宇宙に無人の製造工場? 米国のスタートアップ、2020年代半ば打ち上げの構想
それらは微小重力の状態を生かしての研究だが、そうした環境を “製造工場”として提供する、無人かつ自動化された設備を打ち上げる計画がこのほど発表された。
・バイオメディカルなど対象
発表したのは米国のスタートアップSpace Tango。「ST-42」という名称の設備を2020年代半ばに打ち上げる計画だ。
ST-42は無人のプラットフォームで、打ち上げ後は自動で軌道を周り、その後地球に帰還する。その間、微小重力の環境のもと、さまざまな産業で使われる物質が自動製造されるという仕組みで、バイオメディカル系のものなどが対象となる見込みだ。
・低コストで新材料開発
微小重力の環境では物質がよく混ざるなどの特徴があり、地球ではつくれない高品質の医薬品や新材料を開発できる可能性があるとのこと。そうした製造工程を国際宇宙ステーションで行うとなると、莫大な費用がかかってしまう。
それはひとえに、人を宇宙に送り、また帰還させるためにかなりの設備を必要とするからだ。そうではなく、無人で、しかも全て自動で行う施設にすればコストを下げられる、というのがSpace Tangoの意図だ。
早い話、国際宇宙ステーションの実験室みたいな設備を民間にリーズナブル価格で提供する、ということになる。
一般向けに宇宙旅行商品が売りに出されたり、火星への移住計画が進められていたりする昨今、宇宙に工場を持ってくるという構想もあながち夢物語ではなさそうだ。
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