「ウルトラマンは出ないけどサプライズを用意してるよ」 映画『レディ・プレイヤー1』の日米キーパーソン3人を直撃!

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4月20日(金)公開のスティーブン・スピルバーグ監督最新作『レディ・プレイヤー1』。2045年、荒廃した未来の世界と、すべてが実現可能なバーチャル世界の理想郷OASIS(オアシス)を舞台にした話題作だ。

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まだマスコミ向けの試写会も実施されていない2月上旬、プロデューサーのドナルド・デ・ライン氏、原作/脚本のアーネスト・クライン氏、日本人キャラクターのダイトウ役を務めた森崎ウィンさんを直撃。日本のアニメやゲームを含め、80年代ポップカルチャーへの愛がたっぷりと詰まったこの作品について話を聞いた。

映画『レディ・プレイヤー1』日本版予告(YouTube)
https://youtu.be/hdH_gfEgTbI

「ウルトラマンは出ないけど……」

――予告編を見ただけでも『機動戦士ガンダム』のRX-78-2、『ストリートファイターⅡ』のリュウや春麗、『AKIRA』に登場する金田のバイクなど、80年代ポップカルチャーのアイコンたちが数多く登場しています。スタジオの垣根を超えたチャレンジにかなりのご苦労があったのではないでしょうか。

ドナルド・デ・ライン氏(以下、ドナルド):まさに大きなチャレンジだったよ。ワーナーには優秀な法務部があるけど、かなりの人数と時間をかけて権利関係をクリアにしていく必要があった。でも、スティーブン・スピルバーグが監督を務める作品ということで、快く承諾してくれる権利保持者ばかりだった。アーネストが創った世界観が素晴らしかったのはもちろん、他の監督だったらここまで協力的になってくれたか分からないね。

アーネスト・クライン氏(以下、アーネスト):登場させたい作品やキャラクターをリストアップして、そのほとんどがクリアできたと思う。でも残念ながら、ウルトラマンは使用することができなかった。円谷プロは前向きだったけど、ご存知の通り、海外の権利関係については難しい問題を抱えているからね……。

――ウルトラマンというと、原作ではダイトウのシークエンスで大きな見せ場がありますよね。

森崎ウィンさん(以下、森崎):楽しみにしてたんですけど、残念です。まだ言えないですけど、代わりの見せ場を用意してくれたので、期待していてください。

アーネスト:ウルトラマンは出ないけどサプライズを用意してるよ。原作だとウルトラマンとメカゴジラが戦っていただろう? 映画では、××××と△△△△と〇〇〇〇の対戦がクライマックスのひとつになるんだ。

――全部教えてくれてありがたいですけど、記事では名前を伏せておきますね(笑)。

ドナルド:そうしてくれると助かるよ(笑)

「80年代は非常にユニークな時代」

――最近では日本でもNetflixで『デビルマン』の新作アニメが制作されたり、『マジンガーZ』の新作映画が公開されたり、80年代のポップカルチャーが注目を集め続けています。

アーネスト:80年代は非常にユニークな時代で、家庭用のビデオゲームやコンピューターなど、現在の私たちが使っているテクノロジーが芽生え始めた時期だと思う。映画作品においては、青春映画やアドベンチャー映画の黄金期と言われている時代だ。そういった作品がリバイバルされるのは、ノスタルジアが原因だと思う。ハリウッドには20年、30年経つとまたその時代がよみがえるというサイクルがある。私が子どもの頃に楽しんだ映画は、50年代を舞台にした作品が多かった。80年代に子ども時代を過ごした私たちが大人になって作り手側に回った時、今度は何がしたいのか。あの頃の焼き直しともいえる作品が多くなるのは仕方がないことなんだ(笑)。

――森崎さんは、80年代のアニメ、映画、音楽などに対して、どのような距離感だったのでしょうか。

森崎:僕は生まれがミャンマーなので、日本のアニメやハリウッド映画よりも音楽の方が身近にありました。おばあちゃんの影響で、マドンナ、ビリー・ジョエル、マイケル・ジャクソンなどを聴いて育ちました。正直なところ、原作に名前が登場するゲームやキャラクターにピンとこない部分も多かったのですが、この機会に深く触れてみようという気持ちにさせてくれる作品でした。映画が公開されたら、また80年代カルチャーのファンが増えると思います。

――オーディションの時はどんな様子でしたか?

森崎:最初はムービーオーディションだったので、自分で動画を撮影して応募しました。2次選考でロサンゼルスに呼ばれて、その時点ではどんな映画のどんな役のオーディションなのか知らされていませんでした。ある時、「これはスティーブンの映画だよ」って言われて。えっ、スティーブン? ……まさか、スティーブン・スピルバーグのこと? って(笑)。緊張しすぎてほとんど覚えてないですけど、実際に結果が知らされたのはオーディションから半年後でした。日本語が話せるだけでなく、英語の発音がキレイなのは褒められたと思います。

ドナルド:起用理由はそれだけじゃないよ! 彼は才能にあふれていて、エネルギッシュで、人格も素晴らしい。ダイトウを完璧に演じてくれたよ。

――実際に撮影現場に入ってからはいかがでしたか?

森崎:年齢が近いこともあって、主人公のウェイドを演じたタイ・シェリダンとは一番仲良くなりました。お互いにゲームが好きで、撮影の合間にずっとサッカーゲームで遊んでいました。あと、原作に登場するようなレトロなアーケードゲームが現場に置いてあるんですよ。若いキャストにもイメージできるように用意してくれたみたいです。

「好きなものを全て詰め込んだ」

――アーネストさんが小説を手がけられた時、どんな人たちに、どのように楽しんで欲しいと思って執筆したのでしょうか?

アーネスト:元々は自分自身のために書いた小説なんだ。自分が好きなものを全て詰め込んで、アクション満載のアドベンチャーSFを創作した。果たして自分以外の誰が楽しんでくれるだろうと思っていたけど、全世界で38の言語に翻訳されて、50か国以上で出版された。ベストセラーを獲得した地域もあって、ずっと驚きっぱなしだよ。

――では、映画化は全く考えてなかった?

アーネスト:まさかだったよ! しかも監督は、あのスティーブン・スピルバーグ。間違いなく今が人生の絶頂期で、ここから私の人生は下り坂だね(笑)。そもそも映画化なんて不可能だと思っていた。主にライセンスの面で。だからこそ、小説においては自由を感じて、何の制限を受けることもなく、書きたいものを書くことができたんだ。実を言うと、スティーブンが監督に就任する前は、もう少しスケールダウンした脚本だったんだ。でもスティーブンは「どうして無重力ダンスクラブのシーンがないんだ?」って。予算を気にせず、あれもこれもシーンを追加して欲しいと言ってくれた。もちろん映画的改変で削らざるを得ないシーンはあったけど、小説がもつ本質の部分はむしろ拡大して描かれていると思うよ。

――森崎さんにとって、スピルバーグ監督はどんな方でしたか?

森崎:スティーブンは会うといつもハグをしてくれて、偉大な監督なんですけど、僕にとっては“おじいちゃん”みたいな存在でした。最終日に「君を誇りに思うよ」と言ってくれて、すごく嬉しかったです。また一緒に仕事がしたいと伝えたら、「ハハハッ」って笑ってどっか行っちゃいました(笑)。また頑張らなくちゃですね。

映画『レディ・プレイヤー1』公式サイト:
http://wwws.warnerbros.co.jp/readyplayerone/

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よしだたつき

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PR会社出身のゆとり第一世代。 目標は「象を一撃で倒す文章の書き方」を習得することです。

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