温泉から見るご来光&渓谷ハイキング&絶品パフェに癒やされる山梨旅
「身ひとつ」
鹿児島の仕事終わり、東京への飛行機内で、脳にぼや~と浮かんでいた言葉。
はじめまして、祝茉莉です。携帯の電波が入らない新潟の山奥で生まれた私の夢は、銭湯を経営すること。
その夢に向かって突っ走り、めまぐるしく輝くきらびやかな街を、ラメの靴で走り過ごす日々。
街を歩いて思う。山が……ない。見渡す限りの建物たち。
田舎も都会も両方好きだけど、やっぱり自然に会いたくなる時があるのです。
自然が足りない~! 山に会いたい~! 目いっぱい美味しい空気吸いたい~~~~~~!
そんな欲で脳があふれていた矢先、
「ハイキングして、温泉に入って、旬のぶどうのパフェを食べませんか?」というお誘いが。
私はラメの靴から歩き慣れたスニーカーに履き替え、パンパンのリュックを背負って山梨へと向かいました。
【行程】
西沢渓谷トレッキングは初心者でもOK!
西沢渓谷は一周約4時間のコース
「ほったらかし温泉」は早朝5時でも大にぎわい!
旅の締めは、旬のぶどうパフェ!
どんな場所で、どんな人と出会って、どんな景色に出会うのか、まだ見ぬ旅先のチケットは光。
8:30のJR新宿駅発「特急あずさ7号」に乗車。
1時間ほど走ると、どんどん景色は緑が多くなり、私の都会スイッチもOFFになっていきました。
西沢渓谷トレッキングは初心者でもOK!
列車に乗り、窓の外を眺め、心のままに写真を撮っていたら、あっという間にJR山梨市駅に到着!
1時間半列車に乗っただけで、こんなに楽しい時間を過ごせる旅はすごい! と興奮しながら足早に改札を出ると……
駅のお手洗いが、フルーツのステンドグラス! さくらんぼに、もも!
フルーツ王国山梨だぁ~! と思いながら西沢渓谷に向かうバス停を探していると、さらなるフルーツが。
ん! ぶどう! 旬のぶどうがお出迎え!
駅の周りにはこのようにぶどうがたくさんなって、うるうると実をつけていました。
山梨市駅から西沢渓谷線「西沢渓谷入口方面行」のバスに乗車。
約1時間バスに乗り、「西沢渓谷」到着!
この木彫りのお狐さんが、西沢渓谷のスタートの目印!
※トイレはここから1キロ先と、およそ2キロ先の中間地点のみなのでご注意を。
西沢渓谷は一周約4時間のコース
西沢渓谷には遊歩道が設けられ、気軽なトレッキングにはぴったり。道沿いには日本の滝百選にも選ばれた「名瀑・七ツ釜五段の滝」をはじめ、三重の滝、竜神の滝、恋糸の滝、貞泉の滝などさまざまな滝があり、滝と山と光の織り成す景色を楽しめます。
一歩一歩足を進めるたびに、緑……緑緑光緑……光。
取材日は10月の1週目だったので、紅葉にはまだ早く、青々と力強く、植物たちが光を浴びていました。
(紅葉は例年10月中旬~11月上旬)
これ~~~~。この感じ~~! と満たされながら、どんどん進みます。
山の間から向こうの山が見えたり、
滝に小さな虹がかかっていたり……
きのこも生えてた!
よくばぁ(祖母)が家の裏のキノコ採って、けんちん汁作ってくれたなぁ…。
「お姉ちゃん、登るの早いね!」
無心でどんどん進んでいると、ほかの登山者さんに声をかけられました。そうなんだ! と思ったけど、きっと新潟の山で、ばぁと毎年山菜採りをしたからかな? と思いました。
私は高校生、ばぁは77歳。腰の曲がった小さいばぁは山を登るのが私より早く、登りながら、「これは椿、これは桑の実。これはぜんまいの偽物だから採らんでいいよ~」などと説明してくれました。
背中の小さくなるばぁを見ながら、私はいそいそと山菜採りをしていました。
一人で自然の中にいると頭がシンプルになるのか、昔のことをよく思い出しました。
中間地点に着いて、「西沢渓谷入口」バス停前のお店で売っていた無添加よもぎ餅を食べました。その土地の美味しいものをその土地で食べられることは、なんという贅沢。ぺろりと平らげました。
結局、約4時間かかるはずのルートを3時間弱で歩き終え、西沢渓谷の美しく温かい自然のパワーを感じ、特別な時間になりました。
さて、次は宿に向かいます。
お世話になったのは「フルーツパーク富士屋ホテル」。西沢渓谷からホテルへは、いったん西沢渓谷から山梨市駅へバスで戻り、駅からタクシーで約7分で到着!
フルーツパーク富士屋ホテルは、甲府盆地を見下ろせるフルーツの丘に立つ、南欧風のリゾートホテル。
露天風呂から見えるのは、「新日本三大夜景」のひとつ、笛吹川フルーツ公園の夜景。ただただお湯に浸かって夜景、星空を見ました。大好きな時間。ごちそうさまでした。
山で冷えた体も温まり、明日に備え早めに就寝。1日目終了。おやすみなさい~!
「ほったらかし温泉」は早朝5時でも大にぎわい!
翌日は、待ちに待った「ほったらかし温泉」へ!!!
