軽井沢スノボ&ショッピングツアーへ。ツンデレ思春期娘との母娘旅
2017年4月に中学生になった、我が家の長女。
まだ幼さは残るものの、思春期娘特有の「反体制的」「ロックな態度」が日々漏れ始めている。
毎年恒例の家族旅行も、
「マジうざい!」
と、拒否られる日がきっと近い。そう思った母は、初の母娘2人旅を企画した。いつもは5歳児次女のレベルに旅程やアトラクションを合わせるので、家族旅行は長女にとって生ぬるかったに違いない。
だから今回はチャレンジャブルな何かが必要だと思い、私も長女も初体験の「スノボ」はどうかと提案してみたのだ。次の日にはグルメ&ショッピングという「飴の部分」も忘れずにプレゼン。すると、
「行く! 行く! 楽しそう!」
と、最近の長女にしては珍しく前のめりに、まんまと母の提案に乗ってきたのだった。
いざ軽井沢へ。ユーミンの鼻歌に長女は……
駅弁をスピーディーに平らげる長女
JR東京駅から北陸新幹線に乗り込み、軽井沢へ。車窓からゲレンデに思いをはせていたら、
「ブーリーザードブーリザー♪」
自然に鼻歌が漏れてしまった。
すると、隣のJC(女子中学生)に、
「何それ? 懐メロ?」
と、聞かれる。長女よ、まさかユーミンさまを知らないの?
私が若者だったころ、恋人や友人同士でスキーに行くのは王道だったし、バックには常にユーミンが流れていたものだ。
そんな若者たちは車で行くものだから、夜中から出発しているのに道路は大渋滞。私の中の軽井沢は外国より遠かった印象だ。
ところが、新幹線のチケットを確認すると、東京駅から約1時間でJR軽井沢駅へ着くという。時間もそうだが、当時は雪道に入ると、男性たちは暗くて寒いなか車から降りて、メカニックのように粛々と、タイヤにチェーンをはめていたものだった。あの苦労は、なんだったのだろうか……。
すべては母が若かりしころ、恋人はサンタクロースだった時代のお話だが、うかつなことを言うと近い将来確実に、彼氏との旅行だのなんだのの交渉材料にされるので、私は黙って駅弁を食べることに徹した。
あっという間に、軽井沢駅に到着。
駅前にあるショッピングモール(軽井沢・プリンスショッピングプラザ)を通り抜けると、駅から徒歩10分ほどで、宿泊先である軽井沢プリンスホテル イーストにたどり着いた。ホテル好きは女子も熟女も一緒。着いた途端にテンションがMAX!
今回はコテージを予約。ツインベッドルームが2部屋あることにはしゃぐ、コテージ初体験の長女
そして、ウェアや靴やボードをレンタルして、コテージに隣接するスキー場へGO!
スキー場を見るのが初めての長女と、ゲレンデ25年ぶりの母は、人工雪のクオリティにまずは感動。次に、ものすごいスピードで滑り降りてくる上級スキーヤーたちに、目が釘付けに。長女は、ここでやっと我が身の危険を感じたようだ。
しかし長女よ、大丈夫だ。母は軽井沢スキー学校のレッスンを予約している。私たちにはインストラクターの先生がついている!
ただ、母もスノボは未知数なので、「とにかく、けがをしないようにがんばろう」と、消極的な目標を2人で確認し合ったのだった。
長女とインストラクターの先生
インストラクターの先生が、超初心者の私たちに、姿勢やボードの乗り方、止まり方などを優しく教えてくれ、30分ぐらいでリフトに乗り込む。「え? もう?」と不安そうな長女。私も、心の中では充分に不安であった。
2人とも生まれたての動物みたいなへっぴり腰でゲレンデをズルズルと降りていったが、最終的に、なんとかひとりで転びながら滑れるように。インストラクターの先生に根性と体力を褒められて、素直に喜んだ45歳の母。
けがなく、目標達成。天気も良くて大満足のスノボ初体験
このシーズンに来られてよかった♪ ホテル内はクリスマス仕様
夜になると、ホテル内がクリスマスイルミネーションで美しく彩られた
イルミネーションをうっとり眺めていると「ママ、本当はパパと来られればよかったのにねぇ」などと言われる。おちおちうっとりもしていられない……それが思春期娘との旅。
ホテル内レストラン、すき焼 しゃぶしゃぶ 鉄板焼 爽風へ。
夕食はホテル内のレストラン、すき焼 しゃぶしゃぶ 鉄板焼 爽風で鉄板焼をいただいた。担当してくださったのは、和食調理リーダーの太田智弥さん。明るく朗らかな彼のおかげで、何倍も楽しいディナーに♪
お肉が溶ける! 信州野菜たちが甘い!
ホテル泊の醍醐味は「マッサージ&エステ」!
おなかもいっぱいになったところで、事前予約してあったホテル内スパ、SPA THE FOREST PRINCEへと向かった。母は日ごろの疲れ&スキー場の日差しをここで帳消しに。明日に持ち越してはならないのだ。
長女は、
「ママは旅行のたびに行くよね。私はまだ全然必要ないから~♪」
などと言いやがる。JCめ!
