MITがRFIDタグを利用して食品の安全性を判別する技術!機械学習で混入物の有無を予測

「RFIQ」と呼ばれるこのシステムでは、RFIDタグから送信される無線信号をリーダーで読み取り、汚染物質混入の際の微小な変化を検出する。
今回の研究は、乳児用の粉ミルクとアルコールにフォーカスしたものだが、あらゆる製品用に拡張できるものだ。
・安価で汎用的な食品汚染検出システム

このように食の安全をおびやかす事件は後を絶たず、食品汚染を検出するシステムの普及が待ち望まれている。
食物汚染を検出するシステムは今もあるにはあるが、その多くは高度に特殊化されていて、一般的なスーパーで導入できるような代物ではない。
「RFIQ」なら倉庫や冷蔵庫に実装して、食品の汚染や腐敗を自動的に検出することもできるだろう。
・96%の精度で汚染された粉ミルクを判別

リーダーが信号を検出すると、データが別のコンピューターに送信されて、機械学習モデルにより含有物やその濃度が判別される。
モデルの訓練では、アルコールで25~100%のメタノールで汚染されたものを使用。乳児用ミルクでは、0~30%のメラニンで汚染されたものを使用した。
実験で「RFIQ」は、粉ミルクにメラニンが混入しているものを96%の精度で判別。メタノールで希釈したアルコールに関しても97%の精度で判別した。
・2つの周波数の信号を送信
「RFIQ」開発でネックとなったのは、RFIDタグが限られた帯域幅でのみ起動すること。950メガヘルツの帯域だけ利用するのでは、有用な変化が検出できない。
このため研究者は、リーダーから起動用と検出用の2つの周波数で信号を送信することに。まず950メガヘルツの信号を送信してRFIDタグに電力を供給。RFIDタグがアクティブになると、今度は400~800メガヘルツの周波数で信号を送信する。これにより、広い帯域幅での変化検出が可能となった。
現在研究者は、容器の形状など環境の違いによる影響の調査を含め、環境の違いを考慮したシステムの開発に組んでいる。今後は、検出対象の食品および汚染物質の範囲を広げていくことになりそうだ。
参照元:Putting food-safety detection in the hands of consumers/MIT News

ウェブサイト: https://techable.jp/
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