日本人の「生き方」を本気で変えにいく――仕事の“質”を高めるソリューションの模索
三井不動産株式会社が2017年4月より提供をスタートした「WORKSTYLING」。複数の企業で空間を共有できる、この全く新しいスタイルのシェア型ワーキングスペースを通じて、私たちは本気で日本人の“働き方”を変えようとしています。仕事の質を上げ生産性を高めてもらうべく、環境整備に力を注いできました。
※本記事は、「PR Table」より転載・改編したものです。
働き方の効率化だけではなく、なぜ仕事の「質」を追求しないのか
▲プロジェクトメンバーの石田整(左)と、シスコシステムズの菊田邦秀さん(右)「なぜ、日本人は働き方の議論を“量”でしかしないのだろうか」――ビルディング本部法人営業統括部の石田整はかつて、経済産業省に勤務していました。しかし長年にわたり、働き方改革が仕事量の議論ばかりで、「質」の話にならないことに大きな課題を感じていました。
石田 「仕事はもっと密度を濃く、やるべきことをやったほうが付加価値も上がるはず。ずっと、その方が世の中にとってもプラスだと思っていました。しかし日本の社会には、課題として『質を評価する仕組みがないこと』『評価軸がひとつしかないこと』があるんですよね」
日本人の労働生産性は、先進諸国に比べて低いと言われています。長時間労働をしているのに結果に結びついていないならば、仕事そのものの質を変えていかなければならない――。
高い生産性を発揮できる仕組みを、日本の中でも生み出していきたい。日本人にはそれができる能力があるのに、もったいない。石田はそう感じていました。
そんな彼がWORKSTYLINGプロジェクトに参加したとき、すでに素案として挙がっていたのは、企業のサテライトオフィスを作る構想でした。
石田 「正直、ただのサテライトオフィスなら自分は使わないと思いました。たとえば効率化を求めて、移動時間を減らしたいだけなら従来のコワーキングスペースやカフェでもいいですよね。でも本当に仕事が捗り、新しい発想が生まれやすい空間を作れるなら、取り組む価値はあると考えました」
そのために必要なのは、今までは世の中になかった“シーン”を作ることだと考えた石田。そのひとつとして検討したのが、テレビ会議などを含めた最新ネットワーク機器のソリューションでした。
たとえば日常的な仕事のシーンで、当たり前のようにテレビ会議が使われていること。そうしたソリューションを十分に活用できる環境が整えば、仕事の生産性も向上するはずです。
そこで石田は、IT分野の世界的リーダーであるシスコシステムズ合同会社に声をかけました。担当の菊田邦秀さんとともに、具体的な環境整備に取り組みはじめたのです。
少しずつ見えてきた“働き方を変える新しいシーン”と乗り越えるべき課題
石田は、はじめからいきなり機器の提案をしてもらうのではなく、まずはコンセプトワークから菊田さんと共有することに。今後の世の中でどういう働き方が求められていくのか、どんな環境やシチュエーションが考えられるのか、働き方の質を上げるには何が大事なのか……。ひとつずつ議論を重ねていったのです。
シスコシステムズ自体も、2001年から在宅勤務を開始するなど、かなり早い段階から「働き方」について模索を続けてきた企業です。「Changing the Way We Work, Live, Play, and Learn – 「働く」「生きる」「遊ぶ」「学ぶ」を変える」という社是のもと、すでにいろいろなチャレンジをしていました。その目指す方向性が、WORKSTYLINGプロジェクトと合致していたのです。
しかし菊田さんは、WORKSTYLINGが掲げる構想に対し、ある懸念を抱いていました。
菊田さん(シスコシステムズ)
「お話をはじめて聞いたときには、難しいプロジェクトになると思いました。シスコシステムズは、これまで数多くのお客様の働き方改革のお手伝いをしてきました。そうした経験から、働き方を変革するには大きく3つのハードルがあると考えていたんです。
ひとつは、在宅勤務やフレックスタイム制などの人事制度を整備すること。もうひとつは、オフィスや会社が用意する、ツールなどの働く環境を整備すること。そして何より、一番難しいのは“カルチャーを変える”ことです。
会社全体で取り組む課題であることはもちろんですが、特に経営層やチームリーダーが保守的な価値観から抜け出し、変化することを恐れずにチャレンジすれば、周りのメンバーも賛同してカルチャーが変わっていきます。ただ、それはそうそう簡単にできることではありません」
効率化はもちろん重要。でもそれと同時に、生産性を高めることも考えていかなければいけない――石田の主張は、最初はなかなか深い理解を得られませんでした。彼は根本的な理解を得るため、粘り強く議論を重ねていったのです。
テレビ会議を通して、「生き方を変える」新しい構想を見ていた
WORKSTYLINGは、決して仕事の効率化を目指し、働き方を変えるだけの場所ではない。もっと新しい発想で、 “生き方を変える”ところまでいかないと、このプロジェクトは成功しない。石田はそう考えていました。
では、彼がシスコシステムズとともに構築した、ネットワークやテレビ会議のソリューションは、何をどのように変えることになるのでしょうか――?
