北村一輝が『プリキュア』で声優に初挑戦! 実は嘘をつくのが苦手!?「自分では完璧だと思っていても、なぜかバレる(笑)」

access_time create
_itb8898

俳優の北村一輝さんが『プリキュア』シリーズ最近作『HuGっと!プリキュア』をメインとした『映画プリキュアスーパースターズ!』(3月17日より全国公開)で初めて声優に挑戦!

北村さんは、今回プリキュアたちにの前に立ちふさがる悪役、世界を灰色に変えてしまう怪物「ウソバーッカ」を演じます。

意外にも声優初挑戦だという北村さんに、アフレコの感想や、子育て、子供たちへの思いなど聞いてきました!

北村一輝「声優のオファーをずっと待っていた」

――まず、オファーが来たときのお気持ちと周囲の反響を教えてください。

北村:オファーが来た時はすごく嬉しかったです。40代後半になり、50代に向けて新しいことにチャレンジしていきたいと思っていた所でしたので、初挑戦となる声優の仕事で、声をかけて頂き、さらに、『プリキュア』という人気のある作品でオファーいただけたことは、願ってもないチャンスでした。すぐにOKの返事をしました。

以前からよく家に遊びに来ていた友達の子供が“プリキュアごっこ”をしていたのを見ていましたので、とても人気があるのだろうということは知っていました。公開するのがとても待ち遠しいですね。

――北村さんが声優初挑戦ということが意外でした!

北村:本当ですか? 随分、待っていたんですけど、まったく話が来なくて、海外の映画やドラマの吹替えでも何でもいつもオファーを待っていますが、至って来ず……。だから舞台だけでなく、映画やドラマでももうちょっと滑舌良く喋った方がオファーが来るかな?と考えたこともあります(笑)。でもこれをきっかけに、もしかしたら声優のオファーが来るかもしれませんね! 声優は本当に面白いです、興味がさらに出ました。

――どんなところが面白かったですか?

北村:表現することが好きでこの仕事をやっていますが、声だけで表現することは、例えばゲームをやっている時に縛りをつけるような、「声だけでね」と制限された感じ。声だけならどうするか?と今まで使わない脳を使い「声だけだったらもう少し強弱とメリハリと……」といろいろ考える。これはいろんな角度から見て自分の仕事のプラスにもなりますし、やっていて楽しいですよね。まだ未知の部分が多いですので、もしチャンスをいただけたら、もっと練習もしたいし勉強もしたいなと思います。

――初めて声優に挑戦するキャラクターが人間以外ということで、また特に制限が加わっていますよね。

北村:セリフも似たようなものや、「ギョエ~」とか「ウワ~」とかね。「ギョエ~」が少し違うと言われた時に、どう違うんだ?と思って(笑)。全部が新鮮で楽しくて、どんな役だとしてもやれることが面白いですし、何役が来てもやりたいですね。

大人にとっての1時間は子供にとっての10時間、20時間に感じるかもしれない

――今回の役どころを教えてください。

北村:「ウソバーッカ」という、ウソばっかりついて人をおとしめる、人を闇の世界に引きずり込もうとするキャラクターです。子供が対象になっている作品でもあるので、悪と言ってもどちらかというと、いたずら坊主のような、少し憎めないところがあってもいいかなと考えました。加えて、子供がこれを見終わって“プリキュアごっこ”をやったときに、「ウソバーッカ」の役をしたいと言う子が出てくるように、真似しやすいようになども考えて作りましたね。

――今回の役作りについては何かされましたか?

北村:今回、映画のテーマとなっているのが、約束を守るということ。ウソバーッカは本物の悪や心底腐っているというよりも、どこかで寂しさがあるのかなとか、その気持ちから悪に行ってしまったとか、そう見えるように出来たらいいかなと考えてやりました。

――孤独感ということでしょうか?

北村:元から孤独だと思いますが、さらにそれが歪んでしまったような、寂しさや孤独から悪になってしまう。実際の子供でも、親に放っておかれて孤独からそうなってしまう部分もある気がしますね。それと似ていて、こういったアニメが世の中を代弁しているところがあると思うんですよね。大人が目を離していた1時間が子供には10時間、20時間に感じるくらい寂しいことかもしれない。だから孤独から悪に変わってしまったかもしれないけれど、ただ、優しさは残っているんじゃないかと意識してやりました。

――「ウソバーッカ」という同じセリフが多くて逆に難しいんじゃないかと思いました。

北村:そうですね、同じセリフを何度か言うのは、お芝居でもけっこうみんな難しいって言いますよね。「(同意を求める)な? な? な?」と3回連続で同じセリフがあったら、それをリアルに言うのは実は一番難しくて……。本当に気持ちを作らないとやっていけないんです。でも、今回は気持ちを作るにもウソバーッカの気持ち?とそこから考えて(笑)。監督に指示していただいたおかげでなんとか自分なりにはやりましたが、出来上がりが想像できていないので、僕も楽しみというか、ドキドキしますよね。

――今回声優初挑戦にあたって、何かアドバイスをいただいた方はいらしゃいますか?

