イライラが爆発する前に!川崎流「自分の機嫌」の取り方~川崎貴子の「チーム家族」痛快コラム

イライラが爆発する前に!川崎流「自分の機嫌」の取り方~川崎貴子の「チーム家族」痛快コラム

仕事が終わってからも、家事に育児にと時間に追われ、気づくと寝落ちの日々…。家事も育児も積極的に行う男性も増えてきたとはいえ、「家庭のことは女性」という認識はまだ根深く、共働き妻の悩みは尽きません。そんな女性たちを応援するこの連載。女性のキャリア支援や結婚コンサルタントまで幅広く活躍中の川崎貴子さんから、家族を「チーム」としてとらえ、より効率的に日々を運営していくアドバイスをいただきます。

仕事に家事・育児、やることなすことうまくいかない日、ありますよね。自分の気分で周りにきつくあたってしまい、後で後悔したり…。

今回は「イライラが止まらない…自分の機嫌をどうにかしたい」という妻たちに向けて、自分の機嫌とうまく付き合う方法を教えていただきました。

私もかつて、機嫌が悪くなって家族を一瞬にして凍らせた記憶がございます。

その日は、寝不足のまま午前中に原稿を終わらせ、ランチミーティング後に取材や会議を時間通り切り上げ、バタバタと買い物に行って台所に滑り込みセーフ。

そして、栄養バランスや好みを考えて夕飯を作っているというのに、

「えー、今日和食やだなぁ」「○○苦手~」

などと娘たちに言われて、自分の中のどこかがプチっと切れ、何も言わず大きな音を立てて持っていた大根をまな板に置いてしまいました。

「無言の背中に、般若の入れ墨が浮かび上がるようだった…」

とは、同居している実母(料理苦手)談。

これは、私が大根おろし中の出来事であったことから「大根おろしの乱」として川崎家に伝承されていくことでしょう。

さて、落ち着いて家族団らんがしたかったのに、背中に般若を貼り付けていては本末転倒です。そして、後で後悔するんです。機嫌が悪かった自分に対して。仕事仲間でも家族でも、大切な人たちの前で不機嫌でいる事は、幸せな時間を自ら手放しているようなものです。

今回は、「更年期障害も手伝って、年々自身の機嫌コントロールが難しくなった私」が、働く母として日々実践している「自分の機嫌を取る方法」をご紹介したいと思います。

機嫌が悪くなる原因は複合体でやってくる

まずは、機嫌が悪くなる原因を探ってみましょう。

私の場合、仕事中に機嫌が悪くなることは殆どありません。自身の職業人としての決め事がただ習慣化したものでしょう。しかしその分、家庭に帰った時に「素」が、より出やすくなります。

では早速、さきほどの「大根おろしの乱」でイライラポイントを振り返ってみます。

私の間接的な不機嫌トリガーは「時間に追われていた事」と「大根おろし」でした。

18:00にはお腹がすく次女、18:30に帰宅する長女、22:30に帰宅する夫、と段取りを考えながら(9イライラ)、追われるように台所に立つと目の前に太い大根がごろりと転がっていました。実母が買ったもので、この大根を使う為にも今日は魚料理をメインにしたのです。

が、私は料理の中で一番、大根をおろすことが好きではありません。自分がメニューを決めておいてなんですが、「これから、この大根をおろすのかぁ」と思ったら疲れていたせいか、(6イライラ)ぐらいしました。

見渡すとリビングには、朝、娘たちに「片づけなさい」と言ったのに、片づけられていない物が散らばっています。(2イライラ

そこに、前述した娘たちの言動(3イライラ)がオンされて般若を背負ったということです。

このように、不機嫌はいつだってトリガーの「複合技」でやってくるのです。

自分が勝手に決めたルールを見直す

間接的な不機嫌トリガーの内容が分かり、自分自身が20イライラぐらいで不機嫌になるのだと自覚できれば、後は問題を解決するだけです。

一番のイライラ原因だった「時間に追われる事」に関して、夕飯は、私の仕事の忙しさに合わせて下記3パターンに定めました。

1.外食orデリバリーor買ってきたお惣菜(かなり忙しい日)

2.メインとご飯だけは作るが惣菜は買う(普通に仕事がある日)

3.全部作る(時間に余裕がある日)

で、実走してみると家族から不満の声も無く、落ち着いた家族団らんの時間が過ごせるのです。「一汁三菜にしなければ」「このメインにはこれを付け合わせなければ」という「ていねいな暮らし」の呪いに罹っていたのは私だけでした。

