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部屋の寒さは窓次第!? 進化する「省エネ窓」の断熱効果に注目

部屋の寒さは窓次第!? 進化する「省エネ窓」の断熱効果に注目

寒い冬がやってきた。暖房を効かせた家に居ても、窓際ではダウンを着たくなったり、廊下に出るとブルっと震えたりするのがこの季節。日本人の死亡率が夏よりも冬のほうが高い(※)のも、家の中での寒暖差が血圧の急な上昇や変動を引き起こすヒートショックと無関係ではないだろう。そんな日本の家の寒さの解決のカギを握る断熱効果について、「窓」を手掛ける2つのメーカーに聞いてみた。

※厚生労働省「人口動態調査」(2016年)より

「廊下やトイレでブルルッ」がなくなる?

突然だが、皆さんの住まいは築何年だろうか。古い家は、冬になると寒さを感じることも……? 2017年10月にオープンしたばかりのLIXILの「住まいStudio」では、そんな“昔の家”と“今の家”、“これからの家”の寒さや暖かさの違いを体感できるというので、早速、行ってきた。

LIXILの「住まいStudio」の「冬体験ゾーン」では、外気温0度の巨大な冷蔵庫のような環境を人工的につくり出して、その中に断熱性能が異なる3段階の一戸建てを置き、それぞれの室内の暖かさや寒さを体感できるようにしている。

3種類の一戸建てのスペックは、下の表のとおり。私と編集スタッフのS女史は、このなかの“昔の家”から順に足を踏み入れてみた。【画像1】LIXILによるシミュレーション図。LIXIL提供のデータのうち、暖房期間(12月1日~3月31日)4カ月間のエアコンの電気代を4で割ったもの。<試算条件:リビングの広さ8畳、東京エリア、室温20度の暖房設定で全日運転>

【画像1】LIXILによるシミュレーション図。LIXIL提供のデータのうち、暖房期間(12月1日~3月31日)4カ月間のエアコンの電気代を4で割ったもの。<試算条件:リビングの広さ8畳、東京エリア、室温20度の暖房設定で全日運転>

“昔の家”は、リビングのエアコンこそ20度に設定されているものの、スリッパを履いた足元がひんやりと冷たい。エアコンがついているリビングはまだましで、エアコンなしの廊下に出てみると「寒っ!」と私とS女史の両方とも思わず悲鳴をあげる始末。「そうそう、おばあちゃんの家がまさにこうで、トイレに行くのがおっくうだったんだよなあ」と思い出したものだった。

「リビングの室温は20度でしたが、廊下は8度。実家がちょうどこんな感じと言うお客様が多いですね。実際、日本の家の約7~8割はこの水準の断熱性能(※) 以下と言われています」(LIXIL ハウジングテクノロジージャパン販売推進部販売推進グループグループリーダー 古溝洋明さん)

※国土交通省による推計(2012年)

次に 断熱性能を高めた“今の家”に移動すると、リビングでは足元のひんやりはなくなり、廊下で感じる寒さのショックも和らいだ。さらに断熱性能の高い“これからの家”に移動したところ、リビングのエアコンはさほど頑張っていないのに実に快適な室温が保たれている。エアコンのない廊下に出たときも同様で、この家の構造が、エアコンの助けをほとんど借りずに、冷蔵庫のような寒さから室内の環境を守っていることが分かった。

同じ条件下でもこれほどまでに室内の環境が違うのは、住まいの断熱性を決定づける要素である壁の構造と窓のつくりがそれぞれ異なるため。特に窓は、壁よりも熱の出入りが多いことから、断熱性能に及ぼす影響がより大きいということになる。【画像2】写真左:左から“これからの家”“今の家”“昔の家”。壁と窓の違いが分かる。 写真右:サーモカメラで見たリビングの室温。上の“これからの家”はオレンジ色と赤が基調で暖かく、左下の“昔の家”はエアコンの送風口しか赤い部分がない(写真撮影/日笠由紀) 【画像2】写真左:左から“これからの家”“今の家”“昔の家”。壁と窓の違いが分かる。 写真右:サーモカメラで見たリビングの室温。上の“これからの家”はオレンジ色と赤が基調で暖かく、左下の“昔の家”はエアコンの送風口しか赤い部分がない(写真撮影/日笠由紀)【画像3】冬は室内の熱の58%が開口部から失われており、夏も73%もの熱が屋外から流入している。(画像提供/LIXIL データ出典/一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会)

【画像3】冬は室内の熱の58%が開口部から失われており、夏も73%もの熱が屋外から流入している。(画像提供/LIXIL データ出典/一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会)

家を建てるときは、断熱効果の高い窓を選ぼう

住まいの断熱の上で最も大きな役割を果たす「窓」。では、どんな窓なら、断熱性能が高いのだろうか。

さきほど体験した“昔の家”の窓は、単板、つまりガラスが1枚で、フレームは熱伝導率の高いアルミ。“今の家”に使われていた複層(ペア)ガラスのほうが、2枚のガラスの間に空気層を挟む分、断熱効果が高くなっていた。そして“これからの家”では、複層(ペア)ガラスの間に空気よりも断熱性の高いアルゴンガスが挟まれている分、さらに断熱効果が高まっていた。

また、“これからの家”に使われていた窓は、フレームがアルミと樹脂の組み合わせでできている「ハイブリッド窓」。樹脂の高い断熱性と、経年劣化しにくいアルミの耐久性とを併せ持った「いいとこ取り」の窓なのだ。

さらに、これらの上を行く「トリプルガラス」、つまりガラス3枚の窓もある。ガラスが3層になるとさらに性能や断熱効果が高まるようだ。

「これから家を新築する方なら、こうした断熱性の高い窓を選ぶことをお勧めします。建物面積36坪(約120m2)の一戸建ての場合、 “これからの家”を建てると、太陽光発電システムも含めて2550万円と、“今の家”よりもイニシャルコストは350万円高くなります。しかし35年間の光熱費や断熱性能による金利優遇(省エネルギー性の高い住宅に対して【フラット35】の金利を0.25%引き下げる『【フラット35】S』の適用)による差額が生じるため、トータルのコストは“これからの家”のほうが80万円安く済むことに。その上、暖かくて快適な生活が送れるわけですから、お得です」(古溝さん)【画像4】建物面積36坪(約120m2)の一戸建ての設定で試算した図(データ提供/LIXIL)
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