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ネット騒然の"すごいバンド"LOOP H☆Rが〈フェスボルタ〉に降臨!熱狂のステージで"エアギタリスト"里咲りさとコラボも――ライヴ・レポート

ネット騒然の"すごいバンド"LOOP H☆Rが〈フェスボルタ〉に降臨!熱狂のステージで"エアギタリスト"里咲りさとコラボも――ライヴ・レポート

LOOP H☆Rという「すごいバンド」がいる。

めったに東京でライヴを行わない彼らが、このたび渋谷で開催されたイベントに出演した。さまざまな憶測を呼んだ彼らの実態。そこにあったのは音楽への情熱、そして夢を追うすべての人への熱き魂のメッセージだった――。

■ネット騒然のバンド

taka、yuka夫妻による長野県在住の2ピース・バンド「LOOP H☆R」。2014年、いまや伝説となった初ライヴで披露された「孤独の鴉(孤独の鳥居)」の動画が瞬く間に拡散され、大きな話題に。

常人には理解し難い超絶なギターに、音程という概念を超えた独特すぎるメロディ、歌。きゃりーぱみゅぱみゅやOKAMOTO’SのメンバーもTwiterで彼らを紹介するなど、ネット上は騒然となった。

そして初ライヴから3年。3ヶ月のホームレス生活を経て結婚した2人が、2017年に再始動した。公式サイトには、こう書かれている。

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15歳で既存音楽に飽きた「taka」の独学ギターに、人前で歌うことが苦手な「yuka」のボーカルが共鳴する。

所持するギターは29本。バンド結成の理由は「両親への反発」。

全ての人が幸せを掴めるような、自由で平和な世界を願っている。
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そう、既存の枠組みに収まることを最初からまったく考えていない彼らは、もはや「すごいバンド」としか表現しようがないのだ。実際、公式Twiterアカウントのプロフィールには、シンプルにこう書かれている。「すごいバンド」ことLOOP H☆Rの公式アカウントです、と。

長野在住のため、東京でライヴを行うことは稀。そのため実際に目撃したものは極わずか。いつしか彼らは、都市伝説のような存在となっていた。

そんなLOOP H☆Rが1月21日、東京・渋谷でライヴを行ったのだ。

■彼らが届けた”メッセージ”

出演したのは、個性的なアーティストが数多く集うことで知られるサーキット・フェス〈フェスボルタ〉。17時すぎ、メイン会場である渋谷LUSHに彼らが姿を見せると、セッテング中にも関わらず、多くの人が前へ前へと押し寄せた。

ステージ上には、これまで動画で何度も見たきた2人の姿。takaの足元には、数え切れないほどのエフェクターがずらりと並んでいた。さすが29本のギターの持ち主。ここに並んでいるものも、彼のコレクションのほんの一部なのだろう。

定刻を少しすぎた頃、合図を送り、いよいよ彼らのステージがはじまる。takaが「みなさんこんばんは!元気ですか?テンション上げていこうぜ!」と眩しい笑顔であいさつ。大きく歪んだギターに蠢くようなコーラス、そこにyukaの存在感抜群のヴォーカルが重なり、最初からエンジン全開の演奏がスタートした。

すでに場内は大興奮の様子だったが、takaは一切手を緩めない。「後ろの方!もっと元気出せるかー!?OK!そのテンションで思いっきり付いてきてください!」と氷室京介ばりの煽りをみせると、「ネクストソーング!!!」と紹介。パンキッシュなナンバーに、感極まった最前エリアではモッシュが巻き起こり、曲中には「おーおーおー!」とシンガロングも発生した。

MCでは冗談を交えながら、この日販売された初のTシャツを紹介。さらに「渋谷のみなさん!アイラブユー!」とご機嫌な言葉が飛び出す場面もあった。

あっという間に「残りあと2曲」と宣言すると、客席からは「えー!!」と悲鳴。それを遮るように、takaは「自分たちが本当に伝えたいこと伝えて帰ろうと思います」と、真剣な表情で口を開いた。

「おれらのバンドは、はじめから2人きりだったわけじゃなくて、最初は4人のロック・バンドだった。とある曲を作ってる最中メンバーがいなくなってしまった…。バンドの方向性とか、いろんなことに悩んでしまった時期があって。それでも音楽がすごい好きだし、どんな形でもバンドやりたいとずっと思ってて、1人でも多くの人の日常に寄り添える曲作りたいからやってきた」

これまでを回顧しながら、ゆっくりとバンドへの思いを語る。そして視線を一瞬横に向けると、takaは「これからも、こいつと、いろんなことを、頑張っていこうと思う」と誓った。

続けて「みんなもつらい毎日で、いろんなことを経験していくと思うけど、そういう気持ちを翼に変えて生きていってほしい」と熱いメッセージを観客に送ると、「おれたちがこのバンドで一番はじめに作った曲」と紹介。披露されたのは、ここにいる誰もが待ち焦がれていた楽曲「孤独の鴉」だ。

曲がはじまると、彼らの直前に出番を終えたばかりのアイドル兼シンガー・ソングライターの里咲りさが「エア・ギタリスト」としてステージに登場。yukaの魂を削るような熱唱、そして「跳べ!!」を合図に、狂喜乱舞の客席は一斉にジャンプ。里咲も、LOOP H☆Rに負けないアグレッシブなステージングで、曲に彩りを添えた。

takaが「ミュージシャン同士の繋がりは、大事にしていきたいなって」とコラボについて説明すると、いよいよ最後の曲へ。「これからもおれらは音楽続けてくっていう夢を諦めない。みんなも諦めないで、夢のために強く生きる自分たちでいてほしい。そんな思いを込めた、いま一番大事にしている曲をやりたいと思います。きょうは本当にありがとうございました」と感謝を告げると、「ここにいる全員の夢が叶いますように。ラストソング、夢!」と言い放った。

美しくメロウなイントロに、ヴォーカルが優しく重なる。エモーショナルすぎる演奏に、もはや歌詞はほとんど聴き取れない。しかしyukaが「ここにいる全員の夢を乗せて!」と絶叫すると、メッセージを受け取った観客たちは精一杯の声で「オイ!オイ!」叫び、拳を突き上げた。里咲はここではエア・ドラマーとしてプレイした。

トリでもないのに、場内からはアンコールが鳴り止まない。takaはそんな彼らに「アンコールありがとう。でも、ほかのバンドもつかえているからさ」と優しく諭す。「必ずまた会いましょう。ありがとうございました」とクールに告げると、客席から差し出される手をとり、一人一人と固い握手。再会を約束して、ステージを後にした。

時間にして、わずか30分。しかし彼らは、大きな爪痕を残していった。「これは…すごい」「格が違いすぎる」「ロックを超えた」「規格外」――。伝説を目の当たりにした観客たちは、口々にそう漏らしていた。一見、色物のようにも思えた彼らが見せてくれたものは、どこまでもピュアなハートと、絶え間ない情熱。それは、我々が忘れかけていた大切なものを、思い出させてくれるようだった。

■物販も衝撃

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