短距離の移動に「新幹線」はアリ?東京~新横浜間で検証してみた
毎日の通勤や仕事の移動で鉄道を利用する場合、多くの方はJRの在来線や私鉄・地下鉄を利用されると思います。一方で、新幹線は「遠方への出張時に利用する」方が多いのではないでしょうか。でも短距離移動でも、実は新幹線が使えるんです。
都心からだと意外と行きにくい? 新横浜エリア
皆さんは新幹線をどんな時に利用されますか?
「都市部への出張時に」
「実家への帰省や旅行に」
といったケースが多いのではないでしょうか。
バブル期以降「新幹線通勤」が広く浸透し、新幹線通勤用のお得な定期券なども発売されています。しかしそうはいっても、短距離である「東京~新横浜」でも1カ月の定期代は約4万8千円弱。
それだけの通勤費を支給してくれる企業も限られていますし、まして仕事での短距離移動の選択肢として新幹線が候補に上ることはあまりないかもしれません。
では実際に、新幹線が一般のビジネスパーソンにとって短距離の移動にも有力な選択肢になるのかどうか、「東京~新横浜間」を例にして検証していきたいと思います。
まず、東京駅至近のオフィスから「新横浜駅」至近の取引先に向かうケースを想定した場合、新幹線以外に一本の電車だけで到着できる路線はありません。
JR在来線利用の場合なら京浜東北線で「東神奈川駅」乗り換え~横浜線で「新横浜駅」、または東海道線や横須賀線で「横浜駅」乗り換え~京浜東北・根岸線に乗り入れている横浜線、または横浜市営地下鉄で「新横浜駅」といった形で、必ず乗り換えが発生します。
私鉄や地下鉄を利用する場合も同じ。新横浜駅に乗り入れる「横浜線」「横浜市営地下鉄ブル―ライン」がそもそも都心に伸びていない上、他の鉄道と相互乗り入れしていないため、必然的に乗り換えが発生します。
※現在工事中の相鉄・東急直通線が開通し、新横浜駅が開業すれば(2022年度開通予定)、渋谷・目黒など都心方面と直結します
料金は倍以上、移動時間は半分以下!さらに抜群の快適性!
「新幹線以外の鉄道で向う場合、意外と行きにくい場所」というのは「新幹線単独駅」など含め他にもありますが、新横浜駅ほどオフィスビルが林立するビジネスエリアは、意外と多くないかもしれません。
そこで気になる「料金」と「移動時間」を新幹線とそれ以外の一般路線で比較してみましょう。
【東京駅~新横浜駅間】
■新幹線 料金:1,360円(※自由席利用) 移動時間:18分
■一般路線
└ JR(東神奈川駅経由)
料金:550円 移動時間:37分
└ 私鉄(東京メトロ丸の内線~銀座線~渋谷駅~東急東横線~菊名駅経由)
料金:575円 移動時間:38分
【品川駅~新横浜駅】
■新幹線 料金:1,270円(※自由席利用) 移動時間:11分
■一般路線
└ JR(東神奈川駅経由)
料金:464円 移動時間:33分
└ 私鉄(京急線~横浜駅~横浜市営地下鉄ブルーライン経由)
料金:535円 移動時間:28分
※注※一般路線の移動時間は乗り換え時間を含んでいません
――いかがでしょうか。確かに新幹線は一般路線と比べて2倍以上の料金がかかります。しかし、移動時間は約半分、しかも乗り換え時間や手間がかからず快適に移動できる移動手段であることがわかります。
電車の本数も速達型の「のぞみ」含め全列車が新横浜駅に停車しますので、日中は毎時9~11本という高頻度で運行されており、時刻表を見なくても気軽に乗ることができます。
料金だけでなく、移動時間や快適性など“総合的に”判断すれば、決して短距離を新幹線で移動することは、一般のビジネスパーソンにとっても有力な選択肢。ぜひこの機会に遠方出張や旅行ではない、短距離移動の選択肢の一つとして「新幹線」をチェックしてみてください。
WRITING:山田モーキン イラスト:海月あいる
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