スマホ用電動スタビライザー「Zhiyun Smooth 4」のレビュー

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中国メーカー Zhiyun(ジーウン)のスマートフォン用 3 軸電動スタビライザー「Smooth 4」のレビューをお送りします。
Zhiyun という社名を聞いたことないという方に簡単にご説明します。
同社は 2014 年に中国に設立されたジンバル(スタビライザー)のトップメーカーです。
業界初の 3 軸手持ちスタビライザーを始めとした数々の革新的な製品の発売を続け、全世界のジンバル市場において 7 割のシェアを得ています。
Zhiyun はまた、デジタル一眼カメラ、ミラーレスカメラ、スマートフォン、アクションカメラ用などのジンバル(スタビライザー)を開発し続けており、カメラ用のスタビライザー界では有名ブランドだと言えます。
今回は Zhiyun 社の日本正規代理店である VANLINKS 社からもらった Smooth 4 のサンプル品を使用してレビューしております。
Zhiyun の Smooth シリーズは同社のスマホ用電動スタビライザーとしてシリーズ化されており、ラインアップも継続的にアップデートされています。
今回の Smooth 4 は Smooth シリーズの最新モデルで、前作 Smooth Q の後継モデルになります。
価格は 17,000 円前後なので Osmo Mobile 2 と変わらない価格設定です。
先日公開した Smooth 4 のファーストインプレッション記事では Smooth 4 の外観や主な特徴を紹介しましたが、本レビュー記事ではサンプル動画を交えながら Smooth 4 の機能を紹介すると共に、Smooth Q や競合の Osmo Mobile 2 との違いにもしっかりと触れていきたいと考えています。
最初に総評を示しますと、Smooth 4 は Smooth Q や Osmo Mobile 2 よりもスマホ動画制作において別次元の高い能力を有しており、しかも使いやすくて実用的な製品だと感じました。
もちろん弱点や Osmo Mobile 2 に劣る部分もありますが、全体的に見て Smooth 4 の方が優れていると私は評価しています。
私が Smooth 4 に好意的な見方をしている理由は次の 2 つの理由が大きいですね。
1 つ目は普段から使いたいと思うほど操作が楽な点、もう 1 つは様々な改良や新機能が創作意欲を掻き立てるような可能性を秘めている点です。
弱点としてはアプリの安定性や互換性がイマイチなところです。
この点は Osmo Mobile 2 が確実に優れていると思います。
最初の操作が楽というのは前回の記事でも力説している通りなのですが、特にスマホホルダーやスタンバイモードの追加は大きく、これは私の電動スタビライザーに対する 「やっぱり面倒しい」 という見方を大きく変えてくれました。
また大体の操作をコントロールパネルで行えるのもやはり便利で Smooth 4 を使い慣れると操作性はまさにデジタルカメラと変わりません。
あと忘れては行けないのがズーム機能です。
ハンドホイールで制御するのでじわじわと寄ったり狙ったところで止めることが結構簡単にできます。
今お話した内容は次の動画で確認いただけると思います。
意外と知られていないのがモーターの強力化です。
これにより幅 85mm までのスマートフォンで使用できるようになり、PhoneGo といった腕振りへの追従性を高めるモードもあり素早い動きが求められるシーンの撮影でも十分に使用することができます。
簡単に言えば手持ち撮影を再現できるということです。
つまり従来のスマホ用電動スタビライザーでは出来なかったカメラワークが可能になっています。
可能になったカメラワークの例を次の飛行機離陸シーンでご紹介します。
この動画では、PhoneGo モードの高速パンやチルト操作を行い、ズームインで滑走路に寄って離陸時の光景を大きく捉え、離陸後はズームアウトして飛行機を広い画角で追っています。
この操作は腕振りとコントロールパネルの操作のみで行いました。
まさに自由自在という感じです。
ズーム時に使用するハンドホイールはモード変更によってフォーカス位置を手動で調節することもできます。
ズームと同じようにピントをじわじわと合わせることができ、めまいのようなボケのエフェクトを再現するのも簡単です。
ちなみに、Smooth 4 には「めまいモード」という自動撮影機能が備わっていて、次の動画のように画角とフォーカス位置を滑らかにずらしながら撮影することができます。
これを活用すれば映画やプロモビデオでたまに目にするクローズアップのシーン、回想に切り替わるシーン、現実から夢や妄想に切り替わる時のトランジション効果を作ることができます。
電動スタビライザーの主な役割というのは手ブレを抑えることです。
そういう基本的な部分でも Smooth 4 は満足出来るレベルの性能を発揮します。
また、タイムラプス / ハイパーラプス / モーションラプス、180 度パノラマ / 3×3 の空間パノラマ、HDR 写真撮影、スピードモード(歩き / 走り)、カメラパラメータのマニュアル調節(フォーカス、シャッタースピード、ISO、ホワイトバランス、EV)といった電動スタビライザーによく見られる機能も大体備わっています。
端末にもよりますが、動画は HD、FHD、4K から解像度を選択することができ、4K 動画で手ブレ補正を適用できるのはスマホ電動スタビライザーのメリットの一つです。
以下、Smooth 4 を 1 週間ほど使用してみて感じたことを挙げます。
・ 使いやすさ、機能、性能、アプリの安定性等、どこをとっても前作 Smooth Q より優れています。
・ 気になったのはアプリの互換性や安定性です。
Smooth Q 時代の ZY Play よりもフリーズやクラッシュは大幅に減ったものの、被写体の追尾時には高い確率でクラッシュしていたことから、完璧ではないなと感じました。
この点はやはり DJI Osmo Mobile 2 の方が上だと評価していますが、こういったアプリの不備や不良はアップデートで改善されると期待できるため重大な問題だとは思っていません。
それに ZY Play を使わなくても、スマホ標準搭載のカメラアプリでも基本的な手ブレ補正や PhoneGo モードは使用できますし。
・ 添付した動画をご覧になると気づく方もいるかもしれませんが、スタビライザーを使ったとしてもわずかに手ブレが発生しています(注意:ズーム時を除く)。
これは他のスタビライザーでも起こりうるものですが、Osmo Mobile 2 と比較した場合、ブレは若干多いかなと感じました。
・ Smooth 4 のズームはデジタル方式なので倍率を高く(具体的には 4 倍以上)するとブレが顕著化します。
これはデジタルズームであるがゆえの宿命とも言える現象で、Osmo Mobile 2 でも発生することです。
上記に挙げた弱点や問題点は、使い方に気をつける努力やアプリのアップデートで十分対処できる話なので、総合的に見れば Smooth 4 に大きな欠陥は無いと私は判断しており、自信をもっておすすめ出来る製品だと言えます。
Source : Amazon.co.jp

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