ドウェイン・ジョンソンが子供時代を語る「12歳くらいまでは女の子に間違えられるわ、ニキビは出来るわ大変だったよ」
学校の地下室で居残りをさせられていた高校生4人が、呪われたTVゲーム「ジュマンジ」を偶然にも発見。プレイするキャラクターを選択した途端、4人はなぜかゲームの中に吸い込まれてしまい、キャラクターの体=アバターとなってゲームの中の世界に入り込んでしまってさあ大変! ロック様ことドウェイン・ジョンソン主演の究極の体感型アトラクション・アドベンチャー『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』が、4月6日(金)より日本公開となります。
ガジェット通信は、主演のドウェイン・ジョンソンへの電話インタビューへの機会に恵まれたので、映画について、高校時代の思い出について色々聞いちゃいました!
――本作が「スター・ウォーズ」と渡り合う大ヒットを記録しています。完成作品を観て、どこが観客に受け入れられたと思いますか? また大ヒットについてどう感じていますか?
ドウェイン・ジョンソン:完成した本編を初めて観たとき、特別な作品が完成したと実感したよ! VFXがすごくクールで楽しいものに仕上がっていた。また1995年に世界中で公開されたオリジナル版『ジュマンジ』のスピリットを継承しながら、新たなひねりを加え、新世代に作品を届けられる事が出来た部分が非常良かったと思う。ご覧になった方は分かると思うけど、そのひねりは何といっても、大人の役者である我々がティーンエイジャーの役を演じているという部分だよね。ストーリーも楽しさだけではなくて、気分が高揚するような素敵なラストを迎える点も良かったと思う。
特に現代社会は暗い空気感があるからこそ、大きなスクリーンで楽しい気持ちになるということがまだまだ大切だと考えている。だから大ヒットの要因は様々なアイディアと、皆が求める楽しい作品になったという、コンビネーションじゃないかと感じているよ。こんな事が実現するなんてすごく運が良かったと思うし、「スター・ウォーズに対抗するなんて、クレイジー」だと周りに言われたりもしたけど、実際にはスター・ウォーズより良い成績を叩き出している国もあるんだよね。
――内面は気弱なゲームオタク、外見は勇敢で無敵なムキムキ冒険家。演じるにあたって、その二面性をどうやって演じましたか? また演じてみて苦労された点は?
ドウェイン・ジョンソン:二面性を持つキャラクターを演じられて最高だったよ! なかなか役者としても、これだけやりがいのある役どころは珍しいし、素晴らしいキャラクターを演じられたと思う。ナーバスで不安定な10代の少年役なんだけども、誰しもがこんな時期を過ごした事があると思うんだ。ただ実際に演じるまで気づかなかったんだけど、全てのシーンで二つの感情を表現しなければいけなかったんだ。いつも何かに怯えている10代の少年でありながらも、同時に非常に能力が高くて強いゲームキャラクターを演じる。やるべきところはしっかりと片付けるという気持ちも表現しないといけなくて、まるで使った事のない筋肉を使うような感覚だったよ。監督と共にその部分を表現する事が大きな挑戦だったと感じている。
あと実は私が演じる役名が「スモルダー」という名前なんだけど、実は私が名付けたんだ! 日本語だと「すごく情熱的に」という訳になるが、英語では「変わった熱い表情をする」という意味を持つんだ。ある時監督に「気に入らなければ、くだらないアイディアだと言ってくれていいんだけど…。ゲームキャラだから自分が意識していないうちに、ケーリー・グラントといった黄金期の映画スターたちが行ったキメ顔をついやってしまう。そんなアイディアはどうかな?」と提案すると、監督がすごくウケてくれたんだ。それがきっかけで役名が採用されたというストーリーがあったよ。
――登場人物の5人はそれぞれ悩みや欠点を抱えています。ドウェインさんご自身は思春期の頃を思い出したりしましたか? またどんな高校生でしたか?
ドウェイン・ジョンソン:10代の頃は身長も180cmで、体重も100キロぐらいの大柄な体格だったけれども、髪型はアフロで、ひげは半端な生え方をする上に、ニキビに苦しんでいたんだ。身長は高いけど体重は追いついてないから、ちょっとひょろっとしていたんだ。顔の造形が柔らかめだったので中性的に見えたのか、12歳の頃は女の子に間違われることが多かったんだ。自分自身も混乱するし、家庭の事情で引っ越しも多く、新しい学校に行くたびに「女の子?男の子?」と聞かれて、「男の子です!」ということは結構経験していたので、心因ダメージも多かったんだよね。そのあと非行に走っちゃったのは、こういう経験があるからかもしれないね(笑)。
――この映画はまさに、自分の外見が他人のものに変わることで、自分の長所や短所に気づいていくというコンプレックスを克服していくという物語でもありました。
ドウェイン・ジョンソン:自分自身が受取り、世界中の観客が受け取ってくれた一番のメッセージというのは「ありのままの自分でいいんだ、人と違ったって大丈夫なんだ」ということなんじゃないかと思っています。特に十代の思春期の頃は不安な気持ちが多くなったり、あるいは高校生の時なんて、イケてるグループがいて、その一員になりたいとか、自分もイケてる方がいいなとか、人に好きになってもらいたいとか、愛されたいとか、友達は多い方がいいよなとか、やっぱり何か発言するにしてもまっとうなことを、その場にハマるようなことをいいたいとかいう気持ちがどうしても強いんですが、この映画の冒頭はまさにみんな同じような不安を抱えていて、今の自分が自分のひとつのバージョンだとすれば、それに決して満足していない、「これじゃないんだよな」と皆思ってしまっていているんですが、映画が終わるころには、皆が「あるがままの自分でいいんじゃないか」という風に思えているというのが、僕はすごく素敵なメッセージだと思います。人と違っていても、何かを怖いと思っていても、不安を抱えていても、クラスで一番イケているのでなくとも、一番人気があるわけじゃくともいいんだと。それって実は大人にも当てはまるよね(笑)。
大人になっても皆同じようなことで葛藤するわけだし、「あるがままの自分でいいんだ」っていう風に思えるってこと自体、すごくパワフルな力強いことだと思います。僕自身も大人になってから同じような経験をしていて、キャリアを積んでハリウッドに転向したころ、特にそういう経験をしているから、『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』の物語は僕にとってとても特別なものだし、いろんな形で自分に通じるものがあるんだ。
――確かに大人になってからも「ありのままで自分でいいんだ」というのはなかなか思えなかったりしますよね。ドウェインさんも大人になってからも悩むことはありましたか?
