルチカメラで空撮した画像を用いて稲の生育状況(葉色、茎数等)を評価した「圃場のばらつきマップ」を作成し、「ばらつき」に対応した可変施肥を無人ヘリ等により行うシステムの開発に成功した。
・世界にも認められる技術へ
この技術によって、農地の集約が進み大規模化している農家の作業の手間が省けるなど省力低コスト農業の実践、ベテラン農家のリタイアへの対応、気象災害の増加や環境保全型農業の推進のためのきめ細かな対応が可能になり、収量の安定的確保や食味向上につながると考えられている。将来的には、現在行っている水稲の葉色診断に加えて、様々なセンシング技術の応用により「すべての栽培プロセス診断」の実現と水稲以外の「すべての農作物」への適応していく予定とのこと。日本だけでなく海外の農業への貢献にも期待の声が上がっている。
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