第56回 2018年は、これからのアメコミ映画を担う1年!?

今年もよろしくお願いいたします!
さて2018年というのはこれからのアメコミ映画を担う1年になるのでしょう。
僕はアメコミ映画のエポックメイキングになったのは2008年、2012年だと思っているのですが、その2つの年に匹敵します。

まず2008年は『アイアンマン』と『ダークナイト』が封切られた年なのです。リーマン・ショックで企業の責任が問われる年に、社長ヒーロー物がそろった、という奇跡。
そして『ダークナイト』は社会現象となり、またマーベルの自社映画部門マーベル・スタジオの『アイアンマン』の大成功が後の『アベンジャーズ』につながるマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の始まりだったわけです。
2012年には『アベンジャーズ』『アメイジング・スパイダーマン』『ダークナイト・ライジング』が夏に出そろうという大変な年になりました。アメコミ映画がハリウッドの中核になったことを感じさせる年でした。

そして2018年。
まず今年は『アイアンマン』から数えてMCU10周年の記念すべき年。
その集大成ともいうべき、ほとんどのマーベル・ヒーローが共演する『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が公開です。
このビッグ・イベントに前後して、MCU初の黒人ヒーローが主役の『ブラックパンサー』、女性ヒーローの名がタイトルに入った『アントマン&ワスプ』が公開されます。MCU的なダイバーシティの始まりですね。

このMCU旋風の中、20世紀フォックス印のX-MEN映画が3本公開されます。
ご存知のように、X-MENはマーベル・コミックスのキャラですが、映画化権は20世紀フォックスが持っているのです。
あの『デッドプール』の続編『デッドプール2』。
正統派X-MEN映画の流れをくみながらも宇宙まで舞台が広がると言われている『X-MEN:ダーク・フェニックス』。
そして若きミュータントが悪霊と戦う!というX-MEN映画×ホラーな異色作『ニューミュータンツ』です。
X-MENという素材だけでこれだけのバリエーション・・ここから新たなX-MEN映画のあり方、作り方がわかるショウケースともいえます。
しかし、例のディズニーの20世紀フォックス買収で、X-MENの映画化権がディズニー→マーベル・スタジオに戻るため、2019年以降のX-MEN映画はMCUに取り込まれる可能性大。
そうなると”20世紀フォックス印”のX-MEN映画の見納めの年になるかもなのです。

こうした中、スパイダーマン系の権利を持つソニー・ピクチャーズはスパイダーマンの出ないスパイダーマン映画ともいうべき『ヴェノム』(=スパイダーマンのライバル・キャラ)を公開。MCUとは異なるマーベル映画路線を貫くのかもしれません。

マーベル陣営のライバルDCは、年末(日本は来年)の『アクアマン』まで
公開作がありません。ちょっと寂しいですが、『ワンダーウーマン』が素晴らしかったので『アクアマン』に期待が持てるし、『ジャスティス・リーグ』でいったん区切りのついたDCヒーロー映画戦略をDCなりにジックリ見直す1年になりそうです。いい方向性が見えるといいですね。

というわけで2018年は個々の作品自体も楽しみですが、ふりかえってあの年が大きな転機だったと、あとから言われる1年になりそうです!
今年もみなさんと一緒に盛りあがっていきましょう!

(文/杉山すぴ豊)

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