菊田さん 「私たちシスコシステムズとしても、face to face の重要性は十分に理解しています。だから、face to face を全てテレビ会議に代替したいわけではないんですよ」
石田 「テレビ会議のソリューションがあれば、今までわざわざ集って行っていた打ち合わせや会議の一部が、遠隔でできるようになるかもしれない。その時間がface to faceとほぼ変わらないことを体感したとき、私たちは本当に必要な対面のコミュニケーションに、もっともっと時間を割けるようになると思うんですよね」
重要なのは、移動時間を減らすなどの「量の効率化」ができることだけではなく、その時間の「質」が上がることなのです。
ただ現実問題として、各企業が個別にそれを叶えようとするのは至難の業。さまざまな慣習を全社的に変えなければいけないうえ、システムの導入コストなど、物理的なハードルも相当高いものです。
だからこそ、WORKSTYLINGが整備する最先端のソリューションを利用することで、多くの方々にこうしたシステムの利便性に気づいてほしい。
社員のみなさん一人ひとりがテレビ会議などのメリットを認識し、柔軟に活用するようになれば、そこからボトムアップで会社や社会、そして人々の生き方そのものが変わっていくはずだと、石田は考えているのです。
WORKSTYLINGを、“四方よし”のビジネスモデルとして広めていきたい
もちろん生産性を高める手段は、テレビ会議のシステムやソリューションだけではありません。石田は広い意味でさらに生産性を追求し、個々人の働き方や生き方を変えられるようになっていきたいと考えています。そしてそれは、シスコシステムズも同様です。
菊田さん 「日本の場合、まずは大企業から変わっていかないと、生き方も何も変わらないと思うんです。だからこそ、三井不動産がこうしたプロジェクトに取り組むことには意義があるはずだと、シスコシステムズとしても大きな期待を寄せています」
さらに石田は、このWORKSTYLINGの事業を、近江商人の言葉「売り手よし・買い手よし・世間よし」の三方よしになぞらえて、「四方よし」である必要があると考えています。
それは彼がプロジェクトに参加したとき、はじめて作った資料に大きく記した言葉でもありました。
石田 「まず、いうまでもなく大事なのは、とにかくお客様に喜んでもらえるかどうかです。このプロジェクトのお客様は、企業そのものと、その企業に勤める社員の方の2方向あります。企業が利用したいと思う理由と、個人が利用したいと思う理由は全く一緒ではありませんからね。
その2者に加えて、世の中にとっても望まれる、好ましい事業でないと拡大はできません。今回のプロジェクトにより、たとえばみなさんのライフスタイルが変わって少子化対策に貢献できたり、満員電車のストレスが軽減されたり……社会にとって、そうした望ましい変化を生み出したいと考えています。
併せて、自分たちもマネタイズしていかないと、サービスを継続できません。利用企業、企業の社員の方、社会、そして当社のみんなが同じ方向を向けるビジネスモデルとして、このプロジェクトを普及させることがとても大事だと思っています」
これから、WORKSTYLINGを“四方よし”のビジネスとして広め、みなさんに「使ってみたい」と感じていただくにはどうしたらいいのか。石田をはじめとするプロジェクトメンバーは今、さまざまな模索を重ねています。
今までになかった新しい概念を具現化し、働き方の「質」を上げる体験を、多くの人に味わってほしい――。WORKSTYLINGが目指す想いはひとつです。
「WORKSTYLING」公式サイト https://commons-web.jp/workstyling/ws.html
会社説明会では語られない“ストーリー“が集まる場所「PR Table」
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