[トマトがおいしくなる保存法]ある果物で未熟なトマトを追熟!
熟していないトマトが手に入ったときに、食べごろになるまで待つという方が多いのでは。実は、トマトを早くおいしくする方法があります。それは、トマトとりんごを一緒に保存すること。その秘密を、保存法と共に紹介します。
トマトをおいしくするのはエチレンの働き
なぜりんごが、未熟なトマトをおいしくするのでしょう。それはエチレンというホルモンがカギを握っています。エチレンは、すべての野菜や果物が出しているガス状の植物ホルモン。野菜や果物の熟成を進める働きがあります。エチレンの生成量は種類によって異なりますが、なかでもりんごは、エチレン生成量が多い(=エチレンガスをたくさん作り出す)ことで知られています。
未熟なトマトを早く食べごろにする方法
実は未熟なトマトにも、エチレン感受性が高い(=エチレンによって熟成が進みやすい)、という特性があります。エチレンをたくさん出すりんごと一緒に、未熟なものを保存用ビニール袋に入れておけば、食べごろになるのを早めることができます。
未熟なトマトとりんごを保存用ビニール袋に入れたら、上の写真のように袋がふんわりとなるように空気を入れて、しっかりと口を閉じておきましょう。
りんごと一緒に保存すると傷みやすくなる野菜!?
トマト以外にも、エチレンで熟成が進みやすい野菜があります。以下は一例ですが、こちらはトマトのように「熟す」タイプの野菜ではないため、これらをりんごと一緒に保存すると、早く傷み始めてしまう可能性があります。りんごがある場合は、別々に保存用ビニール袋に入れて、保存しましょう。
キャベツ
きゅうり
にんじん
ねぎ
ブロッコリー
ほうれん草
レタス など
じゃがいもの保存では発芽を抑える働きもある!
エチレンは、じゃがいもの発芽を抑える作用も併せ持っています。じゃがいもを長く保存したいときには、上の写真のようにりんごと一緒に保存しておくと、じゃがいもだけで保存したときよりも長持ちします。
最後に
りんごの他にも、山芋、メロン、完熟したトマトなどもエチレンを多く生成します。エチレンの働きを活用して、野菜をおいしくいただきましょう。
[トマト]おいしいトマトの見分け方と、保存のコツ
トマトには大きく分けて2種類あり、果皮が赤い品種の「赤系」、果皮が透明な品種の「ピンク系」に区別されます。現在は品種改良が進み、あまり区別はなくなっています。鮮やかな赤い色の正体は「リコピン」。抗酸化作用があることから、注目が高まっています。
最終更新:2018.08.29
文:アーク・コミュニケーションズ
写真(撮影):清水亮一(アーク・コミュニケーションズ)
写真(撮影協力):吉田めぐみ
監修:カゴメ
出典:
農研機構 野菜の最適貯蔵条件(エチレンの生成量・感受性)
農林水産省 エチレン(りんごに含まれるエチレンの効果)
青果物の流通・貯蔵における品質変化とエチレンとの関係(エチレンが野菜や果物の熟成を早める)
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