【プロ監修】サトイモの栽培・育て方|家庭菜園

【プロ監修】サトイモの栽培・育て方|家庭菜園

サトイモの育て方・栽培方法をプロに教えてもらいました。植えつけ、肥料、土寄せ、収穫などの栽培スケジュールもこの1記事で完璧!サトイモをこれから育ててみたい方だけでなく、家庭菜園上級者もぜひチェックしてみてくださいね。【家庭菜園の基本シリーズ】
加藤正明さん

練馬区の農業体験農園「百匁の里」園主。 NHK Eテレ「趣味の園芸 やさいの時間」では、栽培管理や講師を務める。著書に『甘やかさない栽培法で野菜の力を引き出す 加藤流 絶品野菜づくり』(万来舎)がある。

サトイモの栽培をする前に知っておくべきこと

タネイモを植えた後、タネイモの上に親イモができ、親イモの周りに子イモが、子イモの周りに孫イモがつくというユニークな育ち方をするサトイモ。

次々にイモができるその育ち方から、子孫繁栄を象徴する縁起のよい食べ物として、おせち料理の食材にもされてきました。

サトイモの品種によって、主に親イモを食べるもの(八ツ頭、京イモなど)、 子イモを食べるもの(土垂、石川 早生など)、両方を食べるもの(セレベスなど)があります。
どれも同じように育てられますが、土の量が限られるプランター栽培では、イモを太らせるのがやや難しいため、子イモを食べる品種のほうが失敗しにくいですよ。

サトイモは、高温多湿の環境でよく育つ一方で、寒さと乾燥には弱いです。気温が十分に上がってから栽培を始め、霜が降りる前には収穫を済ませましょう。

ポリマルチ(ポリフィルムのシート。地温上昇、乾燥防止などの効果がある)を張って地温を上げ、乾燥を防ぎながら育てるとイモがよく太ります。
また、食用となる親イモや子イモはタネイモより上にできるので、2〜3回に分けて株の周りに土を寄せ上げ、イモができるスペースを作って。イモが大きくなり、ふっくらと育ちます。
【サトイモ栽培データ】

サトイモ科 ●畝のサイズ(※長さは自由)畝幅:70cm以上、畝の高さ:5~10cm、株の間隔:40~50cm ●適正PH6.0~6.5 ●土のPH調整(植えつけの2~3週間前)苦土石灰:100~150g/m² ●元肥(当日。置き肥)牛ふん堆肥:2 00~300g/株、有機配合肥料(N-P-K=7-9-10程度):30g/1株 ●気をつけたい病害虫:モザイク病、アブラムシなど。

 

サトイモの栽培カレンダー

親イモを食べるか、子イモを食べるか。好みに合わせて品種を選んでくださいね。
この記事で紹介するサトイモの栽培カレンダーは、中間地の場合です。

※寒冷地
植えつけ:5月
収穫:9月下旬~10月下旬

※暖地
植えつけ:3月下旬~5月上旬
収穫:9月下旬~12月下旬

 

【4月〜5月中旬】タネイモの植えつけ&マルチ張り

サトイモの栽培スペースに幅・深さ15cmの溝を掘ります。芽が出たタネイモは寝かせて、出ていないタネイモは立てて40~50cm間隔で置くこと。タネイモの間を足で踏んで堆肥と肥料のまき穴を作り、タネイモに土をかぶせます。

足で踏んで作った穴の中に堆肥と肥料を入れ、両側から土を埋め戻します。タネイモから出た根は横に伸びるので、このように置き肥にすると、植えつけ後に肥料分を吸収しやすくなります。土を盛り上げて畝を立てましょう。

【Point1】マルチを張って地温アップ&保温

畝の上にポリマルチを張ります。マルチを張ると地温が上がり、成長が早くなりますよ。
サトイモは乾燥が続くとイモが太らないため、土の水分を保持するためにも張ったほうがいいのです。
雑草を防ぐ効果もある黒マルチがオススメ!

 

【Point2】芽が出たら、マルチを手で破る

芽が出たら、手でマルチを破いて芽を外に出させます。
日当たりがよい場所で育てている場合は、地温の上がり過ぎを防ぐため、6月中旬~7月上旬にマルチをすべてはがしてください。日陰の場合は、そのまま張っておくこと。

 

【7月〜8月初旬】サトイモの追肥は1回・土寄せは2〜3回

1平方メートル当たり70~80gの化成肥料を追肥し、土寄せして。マルチを張っている場合は、通路に追肥し、マルチの上に土をのせます。
土寄せはこの後も月に1回、2~3回行ってくださいね。

 

【9月中旬〜10月初旬】霜が降りる前に掘り下げて収穫

サトイモは寒さに弱いので、霜が降りる前に収穫してください。
サトイモの茎を株のつけ根で切り、マルチを張っている場合ははがしましょう。
イモを傷つけないよう、株から30cmほど離れたところにスコップを入れて掘り起こすこと。

 

【Column】サトイモのプランター栽培のポイントは?

イモが太るスペースを確保するため、直径70cm、深さ40cm以上の大きな丸形プランターがおすすめ。畑での土寄せの代わりに、土を足し入れる「増し土」でイモを太らせてください。
初めは深さ20cmまで土を入れ、10cmほどタネイモを埋め込みます。葉が2~3枚のころから月に1回、増し土をします。
厚さ5cmくらいずつ、4~5回に分けて土を足して。
同時に、化成肥料(N-P-K=8-8-8)10gを追肥してくだいね。

 

※寒冷地・・・北海道、東北、新潟県、富山県、石川県、高冷地。
※中間地・・・福井県、関東甲信、東海、近畿、中国、九州北部。
※暖地・・・四国、九州南部、沖縄県。

 

【サトイモレシピ】サトイモのクミンロースト

サトイモをたくさん収穫した際におすすめのレシピをご紹介します。
エスニック風味でお酒がすすむこと間違いなし!

【材料】(2人分)

サトイモ・・・2~3コ

クミンシード・・・小さじ1/2

オリーブ油・・・大さじ1

塩・・・少々

 

【作り方】

サトイモは、タワシなどで土を洗い落とし、少し置いて乾燥させてから包丁などで皮をむく(洗った後に乾燥させることで、ぬめらずに皮がむきやすくなる)。1~1.5cm厚さの輪切りにする。

フライパンにオリーブ油とクミンシードを入れて、弱火にかける。香りがたったら、サトイモを加えて強めの弱火にする。表面に焼き色がつくまで、返しながら両面をじっくりと焼く。

塩をまんべんなくふって皿に盛る。

サトイモの育て方・栽培はいかがでしたか?
サトイモをゴロゴロ掘り出す喜びは格別のはず! ぜひ栽培にチャレンジしてみてくださいね。

 

写真・渡辺七奈/万来舎・丸山滋/八木竜馬
イラスト・服部あさ美
構成、文、料理監修・北村文枝

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