まさに混沌という言葉がベストマッチ! バンコクという街の多様なモビリティサービスまとめ
▲バンコクは世界有数の交通渋滞の街として知られています。それだけに、交通手段も様々なものが存在しています。その様相はまさに混沌という言葉が似合う状態です
割高な鉄道やエアコンなしのバス、ゆるいタクシーや立ち乗りのボートまで様々な交通手段が存在するバンコク
タイの国鉄は長距離がメインです。バンコク市内の鉄道というと、高架上を走っているBTS(バンコク・スカイトレイン)と地下鉄のMRT(地下鉄なのに全線高架という路線もあります)ということになります。
▲タイのスワンナプーム国際空港着陸時に撮ったもの。左側の直線的な路線はARL(エアポートレールリンク)という電車の線路。高速道路は比較的発展しています(2013年撮影)
お気づきでしょうか? ひとつは高架鉄道でひとつは地下鉄なのです。
つまり市内で普段の足となる鉄道は地面を走っていません。空中か地中を走っているのです。
BTSの開業は1999年、MRTは2004年です。これらの路線が開業したときにはすでに道路は飽和状態で、電車を通すには空中か地中しかなかったのです。
非常に便利なBTSやMRTですが、市民にとっては安い乗り物ではありません。初乗りは15バーツ(約52円)からですが、距離が伸びると40バーツ(約138円)を超えることもあります。
なにしろエアコンなしのバスなら7バーツ(約24円)か8バーツ(約28円)で距離に関係なく乗れるのです。南国のタイでエアコンなしのバス? と思う方もいるでしょうが、エアコンなしバスは街中でよく見かけますし、それなりにお客さんが乗っています。
もちろん、すべてのバスにエアコンがないわけではありません。エアコン付きのバスも走っていて、こちらは11バーツ(約38円)から24バーツ(約82円)の料金となっています。
▲エアコンなしのバス。すべての窓が開け放ってあり、風が取り込めるようにしています。乗客はもちろん、運転手もけっこう暑いはずです
▲エアコン付きのバス。日本の路線バスと比べると前後ともにオーバーハングが大きい印象。ウインドウフィルムは必須アイテムなのかもしれないですね
バスの次に公共交通の要となっているのがタクシーです。
タクシーはトヨタ カローラベースのものが一般的で、ミニバンのトヨタ イノーバ(東南アジア専用車種)なども存在します。
空港などに待機していたり、街中を流しているタクシーは、日本同様にタクシーらしいカラーリングで、屋根の上には社名表示灯(いわゆる行灯)を装着しています。
初乗り料金は35バーツ(約120円)で、1kmごとに2バーツ(約7円)課金となっています。
多くのタクシーはCNG(天然ガス)仕様となっています。CNGは気体のまま貯蔵するので日本のタクシーが使っているLPGより搭載量が少なく、走行距離も短くなるため長距離利用では乗車中に補給することも多くあります。
以前、私がバンコクからパタヤまで利用した際、運転手さんは途中で弁当も食べていました。
▲タクシーは基本的にはメーター料金ですが、乗る前に目的地を言うのが暗黙のルールです。目的地によっては料金は交渉となることもあれば、乗車拒否されることもあります
▲スタンドでCNGの補充をするタクシー。郊外や高速道路のスタンドには、よくコンビニエンスストアやコーヒーショップが併設されています(2013年撮影)
バンコク特有(といっても他の東南アジア諸国でも似たものが存在することはよくあります)のモビリティといえば、三輪タクシーのトゥクトゥクや、バイクの後ろに乗るバイクタクシー、ピックアップトラックベースのソンテウなどです。
トゥクトゥクは2サイクルエンジンを使うのが主流ですが、これが公害の元凶となるということで禁止方向に動いています。
バイクタクシーはその名のとおりで、バイクの後ろにまたがって目的地を目指します。ライダーは背番号入りのメッシュベストを着用しています。
ソンテウはバンコク市内ではまず見かけないのですが、郊外や地方都市に行くと数多く走っています。路線と料金が決まっているものがほとんどですがチャーターも可能です。
▲駅前や観光地などでは、トゥクトゥクが列をなして待機している光景をよく見かけます。最近は地図が貼ってあって、指さすだけで連れていってくれることもあります。料金は交渉制です
▲渋滞をものともせず、車と車の間を縫うように走って行くバイクタクシー。目的地が近ければ、早く到着するためには最も確実な手段ですが、安全性には疑問が残ります
▲2013年に地方都市で撮影したソンテウ。ベース車は様々なトラックが使われていています。トラックですので当然乗り心地はよくないのですが、短距離利用がほとんどなので我慢できます
日本も見習って積極的に採り入れるべきだと思うのが、ボートです。
バンコクの中心部にはチャオプラヤ川という大きな川が南北に貫いてます。この川をまるでバスのように停船所に寄りながら運行しています。
道は大渋滞ですが、川は渋滞していないため移動がスムーズで、市民はもちろん多くの観光客が利用しています。
着席のためのシートも用意されていますが、立ち乗りでぎっしり満員の乗船となります。
▲チャオプラヤ川は流れも穏やかで川幅も広いので、ボートにはぴったりの川です。写真のボートはおそらく定期便ではなく、チャーター便ですtext&photo/諸星陽一
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