元 乃木坂46 市來玲奈さんはじめ、注目の存在 「元アイドル」と「女性アナウンサー」の親和性

元 乃木坂46 市來玲奈さんはじめ、注目の存在 「元アイドル」と「女性アナウンサー」の親和性

 

今年日本テレビの新人アナウンサーとして入社した元乃木坂46 市來玲奈さんが、人気番組『行列のできる法律相談所』のアシスタントMCに抜擢されたことが話題になっていますが(10月から出演)、ここ数年、元アイドルでアナウンサーになった人も目立ち始めています。

元アイドルたちがアナウンサーとして求められるのはどんな理由からなのでしょうか?

 

■フジ 平井理央さん、テレ東 紺野あさ美さんなどが“元祖”

アイドル出身のアナウンサーといえば、元モーニング娘。の紺野あさ美さんが2011年、テレビ東京にアナウンサーとして入社したときには大きなニュースとなりました。

国民的アイドルグループのメンバーだった紺野さんが放送局のアナウンサーとして就職するという、そのギャップが大きかったからでしたが、それ以前では、子ども向け番組『おはスタ』(テレビ東京系)の“おはガール”の一員だった平井理央さんが2005年にフジテレビのアナウンサーとして入社したケースもありました。平井さんはその後同局のエースとして活躍しました。

そして今春、元 乃木坂46の市來さんが日本テレビに入社しましたが、まだ公式発表される前から「日テレに内定か?」などと話題になっていました。

さらにフリーアナやレポーターに目を移すと、テレビ東京『ウィニング競馬』やAbema TVの各種番組などで活躍する元SKE48 さん、現在NHK大津放送局のキャスターとして活躍する元NMB48の村上文香さんらがいます。

■アイドル出身のアナウンサーが求められる理由

1980年代から、フジテレビを中心に女性アナウンサーがアイドル的に扱われることが始まり、90年代以降も各局でアイドル的な人気を誇る女性アナウンサーが次々と生まれました。その後2000年代に入ってからは、学生時代からタレントやモデルの経験があったり、ミスコン入賞経験のある人が女性アナウンサーとして採用されるケースが増えました。

テレビ局側としてはより多くの視聴者を取り込む施策の一環として、社員である女性アナウンサーであっても、やはり視聴者が見ていてファンになってしまうような、ルックス的にもキャラクター的にも魅力がある人を求める傾向があると思われ、いわばテレビ局自前のタレントを採用するような側面もあるのではないかと思えます。もちろん最低限のアナウンサーとしての資質は大前提となりますが。

そんな中、アイドル出身者は、モデル出身者、ミスコン出身者よりも直接ファンと触れ合う機会を数多く持ってきたことから濃いファンがついていますし、またアナウンサーとしての資質の面でも、ライブやイベントで中心になってMCを担当したり、人前で喋る場数を踏んでいることで、トークや場の回しに長けているアイドルもいます。

一方、アイドル活動をしている人にとっては、“グループ歌手”としての活動を最終地点と考えている人はほとんどおらず、一部歌唱力や音楽性に長けている人はソロ歌手になったり本格的なバンドを組んだりする人もいますが、やはり多いのは女優や、バラエティなどで活躍できるタレントを目指す人です。

近年では、紺野アナが活躍していたことや、その後フリーも含めてアナウンサーとして活躍する人が出てくるなか、アイドル出身者にとって“アナウンサー”というものが大きな選択肢の一つになってきました。“アイドル戦国時代”といわれるようになって久しくなり、“元アイドル”という肩書きの人がどんどん増えていく中、卒業後の選択肢として今後も考える人が増えるのではないでしょうか。

■将来アナウンサー、レポーターとしての活躍が楽しみな現役アイドルは?

局アナ採用は基本的に4年制大学卒業見込み者ということになりますが、フリーアナウンサーも範囲に入れると、現役アイドルの中でも資質や可能性のある人も見受けられます。筆者がインタビューなどで接したことがある人で、アナウンサーとしても活躍できるのでは、という人材を探してみると……。

まずハロー!プロジェクトの「カントリー・ガールズ」のメンバー・さん。公表はされていませんが都内名門大学に通学中のようで、ライブMCやラジオ番組でのトークの上手さに定評があります。インタビュー取材の場でも、そのトークにはクレバーさがあり、一方で好きなことを一生懸命語る際の弾けた感じとのギャップも面白く、キャラクターの魅力もあります。品が良いお嬢さま的な雰囲気、理知的な空気感などはハロプロの中でも際立っています。

「全日本国民的美少女コンテスト」出身者によるアイドルグループ「X21」では、現役大学生メンバーの末永真唯さんに注目。同グループのライブではMCを回す機会も多く、インタビューなどで話す時も理路整然と話がまとまっていますし、清潔感のあるルックスもアナウンサー向きといえるんじゃないでしょうか。

また「東京パフォーマンスドール」のメンバー・浜崎香帆さんは、現在『ZIP!』(日本テレビ系)の『BOOMERS』のコーナーでレポーターを務めており、番組の中ではグルメレポートやトレンドスポットの紹介などを行なっていますが、そのレポートは言葉がハキハキしていてわかりやすく、表情も豊か。浜崎さんはグループのライブでもMCで引っ張る機会が多く、またインタビュー取材の際にも、自ら話の口火を切りその場のトークの流れを作ることも多いです。今回の『ZIP!』を機に、音楽活動とともに、レポーターや番組MCなどの仕事に本格的に挑戦しても面白いかもしれません。

上記は、あくまでも筆者の独断で「向いているのではないか」と思う人で、インタビューなどの際、「アナウンサーを目指している」「レポーターになりたい」とは一言も聞いたことはありませんので悪しからず、です。

文/田中裕幸

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