Lenny Code Fiction、念願の初フルアルバム『Montage』を引っ提げた渋谷duoワンマンライヴ―OTOTOYミニ・レポート

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Lenny Code Fiction、念願の初フルアルバム『Montage』を引っ提げた渋谷duoワンマンライヴ―OTOTOYミニ・レポート

「Snatch」とか「Enter the Void」のようなスケール感のある楽曲を披露するとき、そこがキャパシティ1,000人ほどのライブハウスであることが、ちょっと不釣り合いにすら感じる瞬間があった。たとえば、普段はアリーナを埋めるようなバンドが「今回のツアーでは小さなハコでやりたい」とライブハウスに凱旋したときに似た感覚とでも言おうか。

大胆かつ繊細なバンドサウンド、洗練されたメンバーの立ち居振る舞い、技巧に富んだプレイ。そういうロックバンドとしての真っ直ぐなかっこよさが、まだメジャーデビューから2年ほどの、平均年齢25歳のLenny Code Fictionのライブには、すでに備わっていた。

それはレニーがリスペクトを寄せるロックヒーローの影響が大きいのだと思う。インタビューでは「ミッシェルとラルクを足したようなバンドになりたい」と語るが、そういうバンドから学んだ美学や憧れが、彼らのライブパフォーマンスには直結している。

アップテンポなロックナンバーあり、ポップな歌モノあり、バラードあり。様々な世界観を持つ楽曲が披露されるなかで、ライブハウスという場所でこそ楽曲のパワーを一層強くしていたのが、全曲の作詞作曲を手がけるボーカル片桐航が抱く泥臭い感情をダイレクトに伝える「Key-bring it on, my Destiny-」や「Colors」「Twice」のような曲だった。

ロックバンドとして、どんなにかっこよく、完璧に見えても、当然、彼らにも、この道を選んだことへの葛藤、まだ憧れていた現在地にいないという焦燥感もあれば、前に進むほど新しい壁に打ちのめされることもある。それでも、その道を「あなた」と一緒に進みたいと歌うときに、片桐の歌が目に見えて熱くなるところが、とても人間らしくてよかった。

MCでは「やっとフルアルバムを出せて本当にうれしい」「いままでのライブでいちばん楽しめてる!」。そんな初々しい言葉も連発していて、そんなところには、まだ彼らがピチピチのメジャー2年生であることを実感したりする。

正直、まだ渋谷duoを完全に埋めたとは言えないライブだった。だが、その悔しさも乗り越えて、これからレニーは日本中に認められるバンドになると信じている。Lenny Code Fictionは、そんな大きな夢を託したくなるロックバンドだ。(秦理恵)

『Lenny code fiction LIVE TOUR 2018-2019 “Montage” 』
2018年11月15日(木) 東京・duo MUSIC EXCHANGE

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