いつもの家族旅行の際は絶対についてこないのだが、今回はSPA内の温泉に入れるということで一緒に行く。(SPA利用者は無料、別途入湯税150円)
グリーン・フォレスト/ボディー&フェイシャル90分コースを施術していただく
マッサージマニアの私が瞬殺されているところ
匠の施術にすっかり骨抜きにされ、フロントに戻ると、「ママ、長い! 待ちくたびれた! そもそもママはさぁ……」とクレームの嵐。せっかくいい気持ちだったのに。あああ、うるさい……たまらなく。
母娘旅、夜長の過ごし方
部屋では買い込んだお酒たちで部屋飲み(長女はカップラーメン&お茶)をするも、今日は疲れたので早々にそれぞれの部屋へ。
「ママ、おつー!(*お疲れ様の略)」
と部屋に消える長女を見て、寂しくもあり頼もしくもあり。
長女が小さかったころ、私はトイレもお風呂も、ひとりでゆっくり入ることができなかった。私が見えるところにいないと寂しがる、甘えん坊時期がほかの子より長かったから。
その子が今やこんなに大きくなり、喜々としてひとり部屋へ消えるのだ。まぁ、眠りに、というよりは、早く親と離れて、友達とLINEしたり音楽を聴いたりしたい年ごろになったということなのだろう。
わかる! わかるさ! 思春期の娘よ。ママのころは家電話とステレオだったけどね。
朝起きると一面に霜が降りていた。この幻想的な景色を見ることができただけで、軽井沢に来てよかったと思う
2日目は旧軽井沢でショッピング
10時にチェックアウトを終えて、母娘2人旅2日目の目玉であるショッピングへと繰り出すことに。ホテルから見て軽井沢駅の反対側に旧軽井沢と呼ばれるところがあり、有名なお店やショッピングモール・チャーチストリート軽井沢などがあるとのこと。たまたまホテル前に送迎バスが止まっていたので、タイミングよく乗り込んで駅まで向かう。駅に着き、荷物をコインロッカーにしまうと、サイクルメイトというレンタサイクルのお店が目に入った。
「自転車で回ろうか!」
と提案すると、
「いいね! でも、ママ自転車乗れるの? っていうか似合わないんだけど! ウケる!」
と長女はひとりでウケていた。何が面白いのかさっぱりわからないが、母はだいぶ見くびられているようだ。
旧軽井沢銀座通りを途中左折すると、別荘地が広がっていた
どこまでも続く木々の道。匂いや空気が都会とはまったく違う
この時ばかりは「ママ、気持ちいいね!」と、思春期娘もご満悦だった。マイナスイオンをたっぷり浴びながら、私たちは自転車で旧軽井沢をグルグル散策した。
ランチは旧軽井沢のイタリアンで
事前に予約しておいたリストランテ ピエトリーノへ。軽井沢ニューアートミュージアム内にあるこのイタリアンレストランは、軽井沢の野菜をふんだんに使ったメニューが売り。
信州カボチャのスープ。おいしすぎた
絶品! モチモチでフレッシュなトリュフパスタ
トリュフパスタほか、前菜のハムや野菜もしみじみとおいしい。どこで何を食べてもおいしい軽井沢……恐るべし……。
ショッピングの〆は、あのアウトレットへ。とうとう親子げんか勃発!
最後は、長女お待ちかねの軽井沢・プリンスショッピングプラザへ。広大な敷地内に有名ブランドのアウトレット、インテリア、雑貨など200店舗以上が軒を連ね、飲食店も充実。女同士なら1日中いられること間違いなし!
長女は、昨晩から調べていたとみて、お目当てのお店を効率よくいくつか回り、たくさん試着してお買い物終了。
さて、次は母も見ようかな? と思っていたら、買い物を終えて満足した娘は駅に向かおうとしているではないか。
おい! ちょっと待て。そこのJC!
「キミは友人相手でも、そんなに協調性がないのか?」
と、最後の最後に母はブチ切れた。
振り返れば、たったの1泊2日だが、この2人旅の間中、私たちは何度もちょこちょこぶつかった。家族旅行ではいつも4人だし、やりたいことが多いチーム(母と長女)と、ついていくチーム(夫と次女)がバランスよく調和されていたから争いも少なかったのだと、今さら気づく。
今回は、やりたいことが多いチームが2人きりのガチンコ勝負。おまけに思春期VS更年期の戦いでもあり、誠に残念ながらチームも時期も悪かったのかも、と思い直す。
私の買い物(大人げなく強行)と家族や友人へのお土産を買って、帰りの新幹線に乗るために、私たちは再び軽井沢駅へ向かった。
すると、来た時には気づかなかった大きなクリスマスツリーが、改札前に美しくたたずんでいた。
私たちは、しばしツリーに見惚れた。そして、軽井沢で最後の、娘の写真を撮った。
すると、
「ママ、今回、私をこの旅行に連れてきてくれてありがとう。
本当はとってもうれしかったし、すごく楽しかったんだ。
ありがとうね、ママ」
と、恥ずかしそうに長女は言うのだった。
ツンデレか? これがツンデレいうものなのか!? と、魂が叫ぶも、子どものような大人のような、機嫌がコロコロ変わる成長期のキミと2人で旅行ができて、本当は私の方こそが、旅の間ずーっとうれしかったのだと長女に気づかされる。最後の最後の最後に。
「ママも、とっても楽しかったよ。またいつか2人でどこか行こう!」
と、こみ上げる何かを抑えながら言うと、先ほど長女を写した私のスマートフォンを指して、
「だったら、ママ、もっと新しいスマホに変えた方がいいよ。画質悪いし、今どきそんなの誰も使ってないよ。アンティークじゃないんだからさー。ちょーウケる!」
などと再び悪態をつかれるのだった。
まったく……このJCめ!
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