若者の住まいの満足度は、賃貸と持ち家、広さ、ライフステージでどう変わる?
FRKの「50平米未満の住宅の居住満足度・住宅がライフスタイルに与える影響に関する調査」は、ライフスタイルの違いや住宅の面積が50平米未満か以上か、賃貸か持ち家かなど、対象をグループ化して多岐にわたって調べている。このなかで、若者に注目した結果を詳しく見ていきたい。8~9割の若者には結婚や出産願望があって、住宅の購入が結婚や出産と関係が深いという。また、それぞれのグループで「住まいの満足度」はどう変わるについても掘り下げていこう。【今週の住活トピック】
「50m2未満の住宅の居住満足度・住宅がライフスタイルに与える影響に関する調査」結果を公表/不動産流通経営協会(FRK)
今どきの若者は、結婚や育児願望があり、持ち家志向も強い
この調査でいう「若者」は、25歳~35歳のシングル、カップル、子育てファミリーと定義している。また、36歳~49歳を「中年」として、若者と数値の比較をしている。
若者のうち、すでに結婚したことがある割合は58.9%、今後結婚の意向がある(予定の有無含む)割合は31.1%で、合わせて90.0%が結婚をした・したいと考えている。また、出産・育児をしたことがあるのは38.1%、今後意向がある(予定の有無含む)割合は45.4%で、合わせて83.5%が出産・育児をした・したいと考えている。つまり、8~9割の若者は、結婚や育児を望んでいるという結果だ。
若者に「住まいの優先度」を聞いた調査項目を見ると、「子どもがいるなら賃貸よりも持ち家の方が良い」(48.6%)、「結婚しているなら賃貸よりも持ち家の方が良い」(38.6%)が上位に来るなど、結婚や出産・育児が住宅の購入に少なからず影響していることもうかがえる。住まいの優先度(出典/不動産流通経営協会「50平米未満の住宅の居住満足度・住宅がライフスタイルに与える影響に関する調査」より転載)
次に、「住まい・ライフイベントに対する意識」を聞いた調査項目を見ると、「毎月の支払いが『家賃と同じ』で『広さが同じ、または広くなる』なら持ち家のほうがよい」、「持ち家なら安心して老後が送れる」などが上位になった。一方「賃貸で良い」は下位であることから、賃貸派よりも持ち家派のほうが多いことがうかがえる。
また、半数近くが「家は一生に一度しか買わないと思う」と答える一方で、3割近くが「持ち家でも家族状況や経済状況によって買い替えていく」と答えるなど、買い替えについては考え方の違う若者がそれぞれいることも分かった。
このほか、「近居=どちらかの親の近くに住む」の意向が見られるなども注目したい点だ。住まい・ライフイベントに対する意識(出典/不動産流通経営協会「50平米未満の住宅の居住満足度・住宅がライフスタイルに与える影響に関する調査」より転載)
住まいの満足度は持ち家、カップルやファミリーがより高い
若者の「住まいに対する満足度(高いほど満足度が高い)」は、平均6.5点。これは中年と同じ平均点だった。全体傾向を見ると、賃貸(50平米未満6.0点/50平米以上6.4点)より持ち家(50平米未満6.9点/50平米以上7.3点)のほうが、シングル(6.1点)よりカップル(6.7点)や子ありファミリー(6.6点)のほうが満足度は高い結果となった。
さらに若者の満足度が高い項目を見ると、部屋の満足度で「日当たり」(6.7点)と「通風」(6.7点)、住んでいる地域の満足度で「スーパーやコンビニ等の生活利便性」(7.0点)、「通勤や通学などの交通利便性」(6.7点)、「閑静さや公園などの住環境・治安の良さ」(6.6点)で点数が高かった。
逆に満足度が低い項目は、部屋の満足度で「セキュリティや宅配ボックス等の付加設備」(5.5点)、「遮音性」(5.6点)、住んでいる地域の満足度で「おしゃれ・高級感といったイメージの良さ」(5.4点)で点数が低かった。 住まいに対する満足度【部屋の満足度】(住まい・ライフイベントに対する意識(出典/不動産流通経営協会「50平米未満の住宅の居住満足度・住宅がライフスタイルに与える影響に関する調査」より転載)住まいに対する満足度【地域の満足度】(住まい・ライフイベントに対する意識(出典/不動産流通経営協会「50平米未満の住宅の居住満足度・住宅がライフスタイルに与える影響に関する調査」より転載)
今回の調査結果を見ていくと、今どきの若者は家庭ができた場合(結婚より子どもが生まれた場合により強く)、引っ越しせずに同じ場所にある程度住み続け、利便性だけでなく住環境も重視したうえで、住宅を購入するという考えを持つ人が多いと感じた。
購入する場合は、「家賃と同じ支払いで今より広く、または同じなら購入する」という考え方なので、今の超低金利ならそれも可能だろう。ただし、金利は同じ水準が続くとは限らない。景気が回復したり、金利が上昇したりしたときに、若者はどんな住まい感を持つのだろうか。
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