北村:前に共演した俳優さんで、声優をやられていた方に聞いてみようと思いましたが、携帯が壊れて機種変更したら電話番号が全部なかったんですよ! 上手くデータを移せていなくて、今電話番号が前の半分くらいしか登録できていません。その肝心な人の番号が入ってなくて。高木渉さんに「何かあったときに連絡しますね」と言ったのに、電話番号消えてるわ~と思って……。だから聞けなくて自力で頑張りました。

――タイミングの悪いアクシデントで残念でしたね……。

北村:これを書いてもらえると、たぶん高木さんから連絡が来るんじゃないかな(笑)。

――今回声優に初挑戦したことで、俳優業に活かせるなと思ったところや、影響があると感じたところは?

北村:毎回すべての仕事が影響があると思います。経験していくことは体感すること。滑舌やメリハリであったり、セリフのスピードの調整など、普段のお芝居は自分自身でやるわけですけど、今回は普段とは違う、決まった秒数の中でセリフを言う経験が、どこかで活きているとは思いますね。それを経験してまた昨日とは違う明日になっていく。その中では大きな一日でしたし、すごくプラスになると思います。

_itb9049

――ちなみに、北村さんはアニメを観られたりしますか?

北村:観ますね。

――好きな作品はなんですか?

北村:たくさんありすぎて! でもいろいろ作品をあげる中で、結局(ファースト)『ガンダム』になっちゃいます。本当に『ガンダム』にはハマりましたね。大人になってから着信音も全部ダウンロードしているくらい。その声だけで5人くらいの友達とドラマを作ったりして。ちょっと暗いでしょ(笑)? それくらい好きです。

僕が子供のころは、『トム・ソーヤーの冒険』、『キャシャーン』、『てんとう虫の歌』とか、いろいろヒーローものアニメがありましたよね。今、大人になって考えると、すごく大事なことを漫画が一番ストレートに心に届けてくれていたと感じますね。漫画はストレートな分、見ている人にも分かりやすく、心に響くのかなと思っています。だからストーリー性やメッセージ性、テーマがとても素直に伝わるものだなと思っているので、好きですね。

――ちなみにガンダムの好きなキャラやモビルスーツは?

北村:その話になると、難しいですよね(笑)。ランバ・ラルか、スレッガーも嫌いじゃないですね。あと、普通にドムが好きです。プラモデルで作る時は旧ザクかゲルググが多かったです。モビルスーツ的にはジオン系の方がカッコイイので好きですね。

映画やドラマでも子供が観ることを意識している

――北村さんは嘘をつかれたときは見破れるタイプですか?

北村:それは確実に見破れないです。あと、僕の嘘はすぐバレるらしいです。僕はお芝居の仕事をしているので、完璧にできると自分では思っていましたが、なぜかバレるんです(笑)。

――これまでついてしまった嘘を教えてください。

北村:小さい嘘はよくつきますね(笑)。うちのチーフマネージャーは女性ですが、怖いんですよね。だからあれ言ったら怒られるんだろうなと思ったことを知らないふりとかしちゃうわけですよ、「あ、わからないかな」みたいな。怒られるとわかっていることを言うのは勇気いりますよね。これは世の中の子供にも「言わなきゃいけないよ」と言いたいですけど、言えないんだよね!と思います。お母さんに隠しててバレる。でも隠してバレて怒られるのも人生だよね、と思います(笑)。うちの子がそうやって小さな嘘をついたときも「わかるわかる。それは言えないや、俺もいえないもん」と思います(笑)。

――そこは共感しちゃうんですね(笑)。

北村:人に迷惑がかかる嘘や悪意のある嘘はよくないなと思いますが、多少は、逃げてしまうときもある……。やっぱり男の子はみんな女性の子供ですからね。どこかでお母さん的なものが恐いんですよね。女性に強く言われると、「いや、わかんない、俺じゃない」って。これ言ったらまた俺怒られるんだよな(笑)。

_itb8953

――北村さんは成長されたお子さんもいらっしゃいますが、今回の子供向けアニメを、親的な目線で見られましたか?