ドウェイン・ジョンソン:元々プロレスラーとして幸運なことに人気を得ることが出来て、『スコーピオン・キング』あたりからハリウッドに進出しました。ちなみに最後のプロレスラーとしての試合の一つが東京で行って、ファンも沢山来てくれて、すごく盛り上がりも見せました。その6か月後くらいには、キャリアを移行して、映画にフルタイムでかかわるようになったんです。その最初のころというのは、レスラーとしての自分は封印すべきじゃないかとまわりの方にアドバイスされたりとか、ここから切り替えて俳優として活動するにあたってレスラー時代の話をしないほうがいいんじゃないかとか、ザ・ロックの愛称で親しまれているのだけれど、ドウェイン・ジョンソンという本名を名乗ったほうがいいんじゃないかとか…僕はその頃29歳か30歳くらいだったのに、十代の子供のように、「自分はいったい誰なんだ」「今の自分じゃ足りないのか」という同じ悩みを経験したんです。
だからこそ、この脚本と映画というのは凄く自分に響くものがありました。自分自身は周りの言っていることに最初はつい耳を傾けてしまったんだけれど、時間はかかったけど、最終的に「あるがままの自分でいいんじゃないか」と思えるようになったんです。レスラー時代の自分のことも誇らしいと思っていますし、レスラーとして世界中旅をできたことも素晴らしい経験になっていますし、ザ・ロックっていう名前も、”イケてる””超クール”と思いますし、そういう経験をしているからこそ特別なんですが、皆さんにもこのメッセージを(この映画から)感じてほしいんです。つまり、「あるがままの自分でいいんだ」ということで、あるがままの自分でいられることはすごく強いことで、それ自体が能力なんだっていう風に感じてもらえればと思います。
――あなたがこれまで一番夢中になったゲーム(テレビ、アナログ含め)とその思い出を教えてください(ジュマンジの世界に入り込んでしまったらどのキャラになりたいか?)
ドウェイン・ジョンソン:元々、テレビゲームはよくやっている方だし、ボードゲームも結構好きな方ですが、好きなゲームと言えば何といっても「モータル・コンバット」かな。アクション・ゲームが好きなんだ。すごくクールだと思う。絶対なりたくない、一生、死んでもやりたくないキャラクターは判っているよ。強さを全く持っていなくって、弱さばっかりのケヴィン・ハートが演じた役だけは死んでもなりたくない(笑)。
――演技の面で新境地に挑んだとも言える本作、今後は俳優として、あるいは個人としてどんなチャレンジをしたいと思っているのでしょうか?
ドウェイン・ジョンソン:今後も、今やっていることを続けていきたいと思います。グローバルな魅力を持つ作品を作っていきたいと思います。グローバルな魅力という言葉の意味するところは、夏のブロックバスター作品やポップコーン・ムービーを作ることではありません。そうなれば幸運なことだし、ファンの方もフランチャイズは喜ぶものだから嬉しいのですが、それを狙っているわけではありません。それよりも先ほど言いましたハートのある映画、心臓の鼓動が聞こえてくるような、生きて呼吸をしているような、観客が見ていて気もちの良くなるような良質の物語を作っていきたいと思います。プロデューサーとしても様々な作品を作っていくことで成長していきたいと思いますし、監督や様々な俳優さんの仕事のチャンスも作っていきたいと思います。作品を手がける際には、グローバルな感覚を持って作っていきたいと思っています。『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』もそうなのですが、いろんな文化の方に響く、自分と繋がることのできるようなものを目指しています。いろんな文化の方が、一つの映画を通してつながることのできる、そんな作品を世に送り出していきたいと思うし、これからも何度も何度もケヴィン・ハートを映画の中で殺していきたいと思います(笑)。
――今日はどうもありがとうございました!
『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』僕たち入れ替わってるぅぅぅ~!?本編動画
https://www.youtube.com/watch?v=CY7XQTCE6XI
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。