【遠藤賢司】壁にぶつかった時にこそ聞きたい 不滅の男=エンケンの言葉『現在ここで、ちゃんとやれ!そして、夢よ叫べ!』

「不滅の男」であり、「史上最長寿のロックンローラー」であり、「言音一致の純音楽家」であり、カレーライスと猫を愛したエンケンこと遠藤賢司さんの著書、『現在(イマ)ここで、ちゃんとやれ!そして、夢よ叫べ!』(リットーミュージック)が、11月16日に発売されます。

意外なことに 遠藤賢司名義での出版物は初

ちょうど1年前の10月25日に亡くなった音楽家・遠藤賢司さんですが、意外なことに、生前に単独の著書は一冊も出ていません。音楽スタッフでもある奥さんは、「読むのも大好きだった活字中毒者エンケンに、出版の企画は何度もあったのですが、時間がかかる人で……音楽に集中すると他が出来なくなり……必然的にそうなったのかもしれません。死後にやっとの初出版……徹底して自分の音楽だけを演って来たエンケンらしいと思いました」と、あとがきに記してくれました。

実際、1曲を作り上げるのにどれだけ膨大な歌詞のアイディアを書き溜めていたか。それは、何十冊にも及ぶ創作スケッチブックに隙間なく書き込まれた文字を見れば、一目瞭然。膨大に膨れあがった宇宙を、いかに簡潔にわかりやくまとめていくか、という作業を永遠くり返していたのです。

本書は、このような素晴らしい音楽家がいた、という記録ではあるものの、こんなことを考え伝えていた、ということをできるだけわかりやすく、遠藤賢司本人の言葉、発言や自筆文で編み上げたものです。

どんな道を選ぼうとも、まずは今いる場所でちゃんとやろう!

「いつだって初な気持ちで死ぬほど一生懸命やらなきゃ、他人の気持ちなんてものは、決して打ちはしないよ」、「あらゆる創造の本場は自身の魂にあり」、「努力は才能である」、「幾つになっても甘かあねェ!」、「すべての音楽は平等だ」、「ラブソングは創造性の根本」……など、極論とも言える逃げ場のない言葉は、音楽や芸術の道を志す人ならば思わずハッとしてしまうものばかり。大げさに言えば、人間が本来あるべき姿を、常々口にしていたように思います。

岡本太郎さんは、著書『自分の中に毒を持て』などで、「人生の岐路に立った時はあえて困難な道を選べ」と言われています。エンケンさんは「どこに行っても同じだと悟った時、新の芸術が生まれる。だから現在(イマ)ここで、ちゃんとやれ!」と言っています。

つまり、どんな道を選ぼうとも、まずは今いる場所で、ちゃんとやろう、と。

音楽だけは絶対に手を抜かず、息絶えるまで、ちゃんとやり続けたエンケンさんの言葉は、壁にぶつかった時に、きっと僕たちの背中を押してくれることでしょう。


予約受付中!! 『現在(イマ)ここで、ちゃんとやれ!そして、夢よ叫べ!』

(リットーミュージック)

著者:遠藤賢司
監修:湯浅学
定価:本体1,800円+税
発売:2018年11月16日

PROFILE
遠藤賢司(えんどう・けんじ)
1947年 1月13日、茨城県勝田市(現ひたちなか市)生まれ。大学時代にFENでボブ・ディランを聴き、知人に古賀政男ギターを借りて歌い始める。69年2月にシングル「ほんとだよ/猫が眠ってる」でデビュー。70年4月には、デビュー前のはっぴいえんどの面々が参加した1stアルバム『niyago』を発表。72年、三島由紀夫の割腹自殺の日のことを歌った「カレーライス」が大ヒット。その後も「東京ワッショイ」や「夢よ叫べ」といった名曲を生み、自身が掲げた「純音楽の道」を生涯に渡って歩み続けた。

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(執筆者: リットーミュージックと立東舎の中の人) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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