CAが機内のトイレ掃除までやる格安航空会社
2012年3月、関西国際空港から離陸した和製LCCの第1号ピーチ(Peach Aviation)がメディアで取りあげられ、話題となった。夏にはピーチと同じくANA系のエアアジア・ジャパンとJAL系のジェットスター・ジャパンが運航をスタートする。アジア各国へ片道1万円を切る値段で行けてしまうこのLCCを使わない手はない。しかし、こんなに安くて安全面は大丈夫?と不安に思う人もいるだろう。
本書『みんなが知りたい LCCの疑問50』(秋本俊二/著、ソフトバンククリエイティブ/刊)は、LCCを、その歴史から格安のカラクリ、利用する際の注意点、未来への展望まで、さまざまな疑問に答えながらわかりやすく解説。航空写真家・チャーリィ古庄氏の写真も交えて紹介していく。
LCCはなぜ安いシートを提供できるのか。例えば、エアアジアは空港に到着後わずか20〜30分でふたたび出発する。この空港での滞在時間の短さが格安運賃を実現している秘密の1つだ。航空機は客を乗せて飛ばないことには利益を上げられない。地上に降りて翼を休めている間はお金を生みだすことができないのだ。それならば、なるべく空港滞在を時間を短くすることで稼働率を上げ、収入を増やそうというのがLCCの発想だ。
そのための取り組みとして、客室乗務員たちは1〜2時間のフライト中、有料サービスの飲み物や軽食を販売しながら、ポリ袋を持って乗客からゴミを回収する。トイレ掃除などもフライト中にすませてしまうことで、空港での滞在時間を短縮させることに成功した。
また、ノンフリルのサービスも格安運賃の秘密の1つだ。ノンフリルとは、コスト削減を進めるために「フリル(飾り)」のサービスをなくすこと。つまり無料のサービスは廃止し、必要なものは有料で提供するというLCC独特のスタイルだ。よくLCCを「バス感覚で利用できる交通手段」と例える人がいるが、路線バスで食事を提供するサービスはない。無料のサービスを廃止することで、材料費がかからず、機内サービスにあたるクルーたちの手間も要らなくなった。
スカイマークなど格安航空は今までもあったが、本格的に日本のLCCが飛行機を運航するようになり、今まで高いと思っていた航空券が格安で手に入るようになった。これにより、飛行機を使った国内・海外旅行に気軽に行ける時代が来た。格安なのに安全なのはなぜか?LCCのサービスはどうなっているのか?いまいち、よくわからないことも多いのがLCC。本書を読んで、安心して格安航空の旅に出てもらいたい。
(新刊JP編集部)
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