「ほったらかし温泉」とは富士を望む甲府盆地を見下ろせ、満天の星と日の出を拝みながらの入浴が好評の温泉施設。
浴場は元湯「こっちの湯」と「あっちの湯」の2カ所あり、日の出時刻から開場する浴場は、雄大な眺望が自慢の「あっちの湯」。
ほったらかし温泉は、以前私が働く銭湯に会いに来てくれた子に「絶対好きだと思うから行ってほしい!」と言われており、今回とても楽しみにしていました。
早起きなんてなんのその……朝湯の仕込みで慣れてるもん(朝湯仕込みの日は朝4時起き)。
開場時間は、日の出の1時間前のため、オープン時刻は季節によって変わります。10月は6時前後の日の出のため、オープンは5時。その時間を目がけてホテルを出発。
ちなみにほったらかし温泉さんはタオルが有料(販売のみでタオルが200円、バスタオルは1000円)。チェックインの時、翌朝ほったらかし温泉に行くことを話したら、ホテルの方が「タオルが有料になりますので、お泊まりの方にはお部屋のタオルか、浴場にあるタオルをお貸ししております」と言ってくださり、今回は富士屋ホテルさんからタオルをお借りしました。感謝!
ほったらかし温泉に向かう道は舗装された道路だけど、まだまだ真っ暗で怖かった~。ホテルからほったらかし温泉までは、徒歩約20分で到着!
それではいざ「あっちの湯」へ!
朝4時半、あっちの湯からの眺望。露天風呂は手前に木の枠のお風呂、奥に石造りのお風呂と2種類。内湯もあるので、肌寒くなったら内湯へ。
今回は特別に営業前に浴場を撮影させていただきました!
日の出の予定時刻は5時20分。5時過ぎに浴場へ向かうと、すでに約20名の方が、お湯に浸かって日の出を待っていました。私もそれに加わり、浴槽の木枠に寄りかかり、じいいい……っと日の出を待ちます。
あんなに空を見たのはいつ以来だろう。
太陽は予定より30分ほど遅く登場し、私を、街を全部を照らして、昇っていきます。
圧倒的なエネルギーに身を委ねることしかできず、朝焼けの光に包まれていく心地よさでふわふわしました。
まつげについたしずくに光が反射して、まばたきをするたびに新しい景色が見える。それが楽しくて、美しくて、何度もまばたきをしました。鳥の大群が飛びたち飛んでいくのを見たときは、数百年前も、そのずっと前も、この地を太陽は照らし続けているんだなぁと感動。
走馬灯のように今までの思い出や、景色、悲しかったこと、大切な人……たくさんのことが溢れ、思い出されました。
浴場を出ると、富士山がひょこっと顔を出していました。
朝と夜の混ざった空が、火照った体にちょうどいい。
壮大な自然に意識を持ってかれてしまう~~~いかんいかん! と、タクシーを呼んでいただき、ホテルに戻りました(約3分で宿に到着)。
タクシーを待っている間に空はすっかり朝の顔。
1泊したからこそ出会えた景色。
20分の夜道もこのためならまた歩けるだろうと思いました。
旅の締めは、旬のぶどうパフェ!
ほったらかし温泉からホテルへ戻り、休憩して、朝ごはんを食べて……
会いたかったよ~~~! ぶどうパフェ~~~~~!!
どん!
どどん!
う、つ、く、し~~~~! ピカピカのぶどうが山盛り!
こちらのぶどうパフェは、宿泊したホテルの中にある喫茶「カフェ ベラヴィスタ」さんでいただけます。
季節の果物などを使ったパフェなので、秋はぶどうで、ぶどうが終わると次の時季はマロンパフェに! ファンも多く、その季節ごとに食べに来る方もいらっしゃるみたいです。
ぶどうパフェは、生のぶどう、酸味が強めのさっぱりとしたぶどうジェラート、バニラアイスと甘めのぶどうソースなど、飽きることなく最初から最後までいろんなぶどうが楽しめ、見栄えも美しいのに食べ物としても最高で、作ってくれた方の思いが伝わるパフェでした。とっっっってもおいしかった~! ごちそうさまでした。
食べ終わるとすぐに帰りの時間は来てしまい、タクシーで山梨市駅へ(約7分)。特急かいじに乗り東京へ。
行く前と後だと、新宿の街も違って見えました。
旅を経て気がついたこと! 山梨で買ったシャインマスカットは1房500円だったこと、自然は強く怖いこと、桃の花はピンクなこと、ほうとうは食べるまでに15分煮込むこと、一人の夜道が怖くてもジャクソン5の「I want you back」を流して乗り切れること、「身ひとつ」で動けばどこまでも行けること、まだまだまだ知らないことがたくさんあること……。
しばらくは東京で、山梨でチャージした光とラメの靴で、また走り続けよう。
関連記事リンク(外部サイト)
編集部オススメ!関東&東北の日帰り温泉【駅から5分以内or駅直結】
【HIGH RAIL 1375】天空に最も近い列車&高峰温泉ランプの宿の星空を楽しむ夏旅
白浜大浜海岸、旧天城トンネル…初夏を満喫するなら伊豆へ行こう!
千畳敷の紅葉を見に行こう♪温泉、ビールも満喫する南信州の旅
伊豆でインスタ映えするなら…身も心も癒やされる女子旅へ!
旅するメディア「びゅうたび」は、ライターが現地を取材し、どんな旅をしたのかをモデルコースとともにお届け。個性たっぷりのライター陣が、独自の視点で書く新鮮な情報を、臨場感たっぷりにご紹介します。
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。