北村:親的というか、僕は同じ目線でしかみていないですね。子供が小さいときから、「僕が言っていることが正しいと思わない方がいい」と言っています。大人が10人いれば十人十色で、1000人いれば1000人違うことを言う。それが世の中で、日本で「これが正しいよ」と言われていることも違う国に行けばまた全然違う、ということを常に言っていて。だから、僕がやっていることが正しいかどうかはわからないので、「思ったらまずやってみな。失敗したらフォローするから」と。それが僕ができることだといつも言っていました。

この間他の番組でも話しましたが、子供がファミレスで走った時は、僕は怒るのではなくて、僕が先に走って僕の方が速く走る。そうすると僕が怒られます。僕が怒られるのを見たら、二度と子供はしない。そうすると、「なんでダメなの?」と子供に聞くと、「他の人に迷惑がかかるから」とちゃんと考えるようになる。(子供が騒いで)恥ずかしいから怒るのではなくて、なぜ悪いのか、何がダメなのかを考えることに意味があって、自分で体験していきなってやってきました。

だから、親だからってポジションで子供を見ていなくて、同じ立場で一緒にどうしようか考えている感じで、あまり親目線で見ることはないですね。

まぁ気付かない内に大人にはなっていますので(笑)、ただひとつ思うのは、こういったフェミリー向け映画でも僕たちが普段やっている映画でも、もう少し次の世代の子供のことを大人は考えて生きていかなきゃいけないなと思っています。普段やっているドラマでも面白いキャラクターをやる時に、例えば僕が堤監督作品の『SPEC』や『トリック』などで、すごくわかりやすくキャラクターを作るのは、子供が見てもわかるように。いつも子供の目線は意識してやっています。

――『SPEC』などでも?

北村:そうですね。大人は自分たちだけの世界でOKではなく、次の世代の子たちを意識して物事を決めていったり作っていったりすることはすごく必要だなと思っています。

この作品を観て、大人も初心や子供の頃の大事な気持ちを思い出して欲しい

――子どもたち、大人たちにもウソバーッカというキャラクターを通して伝えたいことは?

北村:大人はみんな嘘ばーっかですから(笑)。

――そうですか(笑)?

北村:嘘をつくつもりはなくても嘘になってしまった。そういう事が起きるのが大人だと思いますよ。

子供のころに育った場所に行くと何か思い出すような、アニメや子供が見るようなものを見て、自分の初心や子供の頃を思い出すきっかけになるということは、実はすごくいいこと。今の自分がどんな位置にいるのか、昔の自分から見てどうなのか、何が失われているのか考えるような、そういうきっかけにもなると思いますね。懐かしいアニメやこの作品を見て、初心や子供の頃の大事な気持ちを思い出してくれたらいいなと思います。

_itb9000

――『プリキュア』の映画は毎回入場者にライトが配られて上映中応援することはご存知でしたか?

北村:あれはすごくいいと思いますよ。子供は純粋じゃないですか。本気で「頑張れー!!」と応援するあの気持ちが伝わるのは、作っている人たちにとってあれほど幸せなことはないと思います。スタッフの人がその映像を見せてくれたんですよ。見せてくれるスタッフもすごくいい笑顔でしたし、あの喜んでくれる子供の純粋な気持ちと笑顔は何よりも強いですよね。

――そうですよね、本当に自分が応援しなきゃプリキュアたちが悪に負けちゃうかもしれないと思っていますから。

北村:収録していて最後倒されるときも、子供にもやられたから、大きく「グワァ~!」とやられなきゃ!と思いました(笑)。リアルに「うっ……」とやったら何も面白くない。

――先程おっしゃっていたお友達のお子さんにも間接的に劇場で倒されてしまいますね(笑)。

北村:そうですね。家に遊びに来た時は“プリキュアごっこ”に付き合わされますので、確実に僕はウソバーッカをやらされると思います。本物です(笑)。

――最後に今作の見どころをお願いします!

北村:やっぱり見どころはプリキュアですよ。プリキュアたちの勇気と信じる気持ち。すぐに諦めないで、もう1度と信じる力と忍耐力というものが子供に届けばいいなと思います。大人になると、男女間でも口で簡単に「信じてる」とよく言ったりしますけど(笑)。相手の状況が良い時だけではなく、本当に何かあった時に信じているかが出る。そこから逃げない、真の信じる力の強さを持ってる彼女たちの気持ちの大事さが伝わると思います。

――ありがとうございました!

『映画プリキュアスーパースターズ!』は3月17日(土)全国ロードショー。

映画プリキュア公式サイト:
http://www.precure-superstars.com/

  1. HOME
  2. 映画
  3. 北村一輝が『プリキュア』で声優に初挑戦! 実は嘘をつくのが苦手!?「自分では完璧だと思っていても、なぜかバレる(笑)」
access_time create

non

アニメや可愛いものが大好き。主にOtajoで執筆中。

ウェブサイト: http://otajo.jp/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。