つまり、自分の決め事やこだわりで自分がテンパってしまい、結果、勝手に不機嫌になっていたのです。

そして、作るのは苦手だけれど食べるのは好きな「大根おろし」について。

ネットで調べたらあるわあるわ。業務用すりおろし器、電動おろし器、鬼おろし器、フードカッターやフードシュレッダー、フードブレンダーなどなど。

私は以前から「家電製品に投資して家事を軽減させよう」とあちこちで吹聴してきたというのに、大根おろし器は盲点中の盲点でした。我が家はずっと、超旧式の、労力のいるタイプのおろし器を使い続けてきたのです。

そして、このような盲点はどこのご家庭にもたくさんあると踏んでいます。

自分のストレスになる作業に関しては、文明の力でノンストレスな作業に変換できないかどうか、一度調べてみることをおすすめします。

普段、無自覚だったこれらの不機嫌トリガーを取り除くことで、不用意な子どもの発言などにはイライラしない、安定感のある「働く父母」になれるのだ、と「大根の乱」は私にそう教えてくれたのでした。

上機嫌の威力は、家庭だけにとどまらない

家庭内において、親の機嫌が良いというのは、素人目にも「子どもに」「夫婦関係に」、良い影響を与えそうだとわかりますが、上機嫌の威力は家庭内にとどまらず、仕事や恋愛(独身の方々には)でも、「ご機嫌で臨むと成功確率が上がる」そうです。

先日テレビで心理学者が言っていて私は膝を打ちまくりました。私は講演やプレゼン、カウンセリングなど一発勝負の仕事が多いのですが、まさに「ご機嫌」で臨んだときの打率が高いからです。

恋愛でもそうでした。

夫も、その前の彼も、その前の前の彼も、私が酔っている時、要はご機嫌マックスの時に出会っているのですが、

「すごく楽しそうで話しやすかった。昼間の川崎貴子だったら誘われてもこわくて絶対に行かなかった」と、付き合った後、全員口を揃えてそう言いやがったものです。それはそれで心外でしたが、我が身を振り返ると納得しかありません。

「ご機嫌スキル」はコスパ良し!

では、いざという時に「ご機嫌モード」になるにはどうしたらいいでしょうか?仕事中にアルコール摂取という訳にはいきませんから、自分なりのスイッチや方法を持っていると便利です。

私の友人(弁護士・女性)は、法廷の前に必ずある歌を聴いて臨むと言っていたのですが、この習慣も「ご機嫌力アップ」の為だったのではと今では思います。ジンクスではなく、自分自身の機嫌を上げる方法は数多あると思いますので、ご自身でいろいろ試してみてください。

また、機嫌が悪くなりそうな時は、大波になる前のさざ波レベルの内に、敢えて姿勢を伸ばし、大げさに口角を上げて笑い顔を作りましょう。我々の脳は、どうやら「笑う」から「楽しいのだ」と誤解するらしく、脳をだますことによって大波を避けることができます。逆に、さざ波をキャッチした途端に口をへの字にし、腕を組んで視線を斜め下に向けると面白いぐらい不機嫌になれるので、一人の時にぜひお試しあれ。

間接的な不機嫌トリガーをさらに深堀すると、大抵は自身の甘えが原因です。

「こんなに頑張っているのに分かってくれない」「私が怒っているのを察してほしい」という大人にあるまじき「甘え」なのです。それを親や上司がやってしまうから、不機嫌は続けば「支配」の色を帯びます。子どもや部下たちは「顔色を見ること」が習慣になり、不機嫌な人の一挙手一投足に敏感にならざるを得ないのです。

ストレスを完全になくすことは無理ですし、母として、仕事人として「常に上機嫌でいる事」はさらに無理です。

でも、無言や横顔で怒ったりすることなく、不機嫌になる手前で億劫がらずに自分の気持ちを言語化したり、途中で気持ちを切り替えたり、間接的な不機嫌トリガーに気づければ、自身の機嫌はコントロールすることができます。

「上機嫌効果」と「不機嫌デメリット」については、ここに書き足りないぐらいまだまだございますが、少なくとも「上機嫌でいる事」は、家族も仕事もプライベートもハッピーにできる「超コスパの良いスキル」なのです。

これから意識して「ご機嫌スキル」をアップしていこうではありませんか。

私も精進してゆきます!押忍!

川崎 貴子

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リントス(株)代表。「働く女性に成功と幸せを」を理念に、女性のキャリアに特化したコンサルティング事業を展開。

1972年生まれ、埼玉県出身。1997年、人材コンサルティング会社(株)ジョヤンテを設立。女性に特化した人材紹介業、教育事業、女性活用コンサルティング事業を手掛け、2017年3月に同社代表を退任。女性誌での執筆活動や講演多数。(株)ninoya取締役を兼任し、2016年11月、働く女性の結婚サイト「キャリ婚」を立ち上げる。婚活結社「魔女のサバト」主宰。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は1万人以上。「女性マネージメントのプロ」「黒魔女」の異名を取る。2人の娘を持つワーキングマザーでもある。

イラスト:かしえみ

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