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【ライヴレポ】BiSH、12,000人を愛で包んだ横浜アリーナ

【ライヴレポ】BiSH、12,000人を愛で包んだ横浜アリーナ

「BiSをもう一度」と言って始まったBiSHが、BiS解散の地・横浜アリーナに立った。チケットは即完。結成から2年と半年経たずしてそれを成し遂げてしまうことがどれだけすごいことか。

開場前には新作の物販は売り切れ、菊名の駅では「コンサートのために来場者が多くなっています」とのアナウンスが流れていた。

ほぼ定刻通りに客電が消え、モニターに映像が映し出される。

メンバーは、選ばれし6人の戦士

孤高のドラゴン セントチヒロ・チッチ 
完全無欠のD型ロボット アユニ・D
鋼鉄メガネ ハシヤスメ・アツコ
酒灼けハスキーボイス アイナ・ジ・エンド
狼家族 リンリン
三代目物書き モモコグミカンパニー

との紹介があり、ステージの下からメンバーがせり上がって登場。大歓声の中「BiSH- 星が瞬く夜に-」からライヴが始まった。BiSHのほぼ全てのライヴで、時にはこの曲しかやらない日もある定番中の定番曲だからだろうか。気負いもなく、メンバーのアジテーションも普段通り、巨大な会場に全く負けることなく所謂素晴らしい立ち上がりだった。「BiSHが横アリに来たぞー!」そう叫んで、会場一体となり肩を組んでヘッドバンギングする姿は爽快だった。そのまま2曲目は「ヒーローワナビー」。リアル脱出ゲーム×アイアムアヒーローの主題歌として書かれ「ヒーローになりたくて歌ってた」と叫ぶこの曲は、 BiSHの名曲の一つであり、ライヴで最も盛り上がる曲の一つだ。3曲目は「PAiNT it BLACK」。金髪にしたリンリンが堂々と踊っていたのがとても印象的だった。

アユニが静かに「BiSHです。よろしくお願いします」と言って「3D彼女 リアルガール」エンディングテーマ「HiDE the BLUE」、そして「SCHOOLYARD」と新曲が続いた。叫び系のアジテーションの多いBiSHが、こんな曲紹介をすること自体、落ち着きと余裕を感じる。そして本の出版やWACK合宿の参加などで、この半年とても自信がついたのだろうモモコが、とても美しく見えた。

2017年7月に行われた幕張メッセ公演では、彼女たちは「もっとできた」と悔しさをにじませていた。そこから10ヶ月。表情、ダンス、歌…全てが段違いに良くなっていて、こうも変わるものかと驚く。この場所でやることはもう結成の時から決まっていたかのような、そんなライヴだ。

ハシヤスメが「みんなー社会のルール体操始めるよー!」と言って「社会のルール」が始まった。アイナとチッチが両サイドの花道に別れて煽り始め、それに呼応するように、清掃員が楽しそうに踊る。僕の前にいた女の子たちも、とにかく楽しそうに踊っていた。そして、BiSHにとって大事な曲の一つ「オーケストラ」。昨年のWACK合宿で、BiSにこの曲を奪われたときに大泣きしたチッチが、今日この場で、この曲を必死に歌う。その姿を見るだけで涙が止まらない。続いて最新曲「Life is beautiful」を披露。BiSHにとって初となるラブソング、アユニが曲の後半でステージから姿を消す演出には会場がどよめいていた。

ここでチッチが「来たぜー! 横アリ!」とアジテーションをかまし、会場の空気を一変させる。リンリンのデスボイスが炸裂する「GiANT KilLLERS」へ。BiSHのハードコアな部分を凝縮した名曲だ。普段なら巨大なモッシュピットができるこの曲だが、今日は席があるので自由に動くことができない。それを察してか、アユニが「端から端まで声出せますかー!」と煽ることで、皆モッシュができないフラストレーションを声に変えて叫ぶ。

「MONSTERS」では、チッチが「すべて呑みこんでいこうぜ!」、アイナが「横浜アリーナ、あげていこーぜ!」、ハシヤスメが「みんなかかって来いやー!」と煽る煽る。更には、清掃員がみんな大好きな「OTNK」で大歓声を上げ、ダンスを完コピして楽しそうに踊る。さらに勢いを止めずに「My landscape」へ。この曲はとにかくアイナとチッチの歌が素晴らしく、2人の歌唱力がずば抜けていることを証明している。そして前半戦ラストは「SMACK baby SMACK」。この怒涛の流れは、楽曲が良いのはもちろん、ライヴで叩き上げられてきたことによってとにかくどの曲もパフォーマンスの完成度が高い。

会場のボルテージが上がりきったところで、お待ちかねのハシヤスメの茶番劇の時間に。「冒頭の映像は全部嘘。私は鋼鉄メガネではなくセラミックのメガネだし、本当は「命の伝道師」なの。そして余命あと数秒のハシヤスメアツコなんだよ!」と言って死んでしまい…まさかの「生きててよかったというのなら」につなげるという、過去最高のすべり芸というか、横浜アリーナでも相変わらずの意味不明な芸だった。ただ、清掃員はこのすべり芸を本当に愛してやまないのだ。幕張メッセではラストに歌われたBiSHの強いメッセージでもある「生きててよかったというのなら」。彼女たちに勇気をもらって生きている人がここにはどれだけいるのか。それを考えるだけで彼女たちの影響力の大きさを感じることができる。

そしてモモコの歌詞がとても印象的な「JAM」。

一番なんて僕はいらないから君にあげよう
誰かの上 立たなくてもさ 輝けるはずだから

アイナのコーラスに合わせてモモコが歌い上げるからこそ、まっすぐに伝わり共感を呼ぶ。さらに彼女作詞の「ウォント」に繋がっていき、ぐっと彼女特有の歌詞の世界を聴かせてくれる。

後半戦はBiSHらしいメロディックソング「ファーストキッチンライフ」で一気にスパート。そしてこの曲でBiSHは始まったと言っても過言ではない、1st albumの1曲目「スパーク」。落ちサビを歌うアイナへ何本もピンスポットがあたり、最後に全員で熱唱する姿は圧巻だった。

そして代表曲「プロミスザスター」では、メンバー全員の気持ちがこの曲に乗り移ったかのように、とにかくエモーショナルに歌い上げる。間違いなくこの曲が彼女たちを押し上げたし、彼女たちもそれを理解しているからだろう、感情の波は最高潮に達し、会場の熱気も最高到達点に達した。

そして本編ラストは「DA DANCE!!」の12,000人のダンスと「beautiful さ」の12,000人のトゲトゲダンス! モモコは「みんな大好きだー!」と、チッチは「私は音楽に救われたから、今度は私たちの音楽がみんなの糧になりますように」と叫び、とにかく自由にはしゃぐ。何よりメンバーの笑顔が止まず楽しそうだ。そして「DA DANCE!!」で舞った銀テープにはこんな文字が。

TO the  END TO the START

アンコールで出てきたメンバーは、一人一人、こんなことを我々に伝えてくれた。

アユニ
「このステージに立てたことに感謝しています。そして今度はみなさんに恩返しします」

リンリン
「横アリは、私の好きな人がやった場所! その場所を、通過点として通れて光栄です。そして東京ドームも夢じゃなくなった」

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